はじめに
ネットワークエンジニアにとって、不具合(Bug)情報の調査は避けて通れない業務です。
しかし、Bug Search Tool などの専用ツールをブラウザで開き、複数の条件で検索を行い、英語のドキュメントを読み解きながらフィルタリングする作業は、意外と時間がかかるものです。
今回は、 MCP (Model Context Protocol) を活用し、Claude から直接 Cisco Support API を叩いて、Cisco 製品の Bug 情報を取得・要約させる方法 を解説します。
なお本記事に記載の内容は、Windows 11 環境で動作を確認しています。
登場する技術の概要
Claude とは
Anthropic 社が開発した、高い推論能力を持つ AI モデルです。特にコードの理解や構造化データの扱いに長けており、エンジニアリング業務のパートナーとして非常に優秀です。
MCP (Model Context Protocol) とは
MCP は、AI モデル (Claude など) がローカルのデータや外部の API、ツールとシームレスに連携するためのオープンな標準プロトコルです。
これまでは API 連携のために個別のバックエンド実装が必要でしたが、MCP サーバを用意するだけで、Claude Desktop などのクライアントから直接外部機能を呼び出せるようになります。
Cisco Support API とは
Cisco のサポート情報をプログラムから取得するための API です。Bug 情報の取得、ケース情報の参照、製品のサポート終了 (EoL) 情報の確認などが可能です。
Cisco Support API の概要や詳細な使い道については、以下の記事が非常に参考になります。
Cisco Support APIsを使ってみる(2025年版)
設定方法
Cisco Support API 利用の準備
まずは、Cisco Support API を利用するための認証情報を取得します。
1. 自身の Cisco.com アカウントへ API 利用権限を付与
以下の Web ページを参照し、自身の Cisco.com アカウントに API の利用権限を付与してください。
この作業を行わないと、Cisco API Console に Cisco Support API が選択肢として表示されません。
Cisco Support APIs User Onboarding Process
補足:パートナーアカウントの場合
Cisco パートナーの場合、Partner Support Community のページを参照するよう記載がありますが、2026年1月時点ではページが存在しませんでした。
筆者の場合、apix-support@cisco.com にメールで権限付与を依頼しました。
2. API アクセスに必要な認証情報の取得
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Cisco API Console にアクセス
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My Apps & Keys から Register a New App を選択し、新しいアプリケーションを登録
項目 設定内容 Name of your application 任意の名前 Application Type Service Grant Type Client Credentials Select APIs Bug API, Product Info API を選択 -
Register をクリックし、発行された Client ID (KEY) と Client Secret を取得
後ほど使用するため、手元に控えておいてください。
MCP サーバ実行環境(Node.js)のインストール
今回は、Cisco DevNet の Code Exchange で公開されている Cisco Support MCP Server を使用します。
この MCP サーバは Node.js 環境で動作するため、未インストールの場合はインストールしてください。
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Node.js のインストール
公式サイトからインストーラをダウンロードし、インストールしてください。 -
インストール確認
ターミナルまたはコマンドプロンプトで、node -vおよびnpx -vを実行し、バージョンが表示されるか確認します。
> node -v
v24.12.0
> npx -v
11.6.2
Claude Desktop のセットアップ
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Claude Desktop のインストール
公式サイトからインストーラをダウンロードし、インストールしてください。 -
Claude Desktop の設定
Claude Desktop に MCP サーバを登録するため、設定ファイルを開きます。初回はファイル自体が存在しないため、新規作成してください。
Windows:%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json
ファイルに以下の内容を記述します。[Client ID]と[Client Secret]は先ほど取得した値に置き換えてください。claude_desktop_config.json{ "mcpServers": { "cisco-support": { "command": "npx", "args": ["-y", "mcp-cisco-support"], "env": { "CISCO_CLIENT_ID": "[Client ID]", "CISCO_CLIENT_SECRET": "[Client Secret]", "SUPPORT_API": "bug,product" } } } } -
Claude Desktop を再起動
設定を反映させるため、アプリを一度完全に終了(タスクトレイからも終了)してから再起動してください。 -
MCP サーバの起動確認
設定から開発者を選択し、cisco-supportが running になっていることを確認してください。

以上で、Bug 情報の取得に必要な設定は完了です。
使用例
設定が完了すると、Claude のチャット欄で自然言語を使って Bug 情報を検索できます。
実際にいくつかのパターンで Bug 情報を検索してみました。
例1 : Bug ID から詳細を確認する
例2 : 製品とキーワードで検索する
例3 : 製品とステータスで検索する
まとめ
Claude と Cisco Support API を活用することで、「ブラウザで Bug Search Tool を開く → 検索 → 英語のページを読み解く」という一連の作業が、「Claudeに聞く」 というワンステップに集約されます。
注意点として、Claude の出力は API の応答に基づきますが、要約の過程で細かいニュアンスが省略されたり、ハルシネーション(もっともらしい嘘)が混ざる可能性はゼロではありません。重要な判断を下す際は、出力されたリンクから原文を確認することを推奨します。
参考資料
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Cisco Support APIs
https://developer.cisco.com/site/support-apis/ -
Cisco Support MCP Server
https://developer.cisco.com/codeexchange/github/repo/sieteunoseis/mcp-cisco-support/ -
Cisco Support APIsを使ってみる(2025年版)
https://qiita.com/hiro-imamu/items/632daa602081114511e5


