はじめに
あー、どうしよう、勢いでプリザンターのアドカレにエントリーしちゃったけど、もちろんアドカレなんて初めてだし、そもそもQiitaへの投稿自体が初めてだよ!!
…というわけで勢いだけですが、いろんなところでちょいちょいお話して、そこそこ受けたお話をご紹介したいと思います。
技術系の記事が多いプリザンターのアドベントカレンダーですが、折り返し点をちょっと過ぎた週末、技術には全然関係ないお話を、息抜き代わりにかるーく目を通していただければ幸いです。
きっかけ
私が努めているんは自動車部品を作っているガチガチの製造業です。そんな会社で何故か製品の開発部門とシステム部門を行ったり来たりという謎の動きをしていたりします。
そんな中、数年過ごした開発部門から数年ぶりに'23年頭からシステム部門に異動(出戻り)したんですが、その時点で部署で抱えていた課題の一つにNotesのサポート終了にどう対応するかというのがありました。
どうとは言っても継続利用の線はなく、なにか適当な移行先が無いか…とはいえあまりお金もかけられず、文系の管理職が鼻歌交じりに俺SUGEEEEってアプリが作れるようなツールは導入できそうもありません。
この時点ではこの案件に対して私が直接関わっていたわけではなく、横目で「大変だよね〜」と眺めている感じでした。
そんな中、たまたまコロナの影響でオンライン開催のみだったのが、数年ぶりにリアル展示が復活したOpenSourceConferenceで出会ったのがプリザンターです。
ブースで軽く説明を聞いてみると、Notesで主な用途になっている台帳管理にはちょうど良さげで、オンプレにお手軽で導入できて無料。 もう一度書きます、無料。 いい響きですね。
無料って言うとほぼセットになっているのが落とし穴ですが、プリザンターの場合はごく浅く、使える項目数に制限がある、それにしても普通に使っていれば十分な数があり、機能的な制限は無いとのこと。
これは使えるんじゃないかと思い、パンフレットをもらって同僚に紹介しました。
おためし
社内に持ち帰って「プリザンターって知ってる?」と聞いてみた所、名前は知ってるぐらいの反応で評価なんかはしていない様子。
ひとまず「やさそうですね」って反応だったのでデモサイトでお試し。あ、ほんとに簡単。
触ってみた同僚も良い感触を掴んだようなので、社内にサーバーを立ててみることになりました。
担当している同僚から「サーバー何で立てます?」と聞かれたので、 もちろんLinuxで!! いや、社内WindowsばっかりでLinux使う人ほとんどいないんですよね…
セットアップは公式のマニュアル通り…ちょっと微妙に環境が違うところや誤字レベルの間違いがあり、Linuxさわれない同僚には荷が重かったようなので横から口を出しながらサクッと立ち上げ…この辺からお仕事としてやんわり絡み始めます。
なんてことをやっている間に、3年計画ぐらいだったNotesの移行がその頃異動してきた部長の方針で、 「そんなの来年の3月までに終わらせちゃえよ」 ってことに…ちょっと追い詰められて来ました。
導入
そんなこんなで、どうやらプリザンターが使えそう(っていうか使うしか無い状況)ということになり、環境を整備したり機能の検証をしたりが始まります。
設定周りはマニュアルの通りで社内の環境に合わせて細々したところを。
ちょっと苦労したのはLDAP周りす。これは弊社の環境がADがWindowsドメインだった頃から色々弄り続けていたものなので、まぁ思わぬ挙動をしたり設定の仕方がその場しのぎ的なものだったりで…ともあれ、なんとか無事に認証されるようになりました。
機能検証については、最悪一覧表で台帳管理ができれば良い…ぐらいのつもりでいたんですが、真面目に触ってみると結構いろんなことができそう。しかも、ノーコードでもやれることは結構あります。操作も簡単なので、これならエクセルで関数とか簡単なマクロさわれるレベルの人なら十分使えそう…というわけで、次章に続きます。
展開
移行したいノーツの規模感なんですが、事前に精査した結果、移行が必要なNotesアプリは約150本。その中で、すでに運用しているMS365の各種サービスに移行できそうなものを除くと残りは90本ほど。
そして残された期間は約半年、システム部門で手がつけられそうなのは2.5人程度…それもかかりっきりにもなれません。ちょっと目の前が暗くなり、4月になったときに移行できない言い訳を考え始めてました。
しかし、ここで効いてくるのが前章で無駄に引っ張った操作の簡単さです。
従来、社内で使うシステムに関しては基本的に各部門からシステム部門が依頼を受けて作る形を撮っていました。操作の難しさや、開発ライセンスの本数なんかにも制限があったりしますから。
ところが、プリザンターなら操作は簡単だし、費用もかかりません。
というわけで、「使う人に作ってもらえれば、そんなに時間はかからないんじゃね?」作戦が発動します。
そう、 基本コンセプトは他力本願です!!
