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はじめに

転職活動を進める中で、多くの企業のプロジェクトが「マイクロサービス」で構築されていることに気が付きました。しかし、自分はマイクロサービスについてよく知らなかったため、基本から調べてまとめました。本記事ではWebエンジニア1年生の方にも分かりやすく、マイクロサービスの基本概念やメリット・デメリットを解説します。GoやRailsでの簡単なイメージも紹介します。

章構成

  1. マイクロサービスとは?
  2. モノリシックアーキテクチャとの違い
  3. マイクロサービスの基本設計のポイント
  4. GoとRailsでイメージするマイクロサービス
  5. マイクロサービスのメリットとデメリット
  6. まとめ
  7. 出典一覧

1. マイクロサービスとは?

1-1. アーキテクチャの基本用語解説

  • アーキテクチャ:ソフトウェア全体の構造や設計のこと
  • サービス:特定の機能を持つ独立したプログラムの単位

マイクロサービスは「複数の小さなサービスが連携して1つのシステムを作る」アーキテクチャです。
それぞれのサービスは独立して動き、別々に開発・デプロイ(更新)が可能です。

1-2. マイクロサービスの特徴

  • 各サービスは単一の機能に特化(例:ユーザー管理、注文処理)
  • サービス間はHTTP REST APIやメッセージキューで通信
  • 異なる技術スタックや言語を使っても良い

2. モノリシックアーキテクチャとの違い

2-1. モノリシックアーキテクチャとは?

全機能が1つのプログラムとしてまとまっている構造。
例:Railsで全部の機能を1つのアプリで作る。

2-2. 比較表(モノリシック vs マイクロサービス)

項目 モノリシック マイクロサービス
構造 単一アプリケーション 小さい独立サービスの集合
開発スピード 初期は速い 大規模で有利
デプロイ 一括 個別に可能
障害影響範囲 大きい 小さい(分散)
技術選択 一種類 サービスごとに自由

3. マイクロサービスの基本設計のポイント

3-1. 単一責任の原則(SRP)

サービスは「1つの機能だけ」に集中することで管理しやすくなる。

3-2. サービス間通信

  • REST API(HTTPを使った通信)が主流
  • 非同期通信(メッセージキュー)もある

3-3. データ管理

サービスごとに独立したデータベースを持つのが理想的。
共有DBは避ける。


4. GoとRailsでイメージするマイクロサービス

4-1. Goサービス例(ユーザー管理)

package main

import (
    "encoding/json"
    "net/http"
)

type User struct {
    ID   int    `json:"id"`
    Name string `json:"name"`
}

func main() {
    http.HandleFunc("/users", func(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
        users := []User{{ID: 1, Name: "Taro"}}
        json.NewEncoder(w).Encode(users)
    })
    http.ListenAndServe(":8080", nil)
}

シンプルなユーザー情報取得API。マイクロサービスの一例。

4-2. Railsサービス例(注文管理)

# app/controllers/orders_controller.rb
class OrdersController < ApplicationController
  def index
    orders = Order.all
    render json: orders
  end
end

こちらも独立したサービスとして注文を管理。


5. マイクロサービスのメリットとデメリット

マイクロサービスには多くの魅力的な利点がありますが、一方で導入や運用にあたって注意すべき課題も存在します。ここではメリットとデメリットをより詳しく掘り下げます。

5-1. メリット

スケーラビリティの向上

マイクロサービスは機能ごとに独立したサービスとして設計されるため、システム全体ではなく、負荷の高い部分だけを個別にスケール(拡張)できます。たとえば、注文処理が集中する時間帯だけ注文管理サービスを増やし、無駄なリソースを抑制できます。

開発の効率化とチーム分割

サービスが小さい単位に分かれているため、異なるチームが並行して独立して開発できます。これによりコミュニケーションコストの削減や、リリースの迅速化が可能になります。

技術スタックの柔軟性

各サービスは独立しているため、Go、Rails、Java、Pythonなど適材適所で最適な言語やフレームワークを選べます。例えば、パフォーマンスが重要な部分はGoで書き、開発速度を重視する部分はRailsで書く、といった使い分けが可能です。

障害の影響範囲が限定的

1つのサービスに問題が起きても、他のサービスは正常に動作し続けられます。モノリシックアプリのように一部の障害で全体が停止するリスクを減らせます。

継続的デリバリー(CD)と自動デプロイの促進

サービスごとに独立してデプロイできるため、新機能や修正を頻繁かつ安全にリリースしやすくなります。


5-2. デメリット

運用・管理の複雑化

サービスが分散しているため、サービス間の通信監視、ログ集約、障害検知など運用作業が複雑になります。
マイクロサービスの運用には、サービスメッシュや分散トレーシング、ログ管理ツール(例:Prometheus, Jaeger, ELKスタックなど)が必要になることが多いです。

ネットワーク通信のオーバーヘッドと障害リスク

サービス間通信はHTTPやメッセージキューを介するため、ネットワーク遅延や通信障害がシステム全体のパフォーマンスや可用性に影響を及ぼします。通信の失敗時にどうリトライするかなど設計が必要です。

テストの難易度向上

モノリシックに比べて、複数サービスが連携するため統合テストやエンドツーエンドテストが複雑になります。各サービスの契約(API仕様)を明確にし、テスト自動化が不可欠です。

データ整合性の課題

分散トランザクションは実装が難しいため、サービス間のデータ整合性を保つ設計が必要です。イベント駆動設計や最終的整合性(Eventual Consistency)を採用することが多いです。

開発者の学習コスト

新たにマイクロサービスの概念や運用ツール、分散システムの考え方を学ぶ必要があり、初心者にとっては敷居が高い場合があります。


6. まとめ

私自身、転職活動中に多くの企業がマイクロサービスを採用していることを知り、改めてこのアーキテクチャの重要性を認識しました。しかし、自分はまだ知識が浅く、不安もあったため、まずは基本からしっかり理解しようと調査を始めました。この記事はその調査内容をまとめたものであり、同じようにマイクロサービスについてこれから学びたい方の助けになればと思っています。

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