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Microsoft 365無償版のCopilot Chatガイド(61)エージェント編:アイデアコーチ

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Last updated at Posted at 2026-06-04

無償のCopilot Chatには、Microsoftが用意した標準エージェントがいくつか並んでいます。前回 Prompt Coach(プロンプトコーチ) を紹介しました。
https://qiita.com/Shinyas77/items/3b549072ad98a1d6bff2

今回は同じく無償で使える Idea Coach(アイデアコーチ) を取り上げます。

このエージェント編では、1記事につき1つのエージェントを取り上げ、「どんな業務を楽にしてくれるのか」を具体的に紹介していきます。
image.png

はじめに:よくある業務シーン

「来週、商品企画のブレストやるから、何かネタ考えといて」
「新しいキャンペーンのアイデア、3案ほどたたきで持ってきて」

上司や同僚から、こんな依頼が飛んできます。

机に向かって、考え始めます。

「うーん、前回と似たような案ばかり浮かぶ」
「アイデアはあるけど、これって本当に面白いのかな?」
「何を切り口に考えればいいか分からない」

ノートに書いては消し、ググっては別タブに飛び、コーヒーを淹れに行き、また戻ってきても手が止まったまま。気がつけば1時間経っているのに、紙の上はほぼ白紙のまま。
「アイデアって、降ってくるのを待つしかないのかな」と諦めかける。

こんな経験、ありませんか

この業務、なぜ大変なのか

アイデアを出すのが大変な理由は、いくつかあります。

一人だと視野が狭くなる

アイデア出しは、本来は 複数の視点をぶつけ合う ことで広がる作業です。ところが、一人で考えると、どうしても自分の経験や知識の範囲に縛られます。「いつも似たような案ばかり浮かぶ」のは、これが原因です。

「ゼロから始める」のが一番つらい

何もないところから何かを生み出すのが、最もエネルギーを使います。「何でもいいから書いてみよう」と言われても、入り口の問いが浮かばない。これが「白紙の壁」です。

アイデアの良し悪しが自分では判断しにくい

書き出したアイデアを見て、「これ、面白いのか普通なのか分からない」と感じる。一人で抱え込むほど、客観視できなくなります。

ブレストの「型」が共有されていない

いろんなフレームワークがありますが、忙しい業務の中で全部覚えて使い分けるのは現実的ではありません。結局なんとなく書き出している、という人が多いはずです。

Copilot Chatをこう使う(無償版前提)

ここで、Copilot Chat(無償版)の標準エージェント Idea Coach の出番です。
Idea Coachは、アイデア出しの「壁打ち相手」と「ファシリテーター」 を兼ねてくれます。

アクセス方法

  1. ブラウザで https://m365.cloud.microsoft/ にアクセス

  2. 左ナビから 「エージェント」 を選択

  3. 表示されていなければ、「すべてのエージェント」 から Idea Coach を追加
    image.png

  4. Idea Coachを選択して、会話を開始

image.png

使い方はシンプル

考えたいテーマと、ある程度の状況をIdea Coachに伝えます。完璧な情報でなくて構いません。

来月、社内向けに「生成AIを業務で使う」社内勉強会を企画することになりました。
参加者は経理・人事・営業など、非エンジニアの社員です。
彼らに「使ってみたい」と思ってもらえるような、勉強会のコンテンツアイデアを出してください。

Idea Coachは、Microsoft公式が示すとおり 質問形式の対話を通じてアイデアを引き出してくれます。いきなり10案を投げつけるのではなく、

  • 「参加者の現在のAIリテラシーはどのくらいですか?」
  • 「勉強会の所要時間と頻度は?」
  • 「過去に似た勉強会はやりましたか?」

といった質問が返ってきます。これらに答えていくうちに、自分の中の前提条件が整理 され、結果として精度の高いアイデアが返ってきます。

もう一歩進めるなら:創造的エクササイズの提案

Idea Coachの強みは、ブレスト用のエクササイズ も提案してくれる点です。

このテーマで、参加者全員が発言しやすくなる
ブレスト用のアイスブレイクと進行手順を3パターン提案してください。

「最近イラっとしたAIの使い方は?」「もし家族が生成AIを使えたら何を頼みたい?」など、身近な感情を引き出す問い から始める進行案が返ってきます。これは、Microsoft公式の機能で言うところの「ブレインストーミングセッションの計画」と「創造的エクササイズの提案」にあたります。

image.png

アイデアを整理する使い方

ある程度アイデアが出たら、整理もIdea Coachに頼めます。

ここまで出たアイデアを、次の軸で整理してください。
・実施までの準備工数(小・中・大)
・参加者への訴求度(低・中・高)

