北陽電機製の2D LiDAR「UST-20LX」は、IPアドレスを誤って設定するとPCから通信できなくなることがあります。
この記事では、そんなときにIPリセット機能を使って工場出荷時設定(192.168.0.10)へ戻す方法を紹介します。
実際に電源装置を用いてリセットし、通信を復旧できた手順を解説します。
今回使った機種: 北陽電機製 測域センサー(LiDAR) UST-20LX

他のイーサネットタイプのものでも同様のリセット方法が使える可能性がありますが、必ず取扱説明書を確認してください。
IP Discovery
北陽電機のWebサイトからダウンロードした「IP Discovery」では、既知のLiDARに対しても検出されませんでした。
原因は不明です。

リセットの準備
PCのIPアドレスの変更
コントロールパネルから、パソコンのIPv4アドレスを変更してください。
私の環境で、Ubuntu22.04でもIPアドレスを変更して接続ができたのを確認しています。
取扱説明書の確認
取扱説明書によると、IPアドレスのリセットには以下の条件が必要です。
IPリセット入力ケーブル(うす青色)に電流(4mA)を2秒間加える
入力ON電流: 4mA
プルアップ抵抗値: 4.7kΩ
しかし、説明書には流すべき電流(4mA)は書かれているのに、必要な電圧が明記されていません。
そのため、自分で計算する必要があります。
電圧の計算
オームの法則 $V = R \times I$ を使って計算します。
$R = 4700 Ω$ (入力回路内の抵抗)
$I = 0.004 A$ (指定の電流)
計算すると
$V = 4700 \times 0.004 = 18.8\, \text{V}$
実際の手順
直流安定化電源を使用し、以下のように実施しました。
高価なLiDARに高い電圧を加えるのは怖いですね。
-
電源装置の電圧を 20V に設定(※18.8Vを少し上回るように)
-
電源のプラスをIPリセット入力ケーブル(うす青色)に接続
-
電源のマイナスをLiDARのGND(青線)に接続
-
2秒間以上電流を流す
-
LEDが青色に点滅してLiDARが再起動
-
IPアドレスが工場出荷時設定(192.168.0.10)にリセットされる
終わりに
中古で購入したときに使えると思います。
UTM-30LX-EWを中古で購入して、IPアドレスがわからなくて、断念したことがあります。UTM-30LX-EWには、IPリセット機能がなかったので、いろいろなIPアドレスで接続を試しましたが、全て失敗しました。



