この文書では、Ubuntu24.04上で物理シミュレーションツールSOFAを活用する方法を紹介します。
「SOFA: Simulation Opensource Framework Application」は、INRIA(フランスの国立情報学自動制御研究所)が開発したリアルタイム物理シミュレーションの研究・開発のためのオープンソースフレームワークです。
https://www.sofa-framework.org/
SOFAとロボットシミュレーション
ロボットシミュレーションの場合には、剛体モデルでよいので「GAZEBO+ROS」が標準的なシステムと理解しています。以下のQiitaにも、詳しい活用情報がありました。
しかし最近では、以下に示すような「ソフトロボティクス」を目指す研究開発もあり、SOFAのような弾性体を対象としたロボットシミュレーションの需要があり、ROSとの連携を目指して、Ubuntu上でのSOFAの導入を紹介します。
利用環境の注意
オープンソースで公開され、ビルドすることが基本ですが、手軽に利用するためには、バイナリパッケージが便利です。以下のダウンロードページには、「Linux/Windows/MacOS」の3つの環境用に、ダウンロードが可能です。
https://www.sofa-framework.org/download/
ここでは、Ubuntu24.04LTS での利用を想定します。上記のページから最新版(v25.06.00)の、インストーラー形式(.run)をダウンロードして、試してみます。
インストール方法
・作業は端末で行います。インストール先は「/opt」とするので、chmodコマンドで「$ sudo chmod 777 /opt」を実行して、自由に利用できるようにします。
・Ubuntuでダウンロードフォルダを見ると、「SOFA_v25.06.00_Linux-Python_3.12.run」があります。このセットアップファイルを、以下のようにchmodコマンドで実行可能にします。
yos@ub24rd1:~/Download$ ls -l
-rw-rw-r-- 1 10月 19 20:51 SOFA_v25.06.00_Linux-Python_3.12.run
ryos@ub24rd1:~/Download$ chmod +x SOFA_v25.06.00_Linux-Python_3.12.run
ryos@ub24rd1:~/Download$ ls -l
-rwxrwxr-x 1 10月 19 20:51 SOFA_v25.06.00_Linux-Python_3.12.run
・このrunファイルを、「$ ./SOFA_v25.06.00_Linux-Python_3.12.run」として、実行します。
・インストール用ツールが起動して、「SOFA v25.06.00 Setup」が表示されます。以下の通りに進めます。
Welcome:Next>
→ Installation Folder:/opt/SOFA/v25.06.00 + Next>
→ Select Components:すべて選択 + Next>
→ Ready to Install:Install
→ Creating Maintenance Tool:Next>
→ Finished the SOFA v25.06.00 Setup:Finish
動作確認の方法
インストール先「/opt/SOFA/v25.06.00」の、コマンドが保存されたフォルダ「bin」に移動して、コマンド「./runSOFA」で起動します。
これでSOFAのGUIツールが起動し、SOFAのロゴと白いサイコロが表示されたら、起動成功です。
デモ用スクリプトファイルは、「/opt/SOFA/v25.06.00/share/sofa/examples/Demos」の中にあるので、File → Open Simulation で選択して開きます。
今後は、SOFAの活用方法を検証して、紹介したいと思います。