はじめに
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前回までのあらすじ
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今回の内容
- スタブリゾルバ
- 優先ネームサーバと代替ネームサーバ
- フルサービスリゾルバとコンテンツサーバ
- ルートサーバ
スタブリゾルバ
- ネームサーバにリクエストするクライアントのソフトウェアのこと。
- スタブリゾルバがネームサーバへドメインを問い合わせるとき、ドメインの指定は通常FQDNで行われる。
- ホスト名のみ指定され場合、スタブリゾルバはドメイン名を補完してFQDNを作る。このとき補完されるパスを サーチパス といい、通常ホスト自身が所属するドメインである。
優先ネームサーバと代替ネームサーバ
- ネームサーバは通常、耐障害性の観点から2つ以上設定される。
- スタブリゾルバに複数のネームサーバを登録するとともに、通常問い合わせるネームサーバ( 優先ネームサーバ )と、優先ネームサーバがダウンしたときに問い合わせるネームサーバ( 代替ネームサーバ )を指定する。
- 複数のネームサーバの間で、キャッシュ情報に(IPアドレスの変更を反映していないなどの)矛盾があることがある。このとき、「ネームサーバは、自分が持つキャッシュが最新のものなのか」「スタブリゾルバは返却されたドメイン情報が最新のものなのか」を判断できない。
フルサービスリゾルバとコンテンツサーバ
- Authorityを持つゾーン情報のみを返却するネームサーバを コンテンツサーバ という。rootドメインやレジストリのネームサーバがこれに当たる。
- 一方、ドメイン名前空間からドメインを検索するネームサーバを フルサービスリゾルバ という。
- フルサービスリゾルはリクエストに対応できるキャッシュ情報を持たない場合、ドメイン名前空間から検索してくる。そのため、フルサービスリゾルバはrootドメインのネームサーバを知っている必要がある。
ルートサーバ
- rootドメインのネームサーバ(ルートサーバ)は、世界に13台存在する(
A.ROOT-SERVERS.NET
~M.ROOT-SERVERS.NET
)。 - 最新のルートサーバ情報は IANA からルートヒントファイルとしてダウンロードしてくる。
- ルートヒントは、BINDでは
named.root
として管理される。 - 13台存在するルートサーバのうち、フルサービスリゾルバが問い合わせる対象は最も応答時間が短いもの。
- フルサービスリゾルバは、ルートサーバと応答時間との対応表を持っている
- 当初、それぞれの応答時間はランダムに設定されている
- 以降、応答時間が最短のサーバに問い合わせるとともに、実際の応答時間で対応表を更新していく
再帰問い合わせと反復問い合わせ
- スタブリゾルバからフルサービスリゾルバに対するリクエストを 再帰問い合わせ といい、フルサービスリゾルバからコンテンツサーバに対するリクエストを 反復問い合わせ という。
- 再帰問い合わせに対するレスポンスは以下のいずれか。
- ドメインに対応するIPアドレス
- ドメイン名なし
- 反復問い合わせに対するレスポンスは以下のいずれか。
- ドメインに対応するIPアドレス
- ドメイン名なし
- ドメインを知っていそうなネームサーバ
つづく
参考文献
- 網野衛二 (2009) 『3分間DNS基礎講座』 技術評論社