はじめに
先日、Microsoftの認定資格 DP-700 (Fabric Data Engineer Associate) に 820点 で合格しました!
普段から業務でFabricを扱っているものの、本格的な試験対策は通勤などの隙間時間を活用し、約1ヶ月で合格することができました。
この記事では、
- DP-600とDP-700、どちらを受けるべきか? (実は一度DP-600に落ちています…)
- 新卒2年目の私が行った具体的な勉強法
- プラクティス問題でスコアを56%→82%に上げた活用術
など、合格までの道のりを具体的にお伝えします。これから受験される方の参考になれば幸いです。
▽試験の詳細はこちら
DP-600とDP-700の違い
まず、DP-600とDP-700の違いについては、以下の記事がとても分かりやすかったのでおすすめします。
私がDP-700を受験するにあたって、まず悩んだのが「DP-600とDP-700、どちらを受けるべきか?」という点でした。普段の業務でFabricの中でもPower BIやDataflowをよく使っている方はDP-600が向いていると思います。一方で、私のようにウェアハウス(WH)やレイクハウス(LH)、パイプラインをメインで使っている場合は、DP-700の方が内容的に親和性が高いと感じました。
実は私、最初はDP-600を受験したのですが、Dataflowの経験が浅かったこともあり、残念ながら不合格に…。その後、先ほどのZennの記事を読んで「自分にはDP-700の方が合っているかも」と気づき、方向転換しました。結果的に、普段の業務で触れている内容が多く出題されたDP-700の方が、私には取り組みやすかったです。
どちらの試験が簡単かは、日頃どのFabricアイテムをメインで使っているかによって大きく変わると思います。私のようにWHやLH中心の方はDP-700、Power BIやDataflow中心の方はDP-600を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、DP-600も近いうちに再チャレンジする予定です!自分の得意分野や業務経験に合わせて、最適な試験を選んでみてください。
具体的すぎる勉強法公開
ステップ1:とりあえずプラクティス評価を実施して現在地を知る(2025/5/29)
まず最初に私が取り組んだのは、「とにかくプラクティス問題を解いて自分の現在地を知る」ことでした。解説をじっくり読むのは後回しで、まずは50問を一気に解いてみることをおすすめします。
私自身、最初の正答率は56%と決して高くありませんでした。しかし、ここで落ち込む必要はありません。実際に新卒2年目の私でも、1か月間しっかり対策することで最終的には82%までスコアを伸ばすことができました。
この段階で大切なのは、「今の自分の実力を正しく把握すること」です。合格までの道のりを明確にするためにも、まずは現状を知ることから始めましょう。
私は、どの問題で正解・不正解だったかを後から振り返れるよう、簡単なExcelにまとめて管理していました。ただし、ここでExcel作成に時間をかけすぎるのは本末転倒です。最低限、コピペで記録しておく程度で十分です。後の学習ステップでこの記録が役立ちますので、ぜひ試してみてください。
ステップ2:分からないことが多かったので、Youtubeでイメージをつかむ(2026/5/29~)
正直、最初は分からないことだらけでした。
理想を言えば、Microsoft公式ドキュメント(MS Docs)をじっくり読み込んで、実際にFabricを触りながら手を動かすのが一番だと思います。
ですが、私は通勤やちょっとした隙間時間を活用して、主にYouTubeで学習していました。
特におすすめなのが、海外のMicrosoft MVPの方々が公開しているYouTube動画です。
デモ画面を見せながら解説してくれるので、英語が苦手でも「英語字幕」や「自動翻訳字幕」を活用すれば十分理解できます。