最後に、最も「準備が軽く、訴求度が高い」案を3つ選んでください。

「組み合わせるとシナジーがある案はどれか」「最も差別化できる案はどれか」など、整理軸を変えて何度も問いかけられるのも特徴です。

⚠️ 一度に複数の質問を詰め込まず、1プロンプト1質問 で会話を重ねるのがコツです(Microsoft公式ページより)。

Before / After

Before:一人でアイデア出ししていた場合

  • ノートに向かって、似たような案ばかりが浮かぶ
  • 客観視できず、面白いのか普通なのか判断がつかない
  • 1時間悩んで、紙の上はほぼ白紙
  • 所要時間:1テーマあたり1〜2時間、それでも案が枯れる

After:Idea Coachと一緒に考えた場合

  • 質問に答えながら、自分の中の前提が整理される
  • 自分一人では出ない切り口が、対話の中から出てくる
  • 整理軸を変えて、客観的に案を見直せる
  • 所要時間:30分以内で、たたき案が複数揃う

何が楽になったか

アイデア出しの 「ゼロから1」と「広げる」 をIdea Coachに任せることで、自分は 「どの案を選ぶか」「どう磨くか」 に集中できるようになります。

どこに時間を使えるようになったか

「アイデアが出ない…」と悩む時間が減った分、選んだ案を深掘りする時間周囲とすり合わせる時間実行プランに落とす時間 に振り向けられます。アイデアは、出すこと自体よりも 選んで磨くこと に価値があります。Idea Coachは、その手前の地味な作業を肩代わりしてくれます。

副次的な効果として、Idea Coachとのやり取りを重ねるうちに、「アイデアを引き出す問いの型」が自分の中にも蓄積されていきます。次第に、自分一人でブレストする時にも、Idea Coachの問いかけを真似た自問自答ができるようになります。

活用のコツ(他の業務にも使える視点)

テーマの「制約」も一緒に伝える

「自由に考えて」と言うより、「予算は◯円以内」「期間は1ヶ月」「対象は◯名」 のように制約条件を伝えるほど、現実的で使えるアイデアが返ってきます。アイデアは制約があるほど、かえって面白くなるものです。

出てきた案を「組み合わせ」で広げる

Idea Coachが出した案を見たら、「A案とC案を組み合わせるとどうなる?」と聞いてみるのも有効です。単独では平凡な案が、組み合わせで化けることがあります。

「自分だったらこうする」を最後に必ず通す

Idea Coachはあくまで提案役。最終的に どの案を選び、自分の文脈にどう落とすかは、自分の判断 です。AIの提案をそのまま採用するのではなく、「自分だったらここをこう変える」を必ず一回挟むと、提案の質が一段上がります。

他のエージェントへの転用ヒント

Idea Coachで身につけた「質問形式で前提を整理しながら考える」やり方は、他のエージェントを使う時にも応用できます。一気にアウトプットを求めるのではなく、対話の中で前提を固めてから本題に入る。この使い方は、Copilot Chat全般で効きます。

まとめ:この業務の「型」

アイデアを出す業務は、次の型で考えられます。

テーマと制約を伝える → 質問に答えて前提を整理 → アイデアを広げる → 整理軸を変えて選ぶ → 自分の判断で磨く

この中で、Idea Coachが役立つ部分は:

  • 一人では出てこない切り口を、質問を通じて引き出すこと
  • ブレスト用のエクササイズや進行案を提案すること
  • アイデアを整理する軸を、複数提示すること

一方で、人がやるべき判断の部分は:

  • 最終的にどの案を選ぶか
  • 選んだ案を自分の文脈にどう落とし込むか
  • 周囲や上司にどう伝え、合意形成するか

Idea Coachは、アイデアを代わりに考えてくれるわけではありません。あくまで、あなたが「白紙の壁」を越えるための、最初の一歩を後押ししてくれる相手です。

次にブレストの場面で手が止まったら、テーマと制約をIdea Coachに投げて、まずは1つ質問を返してもらうところから始めてみてください。

参考(Microsoft公式)

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