Note
本記事は、AI(Gemini)との対話を通じて、2025年現在のUnity Build Automation(旧Cloud Build)の仕様に基づき構成・執筆されました。
はじめにのその前に
Unity Cloud BuildでiOSのビルドを行なう際にGeminiに手順をガイドしてもらったところスムーズにいったので、後日見返すためのメモを残すことにしました。これはそういった記事です。
はじめに
UnityのiOSビルドは、Macの占有時間やXcodeの複雑な設定など、手間のかかる工程が多いのが悩みです。
Unity Cloud Build (Build Automation) を活用すれば、クラウド上でIPAファイルを作成し、手元のMacをビルドから解放できます。
本記事では、Macを使って必要な証明書を揃え、生成されたビルドを TestFlight で配信するまでの最短ルートをステップバイステップで解説します。
1. 事前準備
- Unityプロジェクト: Unity Version ControlやGitHub等に最新コードがプッシュ済みであること。
- Apple Developer Program(有料)への登録: クラウドビルドおよびTestFlightの利用に必須です。
- Mac: 最初の証明書作成と、最終的なアップロード作業に使用します。
2. 署名ファイル(.p12)とプロファイルの作成
Cloud Buildがあなたの代わりにアプリをビルド・署名するための「鍵」を作ります。
2.1 CSR(署名要求ファイル)の作成
- Macで [キーチェーンアクセス] を起動。
- メニューバーの [キーチェーンアクセス] > [証明書アシスタント] > [認証局に証明書を要求...] を選択。
- メールアドレスを入力し、[ディスクに保存] を選択して保存します。
2.2 Apple Developerサイトで証明書を発行
- Certificates で「+」をクリック。
-
[Apple Distribution] (配布用) を選択します。
- ※TestFlightへのアップロードにはDistribution用が必要です。
- 先ほどのCSRファイルをアップロードして発行された
.cerをダウンロードし、ダブルクリックしてキーチェーンアクセスに取り込みます。
2.3 .p12ファイルの書き出し
- キーチェーンアクセスの「自分の証明書」から、追加した証明書(と鍵)を選択して右クリック。
-
[2項目を書き出す...] を選択し、
.p12形式で保存します。 -
パスワード を設定します。
- 重要: このパスワードは後ほどUnity Cloud側で入力するためメモしておいてください。
2.4 プロビジョニングプロファイルの作成
- Profiles で「+」をクリック。
- [App Store] (Distribution用) を選択。
- 使用する「App ID」と、先ほど作った「証明書」を選択して作成。
-
.mobileprovisionファイルをダウンロードします。
3. Unity Cloud Build の設定
3.1 Credentials(認証情報)の登録
- Unity Cloudダッシュボード > [DevOps] > [Build Automation] > [Credentials] を開きます。
-
[Add Credentials] > [iOS] を選択し、以下をアップロードします。
- P12 File / P12 Password
- Provisioning Profile
3.2 ビルド構成の作成
- [Configurations] から [Add Configuration] をクリック。
-
Target Platform:
iOS - Credentials set: 先ほど登録したセットを選択します。
- Bundle ID: Unityプロジェクトの設定およびAppleサイトで登録したIDと一致しているか確認します。
4. TestFlightへの手動アップロード手順
ビルドが成功したら、Apple公式の「Transporter」アプリを使用してMacからアップロードします。
-
IPAのダウンロード: Unity Cloud Buildのビルド履歴から、成功したビルドの
.ipaファイルをMacに保存します。 - Transporterの準備: MacのApp Storeから [Transporter] アプリ(無料)をインストールして起動します。
-
アップロード:
.ipaファイルをTransporterにドラッグ&ドロップし、[デリバリ] ボタンをクリックします。 - 反映待ち: アップロード完了後、App Store Connectの「TestFlight」タブにビルドが表示されるまで数分〜数十分待ちます。
5. 配信の開始
- 処理完了の確認: App Store Connect にログインし、ステータスが「処理中」から「テスト可能(または輸出コンプライアンスの確認待ち)」になるのを待ちます。
- コンプライアンス回答: 必要な場合、輸出コンプライアンス等の質問に回答します。
- テスターへ配信: ステータスが有効になれば、テスターのiPhoneのTestFlightアプリからインストール可能になります。
まとめ
一度設定を済ませてしまえば、「コードをプッシュしてCloud Buildを回す → 生成物をTransporterで送る」という非常にシンプルな手順でiOS配信が可能になります。ビルド待ち時間を有効活用して、より快適なUnity開発ライフを送りましょう!