はじめに
はじめまして、NetApp SEの笹木です。
皆さん、FSx for NetApp ONTAP (以下、FSxN) はご利用されておりますでしょうか。
今回のトピックでは、VMware Cloud on AWSにFSxNをデータストア登録する手順について解説します。
主に以下の様な方を対象に、接続手順や引っかかりやすいポイントについてまとめました。
- FSxNをデータストアとして接続する方法が分からない
- FSxNのデータストア接続に失敗して困っている
今回の記事では、SDDCは既に存在している前提で、データストア接続する部分に絞って解説していきたいと思います。
※アカウントが特定出来る情報は白塗りにしています
概要
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設定の流れ
- SDDC側の設定 ( FSxNをデプロイするAWSアカウントとの関連付け )
- FSxNのデプロイ
- ネットワーク設定
- ① Transit Gateway
- ② ルートテーブル
- ③ セキュリティグループ
- ④ ルートの追加
- データストア接続
SDDC側の設定
SDDCの情報は以下となります。
今回、FSxNをデプロイするAWSアカウントを外部VPCとして関連付けます。
- SDDC名:Test_NetApp01
- デプロイメント:シングル
- SDDCグループ名:Test_NetApp_Group01
- バージョン:1.20.0.6
- 外部VPC:FSxNをデプロイするAWSアカウントを追加
- 外部VPCのTransit Gateway アタッチメントタイプ:VPC
- 外部VPCの接続サブネット: プライベートサブネット1A、プライベートサブネット1C
FSxNのデプロイ
今回は、以下のミニマム設定でFSxNのファイルシステムを作成します。
- デプロイタイプ:マルチAZ ( ap-northeast-1a、ap-northeast-1c )
- SSD容量:1024GB
- スループット:128MB/s
- サブネット:プライベートサブネット1A、プライベートサブネット1C
- ルートテーブル:プライベートサブネット用 ( ローカルIPのみ許可 )
- SVM名:SVM01
- ボリューム名:vol1 ( 容量:100GB )
① Transit Gateway
最初に、Transit GatewayでSDDC・FSxNが所属するサブネット間の通信を中継させます。
※外部VPCを関連付けする過程で、この部分は設定されている筈なので、FSxNが所属するサブネットがアタッチされている事を確認、されていない場合は変更を実施
Transit Gateway アタッチメントの画面に移動し、対象のTransit Gateway アタッチメントを変更
② ルートテーブル
次に、FSxN・ESXiホスト間でのルーティング設定を行います。
SDDCのネットワーク設定に移動し、グループ内のESXiの項目からメンバーの表示を選択
FSxNで利用しているルートテーブル画面に移動し、ルートを編集
ESXiホストのIPアドレス範囲を追加し、ターゲットにSDDC接続用のTransit Gatewayを選択
③ セキュリティグループ
次は、ESXiホストからFSxNへの通信を許可します。
FSxNで利用しているセキュリティグループ画面に移動し、インバウンドのルールを編集
ESXiホストのIPアドレス範囲を追加 ( ②で確認したESXiホストのIPアドレス範囲 )
④ ルートの追加
最後に、SDDCからFSxNへのネットワークルートを設定します。
ルートテーブルからFSxNのENIのIPアドレスを確認
※どのIPアドレスが該当するかは、ENI IDから判断可能 ( FSxNの画面からENI IDが確認可能 )
データストア接続
それでは、SDDCに対しFSxNをデータストアとして接続してみましょう。
FSxの対象ストレージ仮想マシンの表示画面から、NFSのIPアドレスを確認
SDDCのストレージの画面まで移動し、データストアの接続を選択
まとめ
地味に確認項目が多かったと思われる方もいるかと思いますが、SDDCとFSxNのデプロイが終わっていれば、設定としては10分程度あれば可能な内容となっています。
トラブルシューティングの類は、非常に大きな経験値となる一方で、精神的には中々辛いものがあると思いますので、もしお困りの人がいてこの記事が少しでもお役に立てる事があれば、大変光栄に思います。
< 参考情報 >
Amazon FSx for NetApp ONTAP のドキュメント ( NetApp )
Amazon FSx for NetApp ONTAP User Guide ( AWS )
VMware Cloud on AWS ドキュメント ( VMware )