Microsoft Fabric では、各ワークスペースの操作ログやメトリック情報を自動的に収集し、
「ワークスペース監視(Workspace Monitoring)」として可視化することができます。
ただし、公式ドキュメントやGitHubサンプルを見ても、
「どのようにテンプレートのダッシュボードを自分の環境で作るのか」
が少し分かりづらかったので、今回はその手順をまとめてみました。
参考にした公式資料はこちらです。
どちらも重要な内容なのですが、ぱっと見では少し解釈が難しかったため、
この記事では「手順」と「構成イメージ」に重点を置いて解説します。
ワークスペース監視ダッシュボードの構成を理解する
まず、ワークスペース監視とは何かを簡単に整理します。
「そのワークスペースで発生する操作ログやメトリック情報を自動で収集・分析できる仕組み」
この監視はワークスペース単位で行われます。
そのため、あらかじめ各ワークスペースに「ワークスペース監視のイベントハウス」を作成しておく必要があります。
ワークスペース監視の設定方法については以下をご覧ください。
今回のポイントは、画像下部にあるような
「複数のワークスペースを中央から管理するリアルタイムダッシュボード」 を作ることです。
このダッシュボードはサンプルを使えば簡単に用意でき、
ダッシュボード内でワークスペースを切り替えながら、
1つの画面で全ワークスペースの監視状況を確認できるようになります。
手順
リアルタイムダッシュボードのテンプレートをワークスペース1に用意する
まず、テンプレートとなるダッシュボードを作成します。
Fabricの画面左から[ワークロード]をクリック
リアルタイムインテリジェンスを選択します。
リアルタイムインテリジェンスのサンプルの[作業の開始]をクリック。
Workspace monitoringの[Get stated]をクリック。

全てのアイテムにチェックを入れます。
中央管理用のワークスペース(リアルタイムダッシュボードを配置する場所) を選択して [Create] をクリックします。
作成が完了すると、ワークスペース内に複数のアイテムが自動生成されます。
この中の「リアルタイムダッシュボード」がテンプレートとして利用するものです。
サンプルリアルタイムダッシュボードの確認
生成されたダッシュボードを開くと、以下のような画面が表示されます。
複数のページが用意されており、
現時点では「セマンティックモデル」と「イベントハウス」に関するダッシュボードが利用可能です。
その他のページは “Coming soon” 状態ですが、今後の拡張に期待です!
注意点としては、この状態で参照されているデータはサンプル用のワークスペース監視データであり、
あなたのワークスペースのリアルなデータではありません。
そのため、次の手順で自分のワークスペース監視データを追加していきます。
⚠️ 注意:
このサンプルダッシュボードと同じワークスペース内にある、ワークスペース監視のイベントハウスはサンプルダッシュボードに追加できません。
これはダッシュボードの仕組み上、「ワークスペース単位で切り替え」できる設計になっているためです。
ワークスペース監視リアルタイムダッシュボードに別ワークスペースの監視イベントを追加する
[追加] → [Eventhouse/KQL Database] をクリックし、
監視対象として追加したいワークスペースの KQL データベース を選択します。
その後、わかりやすい表示名を入力して [Add] をクリック。
すると、ダッシュボード上部の [Workspace] 切り替えメニューに、
追加したワークスペースが選択肢として表示されるようになります。
実際に切り替えると、ログがそのワークスペースのデータに更新されます。
新しく追加したワークスペースではGraphQLを使用していないので、ログが[Inactive]は正しい挙動。
ちゃんとデータがとれてることを確認できました。

他のページも同様に、選択したワークスペースのデータへ自動で切り替わります。
まとめ
- ワークスペース監視では、各ワークスペースの操作ログ・メトリックを自動収集できる
- サンプルのリアルタイムダッシュボードを使えば、複数ワークスペースの状況を1つの画面で確認可能
- デフォルトのサンプルは固定データなので、自分の Eventhouse を追加して実データを参照する
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