私自身、リアルタイムインテリジェンスは全くの未経験でしたが、下記のプレイリストでかなりイメージが掴めました。
海外のMicrosoft MVP、本当にすごいです。
また、SQLしか知らなかった私でも、KQLやPysparkの雰囲気が短時間で分かる動画もありました。
さらに、少し難しいSCD(スローチェンジングディメンション)についても、YouTubeで「fabric scd」と検索すると分かりやすい解説が見つかります。
YouTubeでインプットしつつ、時間があるときや気になる部分は、実際にFabricを触って「どこにどんなボタンがあるのか」などを確認していました。
この「実際に手を動かす」ことは、後述する過去問演習の際にも非常に役立ちました。
やはり、実際に操作してみることで理解度がグッと上がるので、ぜひおすすめしたい学習法です。
ステップ3:Udemyで実践力を鍛え、知識を定着させる(2025/6/10あたり~)
ステップ2まででインプットを一通り終え、Fabricの全体像がある程度掴めてきました。しかし、知識が本当に定着しているか、そして試験本番で通用するレベルにあるかを確認する必要があると感じ、次はこちらのUdemy教材で模擬試験に挑戦しました。
結論から言うと、この教材は合格に必須と言っても過言ではありません。実際に、本番の試験で「これ、Udemyで見た問題だ!」と既視感を覚える問題がいくつも出題されました。問題の質、網羅性、そして本番さながらの形式、どれをとっても非常にクオリティが高く、まさに「超おすすめ」です。
私はまず1周目を解いて自分の実力を測り、その後は間違えた問題や理解が曖昧だった箇所を重点的に復習しました。解説も丁寧なので、なぜ間違えたのかをしっかり理解し、関連するMicrosoft公式ドキュメントを読み返すことで、知識の穴を効率的に埋めていくことができました。
最初は点数が伸び悩むかもしれませんが、繰り返し解くことで確実にスコアは上がっていきます。参考として、私の正答率の推移を載せておきますので、学習の目安にしてみてください。
- ケース1:55%(10/18)
- ケース2:57%(11/19)
- ケース3:52%(10/19)
- ケース4:80%(4/5)
- ケース5:66%(2/3)
コラム:生成AIを相棒に!短期間で効率的にキャッチアップするコツ
今回の短期集中学習で、私の強力な相棒となってくれたのがChatGPTです。ここでは、私がどのようにChatGPTを活用して学習効率を最大化したか、その具体的な方法とコツをご紹介します。
分からないことは「専属家庭教師」に聞く感覚で
学習を進めていると、どうしても専門用語や概念でつまずくことがありますよね。そんな時、私はとにかくChatGPTと対話するようにしていました。
「この用語、もっと簡単な言葉で説明して」「具体例を挙げて教えて」など、自分が完全に「腹落ち」するまで、しつこいくらいに質問を繰り返します。まるで自分だけの専属家庭教師がいるような感覚で、疑問点を一つひとつ潰していくことが、短期間での理解に繋がりました。
AIの回答を鵜呑みにしない!公式ドキュメントとの使い分け
ただし、一つ重要な注意点があります。それは、ChatGPTの回答が常に正しいとは限らないということです。時々、もっともらしい嘘(ハルシネーション)をつくことがあります。
そんな時は、迷わず Microsoftの公式ドキュメント(MS Docs) を参照しにいきます。結局、一次情報である公式ドキュメントが最も信頼できる情報源です。
「AIを使うか、ドキュメントを読むか」の判断は、慣れが解決してくれます。ChatGPTを使い込んでいると、「ん?この回答は少し怪しいな」という感覚が自然と身についてきます。この「違和感」を察知するアンテナを磨くことも、AI時代における重要なスキルかもしれません。
【超便利】ChatGPT Plusの画像解析で学習を加速!
