はじめに
この記事はUdon Advent Calendar 2025 - Adventarの9日目の記事です。
Rubyの環境構築をする
Rubyというプログラミング言語が存在します。Pythonのように書きやすく、応用範囲もとても広いです。というわけで、Rubyの環境構築をする方法を書いていこうと思います。
今回はUbuntu環境での作業を前提とします。Windowsをお使いの方はWSLなどでUbuntu環境を用意してください。
rbenvのインストール
Rubyはsudo apt installでも入れることができますが、これだと/usr/binにRubyがインストールされてしまい、使うときにsudo権限が必要となり少々厄介です。
なので今回はrbenvを利用します。これはRubyの仮想環境を管理するものです。
下準備
別の方法でRubyがインストールされている場合があるので、まずは以下のコマンドでリセットしておきます。
sudo apt purge ruby rbenv ruby-build
rm -rf ~/.rbenv
また、gitコマンドを使うので、インストールしていない場合は初期設定を済ませておきましょう。
sudo apt install git
git config --global user.name [ユーザ名]
git config --global user.email [ユーザ名]
インストール
以下のコマンドを実行します。
git clone https://github.com/sstephenson/rbenv.git ~/.rbenv
そして、以下のコマンドを順に実行してパスを通します。設定を記入するのは~/.bashrcでも大丈夫です。
echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile
echo 'eval "$(rbenv init - bash)"' >> ~/.bash_profile
source ~/.bash_profile
そして、ダウンロードしたRubyのソースファイルのビルドに必要なruby-buildも以下のようにしてインストールしておきます。
git clone https://github.com/sstephenson/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build
確認
以下のコマンドを実行し、バージョンが表示されればインストール成功です。
rbenv --version
Rubyのインストール
では、インストールしたrbenvを利用してRuby本体をインストールしていきましょう。
下準備
まずは必要なツールをインストールしておきます。
sudo apt update
sudo apt install autoconf bison build-essential libssl-dev libyaml-dev libreadline6-dev zlib1g-dev libncurses5-dev libffi-dev libgdbm6 libgdbm-dev libdb-dev
インストール
準備ができたら、以下のコマンドでインストール可能なRubyのバージョンを確認します。
rbenv install -l
以下のようにバージョンがリストアップされます。
3.2.9
3.3.10
3.4.7
jruby-10.0.2.0
mruby-3.4.0
picoruby-3.0.0
truffleruby-25.0.0
truffleruby+graalvm-25.0.0
Only latest stable releases for each Ruby implementation are shown.
Use `rbenv install --list-all' to show all local versions.
説明にある通り、最新安定板のみがリストアップされています。それ以外も見たいときは--list-allオプションを付けます。
入れるバージョンが決まったら、以下のコマンドを実行してインストールをしましょう。今回は3.4.7をインストールします。
rbenv install 3.4.7
ここはちょっと時間がかかります。気長に待ちましょう。
$ rbenv install 3.4.7
==> Downloading ruby-3.4.7.tar.gz...
-> curl -q -fL -o ruby-3.4.7.tar.gz https://cache.ruby-lang.org/pub/ruby/3.4/ruby-3.4.7.tar.gz
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current
Dload Upload Total Spent Left Speed
100 22.1M 100 22.1M 0 0 5124k 0 0:00:04 0:00:04 --:--:-- 5125k
==> Installing ruby-3.4.7...
-> ./configure "--prefix=$HOME/.rbenv/versions/3.4.7" --enable-shared --with-ext=openssl,psych,+
-> make -j 20
-> make install
==> Installed ruby-3.4.7 to /home/xxx/.rbenv/versions/3.4.7
NOTE: to activate this Ruby version as the new default, run: rbenv global 3.4.7
その後、以下のコマンドを実行してグローバルなRubyバージョンを決めておきましょう。これがデフォルトで使われるバージョンとなります。
rbenv global 3.4.7
違うバージョンのRubyを利用したいときは、上の手順をもう一度踏む必要があります。
確認
インストールが完了したら、以下のコマンドを実行しましょう。
ruby --version
globalに設定したバージョンが表示されれば成功です。
また、whichコマンドでインストール場所の確認もしておきましょう。/usr/bin/ではなく自分のホームディレクトリの中の.rbenv配下にインストールされていることがわかります。
$ which ruby
/home/xxx/.rbenv/shims/ruby
仮想環境の確認
rbenvによりディレクトリ単位で使うRubyバージョンを変更することができるので試してみましょう。
事前に別バージョンのRubyをインストールしておきましょう。
rbenv install 3.3.10
適当なディレクトリを作ってそこに移動します。
mkdir rbenv-test
cd rbenv-test
移動後、以下のコマンドを実行してみます。
rbenv local 3.3.10
以下のようにバージョンを確認すると切り替わっているのが分かります。
$ ruby --version
ruby 3.3.10 (2025-10-23 revision 343ea05002) [x86_64-linux]
そして、上の階層に戻って同様にバージョンを確認すると、今度はglobalに設定したバージョンとなっていることが確認できます。
$ ruby --version
ruby 3.4.7 (2025-10-08 revision 7a5688e2a2) +PRISM [x86_64-linux]
そして、rbenv localを実行したディレクトリには以下のように.ruby-versionファイルが作成されます。
$ cat .ruby-version
3.3.10
これがあると、バージョンの変更がこのファイルを書き換えるだけでもできるようになります。
Gemの利用
Gemはライブラリの管理ツールです。Pythonで言うところのpipのようなものです。
これを利用すると、標準・外部問わずライブラリを使えるようになります。
インストール
Gemはここまでの作業の段階でインストールされているはずです。
確認
以下のようにバージョンとインストール先を確認しておきましょう。
$ gem --version
3.6.9
$ which gem
/home/xxx/.rbenv/shims/gem
実際に入れてみる
最初は標準のGemだけが入っています。
$ gem list
*** LOCAL GEMS ***
abbrev (0.1.2)
base64 (0.2.0)
(中略)
yaml (default: 0.4.0)
zlib (default: 3.2.1)
ここに外部からGemをインストールしましょう。
今回はHTMLやXMLを解析してくれるnokogiriをインストールします。以下のコマンドでインストールを行いましょう。
gem install nokogiri
結果は以下のようになります。
$ gem install nokogiri
Fetching nokogiri-1.18.10-x86_64-linux-gnu.gem
Successfully installed nokogiri-1.18.10-x86_64-linux-gnu
1 gem installed
一応、以下のコマンドでインストールされたかを確認しましょう。
gem list | grep nokogiri
以下のようになれば成功です。
$ gem list | grep nokogiri
nokogiri (1.18.10 x86_64-linux-gnu)
使いたいGemがあったら、同様の手順でインストールすることが可能です。
おわりに
これでRubyの環境が構築できました。Rubyは便利なプログラミング言語なので、是非これを参考に環境構築をしてみてください!
それではまた、明日の記事でお会いしましょう!
参考文献
UbuntuにGitをインストールする #Git - Qiita