導入
Qiita で技術記事を書くとき、
- 図があれば一発で伝わるのに
- でも自分でインフォグラフィックスを描くのは大変…
と感じることはないでしょうか。
この記事では、Google の NotebookLM を使って作成したインフォグラフィックスを例に、
- インフォグラフィックスの基本
- ○○インフォマティクス分野のまとめ方
- AIプロジェクトの進化を伝える図の作り方
- NotebookLMでインフォグラフィックを作る手順
を紹介します。
※以下の画像は NotebookLM の Infographic 機能で生成したものです。
TL;DR
- インフォグラフィックスは「コンテンツ × ストーリー × ビジュアル」の三位一体で設計すると分かりやすくなる。
- NotebookLM に 短い解説メモや表データ を渡すだけで、記事にそのまま使える図解を自動生成できる。
- ○○インフォマティクスのような学際分野では、分野マップ・時系列の流れ・5ステップの手順 といった定番レイアウトが特に相性が良い。
- この記事の図は「そのまま真似できるレベル」を意識しているので、自分の研究・教育・実務の可視化に置き換えやすい。
一目でわかる!インフォグラフィックスの基本
まずは、インフォグラフィックスという概念そのものを図にしたものです。
この図では、インフォグラフィックスを構成する以下の 3 要素を円形のブロックとして整理しています。
-
コンテンツ (Content)
何を伝えたいのか。中心となるデータ・事実・メッセージ。 -
ストーリー (Story)
どんな順番・文脈で見せるか。情報の流れや構成。 -
ビジュアル (Visual)
どう見せるか。レイアウト、色、アイコン、グラフなど。
記事を書くときも、まずはこの 3 つをテキストで整理してから NotebookLM に渡すと、
自動生成される図の質が一気に上がります。
インフォマティクス分野をまとめる「比較マップ」
次は、さまざまな「○○インフォマティクス」を横並びで説明するためのインフォグラフィックスです。
この図のポイントは次のとおりです。
- 左側に「対象/データ/タスク」という 共通の比較軸 を縦に並べる。
- 上に「マテリアルズインフォマティクス」、右側に「医療インフォマティクス」といった具合に、
分野ごとのカラム を横に並べる。 - 各セルにシンプルなアイコンと短い説明を配置し、
「どの分野が何を扱い、どんなデータで、どんな問題を解くのか」を一目で把握できる。
この形式は、他のインフォマティクス分野にも簡単に拡張できます。
例:
- ニューロインフォマティクス
- ジオインフォマティクス
- 環境インフォマティクス
- 都市インフォマティクス など
自分の専門分野を追加していけば、そのまま シリーズ記事の全体マップ として機能するはずです。
ケーススタディ:AI開発の進化を図で伝える
続いて、AI 開発プロジェクトの「コスト削減」と「現場導入の加速」をまとめたインフォグラフィックスです。
ここでは 2022〜2024 年の 3 年間について、
- 実験件数
- モデル数
- 推論コスト(円)
- 現場導入プロジェクト数
という 4 つの指標の変化を同時に可視化しています。
読み取りやすさのポイント
- 年ごとに「実験→モデル→現場導入→コスト」という流れが、
同じレイアウトで繰り返されている ため、比較が容易。 - 推論コストはオレンジの棒グラフとして強調されており、
「コストが下がりつつ、現場導入プロジェクト数が増えている」ことが一目で分かる。 - 背景のパイプラインのような図形が、
統合基盤の上をデータやモデルが流れていくイメージ を補強している。
このパターンは、例えば以下のような場面にも応用できます。
- 研究室での共同研究件数と論文数・学会発表数の推移
- 組織でのデータ基盤整備前後の「手作業時間 vs 自動化時間」の変化
- 新しいインフォマティクス基盤導入による「実験→解析→意思決定」サイクルの短縮
グラフ単体ではなく、「ストーリーとしての流れ」を意識した図になっている点が、インフォグラフィックスらしいところです。
NotebookLMでインフォグラフィックを作る5ステップ
実際に NotebookLM でこれらの図を作る流れを、もう 1 枚のインフォグラフィックとしてまとめたものがこちらです。
図の内容は次のようになっています。
-
ノートブックを作成
テーマに沿った名前のノートブックを新規作成。 -
ソースを追加
解説メモ、PDF、Google Docs、簡単な表データなどをアップロード。 -
内容を整理
チャット機能で要約や構造化を行い、「伝えたいポイント」を明確にする。 -
インフォグラフィックを生成
Studio パネルからソースを選び、インフォグラフィックを生成・調整する。 -
ダウンロードして活用
完成した画像をダウンロードし、Qiita 記事やスライドに貼り付ける。
この記事自体も、この 5 ステップを踏んで作成した図を使っています。
読者はこの図を見て流れを把握し、その下の本文で細部を確認する、という読み方ができます。
自分のデータに置き換えるときのコツ
ここまでの 4 枚のインフォグラフィックスは、そのまま真似しやすいように
- 1 枚 1 メッセージ
- 定番レイアウト(比較表・タイムライン・ステップ図・要素分解)
- テキスト量は「一文+キーワード」レベルに抑える
という方針で作っています。
自分のプロジェクトや研究内容に置き換えるときは、例えば次のように考えるとスムーズです。
-
図1「インフォグラフィックスの基本」
→ 自分の分野での 「よい可視化の条件」 を 3〜4 要素に分解して整理する。 -
図2「インフォマティクス分野比較マップ」
→ 研究室のテーマ、担当プロジェクト、授業科目などを 同じ比較軸 で並べる。 -
図3「AI開発の進化」
→ 年度ごとの活動指標(件数・工数・コスト・成果)を 3〜4 年分まとめて見せる。 -
図4「NotebookLM 5 ステップ」
→ 自分のチーム内での 分析ワークフロー や 論文執筆フロー に置き換える。
NotebookLM に渡すテキストは、A4 1 ページ以内のメモ程度で構いません。
むしろ短く整理されているほど、インフォグラフィックスの構造がきれいに出てきます。
まとめ
- インフォグラフィックスは、「コンテンツ」「ストーリー」「ビジュアル」を意識して設計すると、読者にとって負担の少ない図解になる。
- NotebookLM の Infographic 機能を使えば、短い解説メモや表データ から、Qiita 記事にそのまま使えるレベルの図を自動生成できる。
- 本記事で紹介した 4 枚の図(基本・分野比較・AI開発の推移・5ステップ)は、
そのままテンプレートとして、自分の ○○インフォマティクス記事や研究紹介に流用しやすい。
ぜひ、自分のデータや専門分野に置き換えて NotebookLM で試してみてください。
「文章だけでは伝わりにくかったこと」が、一枚のインフォグラフィックスで一気に共有しやすくなるはずです。



