この記事はNEXTSCAPE Advent Calendar 2025の24日目の記事です。
アドベントカレンダーの24日目といえば...そう、クリスマスイブです。
皆さんはもうケーキを食べましたか?
12月に入り、我が家でも妻が
「うう、ケーキ...ケーキが食べたい...」
と言いながら、Instagramに挙がっているいろんなケーキの画像を見て回ることが増えました。
実は妻は妊娠糖尿病にかかってしまっており、医師から食事療法をするように言われている状態です。間食は基本的に避けるよう言われており、ケーキなどもっての外でしょう。
間食を避けるだけならまだ楽なのですが、この食事療法、指定がなかなか細かく、食品グループごとに食べる量を決められているんです。
この画像は妻が医師からもらってきた食品グループとそれらを食べていい量の紙、を写真に撮ったものです(生活感溢れる画像で恐縮ですが)。
例えばごはんは「穀物・いも・炭水化物の多い野菜と種実(表1)」、卵は「魚介・大豆とその製品・卵・チーズ・肉(表3)」にそれぞれ分類されます。

そして、それぞれのグループごとに、1日で食べる量の総量が決まっているわけです。
手書きで記載されている部分がその総量の定義で、例えば表1のグループは12単位摂取するように指示されています(1単位は図表中のイラストの側に記載されている数値。例えばごはんだと50gが1単位)。合計カロリーも1800kcalにするよう指示されています。
これをいちいち計算しながら夕食を準備するのはめんどうだなあ1、と感じていたのですが、会社でAI駆動開発を推進する立場である者として、ふと、
これってAIに管理させてみればいいんじゃないか?
と思い、実行してみました。
準備:ChatGPTを妻の管理栄養士にする
まずは先ほどの画像を文字起こしします。画像をそのままAIに放り込み、文字起こしするよう命じます。
出力された内容を確認し、誤っているところをちょっと修正し...
PDFとしてダウンロード。
この内容を、ChatGPTに教え込みましょう。
文書を読み込ませるため、ChatGPTのプロジェクト機能を使いました。スクショの都合でファイル名が違っていて紛らわしいですが、画像中のPDFファイル「ChatGPTカスタム指示.pdf」が、さきほど作ったPDFになります2。
さらに、プロジェクト指示で、先ほどの文書を参照しながら栄養士としてふるまうように指示。
これで準備はOK。
実践:毎食の食事を画像で報告
この日の夕食はぶりの照り焼きがメインで、作り置きしていた副菜2種類も添えました。
Qiitaには様々な記事があるものの、家庭料理の写真が添付されている記事は、恐らくこれが史上初でしょう。
さてこの写真を、「夕食です」という雑極まりないプロンプトと共にChatGPTに与えてみます。

おおっ!それっぽい分析がされている!
小松菜のお浸しのことを汁物と誤解していたりはするものの、メニューをほぼ完璧に理解していることがわかります。見切れてしまっているみかんまで捕捉しているのは驚きでした。
「全体として、妊娠糖尿病の夕食としてとても良く整った献立でした」
と、褒めてくれたりします。なんだか気分がいいですね。
加えて、ベースがChatGPTなので、朝昼の食事内容を基に夕食の献立を相談できたりもします。
定番の得意料理をマークダウンに書いて、プロジェクトドキュメントにおいておけば、それを基に提案してもらうことも可能です。
考察:あすけんとの比較
ところで、実は食事療法を始めるよう医師から言われた際に、一番最初に検討したのはあすけんでした。
が、実際に試してみて思ったことが2点。
- もらった食品グループに基づいた指導ができなさそう
- 妻の代わりに夫が入力する、といったことがしにくい
1についてはおおむね合意していただけると思います。食品グループに基づいた指導含め、あすけんでは本記事で述べたほどのカスタマイズはできないと思います。
2についてもう少し説明すると、妊娠糖尿病って食事療法に加え、食前に血糖値の測定とインスリン注射が必要になるのですが、この食前の作業が妻にとって負担でして、食事の写真撮影や管理はせめて夫である私の方で代行したかった、というのがあります。
究極、妻のスマホを借りればできなくはないかもでしたが、あすけんは体重のデータが表示されるらしく、体重を見られるのが絶対にイヤ!と言ってききませんでした。
その他:ChatGPTのプロジェクト機能に対する気づき
ここからは少し細かいですが、ChatGPTのプロジェクト機能を実際に使ってみて気づいたことを紹介します。
※2025年11月時点の情報です。閲覧時点で仕様や挙動が変わっている可能性があることをご了承ください。
気づき①:複数人でチャットに書き込むとチャットが枝分かれする

