ここまでの記事で「サーバー」や「仮想化」について学習しました。
ここまで理解できた方は、「物理サーバー」と「仮想サーバー」の違いも自然とイメージできるのではないでしょうか。
今回は、両者の特徴を比較しながら、クラウドの基盤となる考え方を整理していきます。
1. 事前知識
1.1. サーバー
サーバーは一見むずかしく感じますが、まずは次のポイントを押さえておけば十分です。
- サーバーとパソコンは 本質的には同じ「コンピュータ」
- 違いは 「どう使うか」という役割や用途 によって生まれる
- 初心者は 「パソコンの仲間で、用途によって意味が変わるもの」 と捉えれば十分
より詳しい解説は、以下の記事も参考にしてみてください。
1.2. 仮想化
仮想化とは、1台のサーバーを分けて複数のシステムが使えるようにする技術です。
昔は、1台のサーバーを特定のシステム専用で使うのが一般的でした。
これは、1つの土地に1つの家を建てて1世帯しか住めないようなものです。
しかし今は、1つの土地にマンションを建てて、複数の世帯がそれぞれ自分の部屋で暮らせるようになりました。
より詳しい解説は、以下の記事も参考にしてみてください。
2. 物理サーバー
実際にモノとして存在するサーバーです。
データセンターや会社のサーバールームに設置され、1台のサーバーに1つのOS・システムを入れて使います。
💡 イメージ:一軒家のように、1つの土地に1つの家が建っている状態。
メリット
- 他のシステムと共有しないため安定して動作
- ハードウェアを自由にカスタマイズできる
デメリット
- コストが高く、管理も大変
- リソースの無駄が出やすい(余った性能を他で使えない)
このような課題を解決するために、後に「仮想サーバー」が登場しました。
3. 仮想サーバー
物理サーバーを仮想化して利用できるようにしたサーバーです。
1台の物理サーバーの中に、複数の仮想サーバーを作ることができます。
💡 イメージ:1つの土地にマンションを建てて、それぞれの部屋(仮想サーバー)が独立して使える状態です。
メリット
- 1台の物理サーバーで複数のシステムを運用できる
- 必要に応じてサーバーを増減できる(柔軟性が高い)
- コストを抑えられる(リソースを共有できる)
デメリット
- 物理サーバーに比べるとやや性能が落ちる
- 1台の物理サーバーに依存しているため、故障時は影響が大きい
クラウドサービス(AWS、GCP、Azureなど)で利用されているサーバーは、ほとんどがこの「仮想サーバー」です。
つまり、仮想化技術があるからこそ、クラウドが実現していると言えます。
4. まとめ
物理サーバーと仮想サーバーの違いを学びました。
内容が「仮想化」と重なる部分も多いため、少し難しく感じた方もいるかもしれません。
もし不安がある方は、もう一度こちらの記事を復習してみてください。
