4
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

GitLabAdvent Calendar 2023

Day 25

GitLabが持っている、セキュリティスキャンを、まじで"秒"で使う方法 - Browser-based analyzer

Last updated at Posted at 2023-12-31

あなたのWebサイトを「いますぐ」セキュリティスキャンする

つい先日、似たような題でブログを書いたのだが、実はもっとさらに上をいく機能があるので、それをご紹介したい。

GitLab Ultimateには、DAST (Dynamic Application Security Testing)が含まれているのだが、実はこの機能、大きく2つある。

  1. Proxy-based analyzer
  2. Browser-based analyzer

前回 ( https://qiita.com/SerinaMorino/items/8b948724df3d68085a20 ) は、この前者の「Proxy-based analyzer」を取り上げたのだが、このブログでは、後者の「Browser-based analyzer」をご紹介したい。

とはいえ、しばらくはハイブリッド

ちなみに、小声で言っておくが、Proxy-based analyzerを辞めて、全部Browser-based analyzerにするそうだ( https://docs.gitlab.com/ee/user/application_security/dast/browser_based.html )。

image.png

とはいえ、まだ全機能を実現できていないということなので、しばらくは、Browser-basedといいつつ、部分的にProxy-basedも使うとのこと( https://docs.gitlab.com/ee/user/application_security/dast/browser_based.html#vulnerability-check-migration )。

1. 準備

さて、さっそくスキャンしよう。必要なのは、GitLab Ultimate。無償版のCE(Community Edition)やPremium版では使えない。

Ultimateを持っていない方は、GitLab Ultimateトライアルを試そう。

2. プロジェクトを作成

GitLabでは、なにをするにしても最初にプロジェクトを作る必要がある。

次のように、blankでプロジェクトを作ろう。

image.png

image.png

3. .gitlab-ci.yml ファイルを作る

.gitlab-ci.ymlファイルをいきなり作る。手で作るのが好きな人は手でどうぞ。
ちょっとおしゃれにいきたい人は、次のように、Pipeline Editorメニューをクリック。

image.png

次のように、[Configure pipeline]をクリック。

image.png

次のように、デフォルトで定義される .gitlab-ci.yml ファイルの中身をすべて選択して、削除。

image.png

image.png

次に、この中身を手で書くのだが、タブやら改行やら面倒なので、マニュアルから拝借する。拝借するURLはこちら ( https://docs.gitlab.com/ee/user/application_security/dast/browser_based.html#create-a-dast-cicd-job )。
いちおう、リンク切れも将来起きる可能性があるので、どこの部分を言っているのか、スクショを貼り付けておく。

image.png

ちなみに、みなさんがコピー・ペーストできるようにということで、以下に載せておく。

stages:
  - build
  - test
  - deploy
  - dast

include:
  - template: DAST.gitlab-ci.yml

dast:
  variables:
    DAST_WEBSITE: "https://example.com"
    DAST_BROWSER_SCAN: "true"

ここでいう、「DAST_WEBSITE」がセキュリティスキャンの対象Webサイトを指定する。OWASPセキュリティツールで有名な、テストサイト(やられサーバー)のURL「 https://juice-shop.herokuapp.com/ 」を使うことにする。

image.png

ちなみにコードは以下。

stages:
  - build
  - test
  - deploy
  - dast

include:
  - template: DAST.gitlab-ci.yml

dast:
  variables:
    DAST_WEBSITE: "https://juice-shop.herokuapp.com/"
    DAST_BROWSER_SCAN: "true"

上の画面のように、[Commit changes]をクリックして、保存する。
この操作で、このプロジェクトのGitレポジトリに、「.gitlab-ci.yml」ファイルが保存&コミットされる。

4. なんと、これで終わりである

なんと、これで終わりである。ここに来た瞬間に、あなたのGitLabは、OWASPのやられサーバーに攻撃しまくっていることになる。

image.png

このパイプラインが終わったら(緑になったら)、次に進もう。

5. スキャンそのものは時間かかる

だーっとスキャンする設定なので、結構時間がかかる。辛抱強く待つと、次のように脆弱性が出てくる。

image.png

実際の業務では、ここからそれぞれ脆弱性ごとにイシューをつくって、脆弱性つぶしにかかる。

6. どこまでスキャンしたのか、見たい

上の、.gitlab-ci.yml を使うと、結局スキャンがどのページを訪れたのか、よくわからない。実は、このBrowser-based analyzerは、「DAST_BROWSER_CRAWL_GRAPH」というオプションがあり、これを有効にすると、グラフ図で訪れたページを見せる機能がある。
これを使ってみる方法がこちら。

先程と同じように、[Pipeline Editor」から「.gitlab-ci.yml」ファイルの編集画面を開く。

今度は、次のコードのように「DAST_BROWSER_CRAWL_GRAPH」と「artifacts」の設定を加える。

stages:
  - build
  - test
  - deploy
  - dast

include:
  - template: DAST.gitlab-ci.yml

dast:
  variables:
    DAST_WEBSITE: "https://juice-shop.herokuapp.com/"
    DAST_BROWSER_SCAN: "true"
    DAST_BROWSER_CRAWL_GRAPH: "true"

  artifacts:
    paths:
      - gl-dast-crawl-graph.svg

image.png

この「artifacts」は何のためかというと、スキャンする際に訪問サイトをこのsvgファイル(グラフィックス)内に描画し、その画像を保存する、という指定になる。

詳しく説明すると・・・
正確には、スキャンそのものはGitLab Runner(共有)で行われるので、.gitlab-ci.ymlファイルの処理内容が完了すると、このGitLab Runner(共有)マシンは初期化されるため、なにもかも消えてしまう。消えてしまう前に、GitLab本体側に収集しておく、という意味になる。

なにはともあれ、ここでもう一度、[Commit changes]を押して、セキュリティスキャンが終わるのを待とう。

6. なにをどこまでスキャンしたのか見る

スキャンが終了したら、次の画面で[Passed]をクリックする。

image.png

dastジョブをクリック。

image.png

次のように、[Download]をクリック。

image.png

すると、[artifacts.zip]というファイルがダウンロードされるので、解凍すると、[gl-dast-crawl-graph.svg]というファイルが手に入る。

ブラウザ等で見ると、次のようにグラフ図が表示される。これはまさに、セキュリティスキャン(実際はhtmlを解釈して、DOM操作をしながらクリック動作をしていく)をした軌跡となっている。

image.png

以上、さくっと使えることがわかったと思うので、みなさまもぜひトライを。

4
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
4
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?