まずは、パソコンが得意そうな人をピックアップして、その人の部門がNotesで使っている、一番簡単そうなアプリをプリザンターに移行して、「こんな感じだけど、どう?」と見せつつ、「ほら、こんな感じでマウスぐりぐりやるだけでできちゃうよ」と、デモって見ます。概ねいい反応です。
これがだいたい23年の10月ぐらい。
この頃から社内のポータルサイトで24年3月でNotes終了ってアナウンスはしているので、ユーザー部門側でも業務ができなくなるという危機感を持っていて、思っていたよりも積極的についてきてもらえました。
教育
24年1月ぐらいになってくると、ユーザー部門の担当者もある程度操作に慣れ始め、だいぶ見通しが明るくなってきました。このあたりまでは質問があれば随時受け付けてつきっきりでお手伝いする…みたいな感じでしたが、最初に使い始めてもらった人たちが落ち着き始めたので、2月からは定期的な教育を始めます。
ラストスパートがかかってきた2月から、参加者のレベルを考慮して2段階レベルで、参加できないタイミングも考慮して各2回で始めましたが簡単な方と思っていたのもちょっと難しいという声が多かったので、更に簡単なコースを追加して3コース、各2回…結構な労力がかかりますが、これでユーザーが頑張ってくれると確実に後で楽ができます。
えぇ、 楽をするためにはどんな努力も厭わない姿勢です。
そしてカットオーバー
そんなこんなで3月末、ユーザー部門の皆さんのお陰で無事に全アプリのプリザンター(及びその他)への移行が完了しました。ちょうどその日、インプリムさんでプリザンターUserMeetupがあり、無事に移行の報告をさせていただくことができました。
いや、 移行できてなかったらUserMeetupとか出席できなかったよねww
その後
無事にNotesアプリを移行することができたプリザンターですが、その後も着々と社内での存在感を増していて、各部の業務改善に役立っています。
移行対象だったNotesアプリは90本ほどでしたが、その後各部署やシステム部門で作成したアプリは20本ちょっと、現在も着実に増えています。
また、社内だけではなく、社外との取引の一部もプリザンターで運用しています。
ユーザー教育は現在も継続していて、新規の開発者も少しづつ増え、既存開発者のレベルも上がってきています。
正直な所、教育はしつつもユーザー部門でスクリプト使うところまでは難しいかな?と思っていたんですが、 「ネットで見つけたスクリプトを改造してみたんだけど、動かないから教えて」 なんて問い合わせもあったり、なかなか頼もしい状況になっています。
いや、回答するのも大変だったり嬉しい悲鳴ですww
おわりに
というわけで、ヘーシャの取り組みをざっくり紹介させていただきました。
日頃お世話になっているプリザンターに、ちょっとでも貢献できればと思いアドベントカレンダーに参加させていただきましたが、いかがでしたか?
オープンソースって、使う人がいてなんぼだと思いますので、拙い記事ですが少しでもプリザンターの裾野を広げるお役に立てれば幸いです。