はじめに
みなさん,はじめまして.
パナソニック株式会社でOSSコンプライアンス推進を担当している加藤と申します.
本日は、オープンソースに関するイベント Open Source Summit Japan 2021(OSS Japan 2021)について紹介したいと思います。
Open Source Summit Japan (OSS Japan) ってなに?
The Linux Foundationが主催するオープンソースソフトウェアに関する国際技術カンファレンスです.類似イベントに、Open Source Summit (North America) や Open Source Summit EU があり、毎年日本でも OSS Japan として開催されています(ここ数年は12月の開催です)。Open Source Summit Japan という名称になったのは2017年からで,過去は Japan Linux Symposium (2009年),Linux Con Japan (2010~2016年) という名称でした.また,近年は Automotive 関係のカンファレンスである Automotive Linux Summit と併催となっています.
2020年と2021年はオンラインでの Virtual 開催ですが、例年 OSS Japan には,世界中から,OSSプロジェクト・OSSコミュニティで活動するエンジニアが多数参加します.(例年,600~700人が参加しています.) 日本にいながら,世界のオープンソースの最新情報を聞いたり,海外のエンジニアはもちろんOSSプロジェクトのキーパーソンとも直接話しをする機会がもてるイベントです.
Open Source Summit Japan 2021 (OSS Japan 2021)
OSS Japan 2021 は 2021年12月14日~15日 に開催されました.今年は2020年に続きオンラインでの Virtual 開催でした.
( OSS Japan 2021 のリンク先は最新の年のOSS Japan のサイトにリンク変更されます.OSS Japan 2021のリンクは https://events.linuxfoundation.org/open-source-summit-japan-2021/ になります (2021/12/20 時点では,左記リンク先はまだありません))
OSS Japan は,おおむね,午前中に Keynote,午後からは技術分野ごとに複数 Session 同時進行,というプログラムです.OSS Japan 2021 では,7~8つの分野で Session が同時進行され,トータル Session 数は 約100件 (併催の Automotive Linux Summit 含む) でした.今回は Virtual 開催であとからすべての Session を録画視聴もできますが,聴きたい Session がかぶるとどれを聴こうか?と悩むことになります.Virtual 開催であとからでも視聴できるものの時間も有限ですし,たくさんの Session を追うのは大変です.
今回の OSS Japan では,Session分野は,「AI + Date」,「Automotive Linux Summit 1」,「Automotive Linux Summit 2」,「Cloud」,「IoT & Embedded」,「Linux System」,「OS Dependability」,「OSPO Con」,と あと Wildcard 枠 でした.この分野分けを見てまずは興味のある分野の Session を聞いてみるのが良いでしょう.
余談ですが,会場開催の際は,人気のある Session では会場内の椅子が足らないケースもあります.そんなケースでは立ち見は当たり前,前のスペースの床(絨毯)に直座りで参加するツワモノ(?)も居たりします.格式張った学会のような雰囲気ではなく,自由闊達な雰囲気のカンファレンスです.
また,OSS Japan では Session のスライドがUpされていることも多いので,OSS Japan に登録しなかった方もスケジュールページから気になる Session の概要に飛ぶとスライド(PDF)が公開されていて参照できると思います.
OSS Japan の スケジュールはこちら
Open Source Summit Japan 2021 (OSS Japan 2021) ピックアップ
私の独断と偏見で非常に簡単に Keynote をレポートしたいと思います.
Keynote の最初は,Open Source Summit では定番,The Linux Foundation の Executive Director である Jim Zemlin 氏による 最近のトピック になります.
【The Linux Foundation 近況】
・2021年は Linux 30周年
・Linux から始まった The Linux Foundation がホストするプロジェクトは,今では 750 プロジェクト に
・今年の Virtual イベントでは,192カ国から 90,000人以上の参加者で,登壇者は約 3,000人
・オープンソースはどんどん世界の標準に (例:SPDX,RISC-V)
次の Keynote は,併催の Automotive Linux Summit 枠で,Automotive Grade Linux (AGL) プロジェクトの Executive Director である Dan Cauchy 氏による,AGL の最近のトピックです.
【Automotive Grade Linux プロジェクト 近況】
・AGL プロジェクトは,2021年2月と7月にメジャーバージョンをリリース
・AGL プロジェクトでは,2022年は,よりハイパワーの SoC への対応や,仮想化技術 などにフォーカス
その後も,Fujitsu の Linux Development Division の Director である Hironobu Ishii 氏による Fujitsu の OSS開発の話,The Linux Foundation の Dependable Embedded Systems の Vice President である Kate Stewart 氏による SPDX や SBOM に関する話,Open Source Security Foundation の General Manager である Brian Behlendorf 氏による OpenSSF の話など,最近のOSS界隈のトピックが続きました.
最後に
なかなかすべてを紹介するのは大変ですが,Open Source Summit では,広く OSSコミュニティ・OSSプロジェクトのことを知ることが出来る貴重な機会です.OSS Japan だけでなく,The Linux Foundation 主催のカンファレンスは世界中で開催されています.最近は Virtual開催ですが,だからこそ参加しやすい面もあると思います.The Linux Foundation の Event ページ でイベントスケジュールを確認して,興味のあるイベントに登録・参加してみましょう.
また Open Source Summit Japan 2022 の日程もすでに決まっています!.2022年12月5~6日です!.予定表にいれておきましょう!