さらに学習効率をブーストさせたい方には、ChatGPT Plus(有料版) への課金を強くおすすめします。
私が特に重宝したのが、スクリーンショットをそのまま投げて質問できる機能です。分からない問題やエラー画面のキャプチャを撮って、「これ、どういう意味?」「どうすれば解決できる?」と聞くだけ。面倒なタイピングが不要になるので、学習リズムを崩さずに済みます。
月額約3,000円は一見高く感じるかもしれませんが、これは「時間を買う」ための投資です。参考書を1冊買うのと同じくらいの値段で、学習効率を何倍にも高められると考えれば、非常に安い自己投資ではないでしょうか。
ステップ4:ステップ2の不正解問題の復習(2025/6/20あたり~)
Udemyでの実践演習を終え、一度立ち止まって基礎固めに立ち返ることにしました。ここで取り出したのが、ステップ2で作成した「不正解問題リスト」のExcelファイルです。
そして、ここでも大活躍してくれたのが、コラムで紹介したChatGPTです。
この地道な「穴埋め」作業が、知識の土台を確固たるものにし、最後の追い込みに向けた自信に繋がりました。一見遠回りに見えても、急がば回れ。弱点から目を逸らさずに取り組むことが、合格への確実な一歩となります。
ステップ5:最後の腕試し!プラクティス評価で総仕上げ(2025/6/25)
試験を翌日に控え、これまでの学習の成果を確かめる総仕上げとして、再びMicrosoft Learnのプラクティス評価に挑戦しました。
結果は82%!これまでの学習の成果がはっきりと数字に表れ、本番に向けた大きな自信になりました。
出題の約3分の1は一度見たことのある問題でしたが、ここで重要なのは 「以前間違えた問題を、今度こそ正解できるか」 という点です。ステップ4での地道な復習が実を結び、以前は解けなかった問題も着実に得点源にできていることを確認できました。
この最終チェックで「これなら合格できる」という確かな手応えを得て、万全の状態で本番に臨むことができました。
いざ、決戦の舞台へ!試験当日の戦略と結果
結果は... 820点で見事合格!
短期集中で学習した成果をしっかりと発揮することができました。
ここでは、私が本番で実践した時間配分戦略と、皆さんにぜひ注意していただきたいポイントについて共有します。
合否を分ける「100分」の使い方
DP-700の試験時間は100分。この時間内に、通常の問題セクションとケーススタディの両方を解ききる必要があります。
実は私、以前受けたDP-600の試験で、問題セクションだけで100分だと思い込み、ケーススタディに全く手付かずで終わってしまった苦い経験があります...。皆さんは同じ轍を踏まないよう、くれぐれもご注意ください!
この反省を活かし、今回は以下のような時間配分で臨みました。
-
最初の40分:問題セクションを全力で解く
- 約45問ある問題セクションを、まずは自力で一気に解き進めます。焦りをなくすため、この段階ではMicrosoft Learnの検索機能は使わず、知識だけでスピーディーに回答することを意識しました。
-
次の20分:見直し&ドキュメント検索タイム
- 少しでも自信がない問題や、後で確認したいとフラグを立てた問題に戻ります。ここで初めてMicrosoft Learnの検索機能を解禁し、公式ドキュメントで裏付けを取りながら回答の精度を高めていきました。
-
残りの40分:ケーススタディに集中
- 最後に、じっくりと読解と思考が必要なケーススタディ(約10問)に挑みます。今回は40分を確保していましたが、実際には20分ほどで解き終わり、最終的に20分の余裕を持って試験を終えることができました。
この戦略が功を奏し、焦ることなく全力を出し切ることができました。試験本番は緊張するものですが、事前に時間配分の計画を立てておくだけで、精神的な余裕が大きく変わってきます。ぜひ参考にしてみてください。
【追記】資格の更新について
Microsoftの認定資格は取得から1年で有効期限を迎えるため、更新が必要です。
資格の更新については、以下のZennの記事が非常に分かりやすくまとまっていたので、重要なポイントを共有します。
更新のポイントは以下の通りです。
- 有効期限は1年間
- 有効期限の約6ヶ月前になると、Microsoft Learnから更新案内のメールが届く
- 更新試験は無料かつオンラインで受験可能
- 試験中はMicrosoft Learnを参照しながら解答OK(オープンブック形式)
- 万が一不合格でも、24時間後から再受験でき、複数回挑戦できるので安心です
無料で、しかもドキュメントを見ながら自分のペースで受けられるのは嬉しいポイントですね。皆さんも忘れずに更新しましょう!
おわりに
本記事では、DP-700合格に向けた私の学習プロセスと、試験当日の時間配分戦略についてご紹介しました。
Microsoft LearnとUdemyでのインプット・アウトプットを軸に、不正解問題を徹底的に復習することで知識を定着させました。
特にChatGPTを活用した弱点分析は、学習効率を飛躍的に高めてくれたと感じています。
この記事が皆さんの学習計画の参考となり、合格への一助となれば幸いです。