今回は基本的に1日1スレッドでチャットを作成していく形で会話を行ったのですが、朝食を私が、昼食を妻が、夕食を私が入力すると、上図のようにチャットがその都度枝分かれしてしまいました。だいぶ見づらかったです。
気づき②:チャットをまたいだ文脈の把握は60点くらい

せっかく毎日記録しているのなら、1週間ないし1か月などのまとまりで、振り返りや評価をしたいなあ、と思うのがマネージャー冥利だと思うのですが、実際にこれをやってみるとあんまり精緻に把握してくれない...
上図は過去1週間の献立を表にするように指示した結果ですが、昼食にやたらうどんを食べてる人たちみたいになってしまいました。
入力が画像メインだったから、というのもあるのかもしれません。テキストベースだともう少し理解してもらえたりするのでしょうか。
気づき③:チャットから直接プロジェクトのファイル保存ができない
「定番の得意料理をマークダウンに書いて、プロジェクトドキュメントにおいて」といった指示をしても、マークダウン形式で書いてはくれるものの、直接プロジェクトドキュメントに保存まではしてくれないようでした。ちょっと不便。
まとめ
ChatGPTのプロジェクト機能を利用して、妊娠糖尿病になった妻の食事療法を行ってみました。なかなか面倒くさいところもある食事療法ですが、ChatGPTにより以下のサポートを得られたかなと思います。
- 毎日の食事内容を楽に記録できる(画像だったり、非定型の雑な日本語だったり)
- 朝昼の食事内容を基に、夕食の献立を相談できる
- その日の食事療法を評価できる
ただ一方で、複数人での共有や、チャットをまたいだ文脈の把握、ファイル保存などにおいて、ChatGPTのプロジェクト機能には少し使いづらいというか、痒い所に手が届いていない印象がありました。個人的には「プロジェクト」と聞くと、複数人での利用ができると嬉しいイメージでしたが、どちらかというと個々人ひとりひとりで閉じるプロジェクトに向いた機能なのかもしれません。
それにしても、改めて最近の生成AIの画像認識の精度には驚かされました。
記事の本筋からすこしそれるのでさらっと流しましたが、冒頭で手書きの書きこみのある図を文字起こしさせたりしたのも、60点クオリティくらいまではやってくれたりします。
2025年はまさに生成AI元年といった感じでした。
来年はどうなるでしょうね。
ちなみに我が家の来年はもちろん、子育てがテーマになりそうです。
育休も半年ほどいただく予定です。
「えっ、生成AIの利用が推進されていて、(男性の)育休取得も実績がある、そんなIT企業にお勤めなんですか...?! 私もそこで働きたいです!」
と思ったそこのあなた!
弊社では一緒に働いてくれる仲間を募集しています。
機会あればぜひご検討いただければと...(笑)
それでは皆様、よいクリスマスを。
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我が家では、朝に強く毎朝物理出社する妻が朝食を用意し、朝に弱くリモート勤務する夫(私)が夕食を用意する、というのが基本ルールになっています。ちなみに食器洗いはこの逆です。 ↩
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もともとはChatGPTのカスタム指示機能を利用して実施しようとした取り組みでした。カスタム指示に食品グループの定義も全部書いてしまいたかったのですが、文字数制限に引っかかってしまったため、やむなくPDFファイル出力してプロジェクトのドキュメント保存とプロジェクト指示を利用しました。 ↩






