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WSL2の仮想ハードディスクvhdxファイルを移動する

Last updated at Posted at 2024-01-27

はじめに

Zybo-Z7の開発環境としてWindows版のVivadoとVitis、WSL2のUbuntu(18.04.6 LTS)にPetaLinux、Linux版のVivdoとVitisをインストールしたら、465GBのC:ドライブの空き容量が心ものなくなってしまったので、WSL2の仮想ハードディスクファイル(vhdxファイル)をD:ドライブに移動した。

ドライブとデバイス-動前.png

やり方としては、

  • ディストリビューションを別領域に複製後、元のディストリビューションを削除
  • ディストリビューションをexportし、ディストリビューションを削除、そして、exportしたファイルをimport
    の2つあるので、それぞれをやってみた。

準備

起動中のUbuntuを終了する

  • exitでWindowsターミナルを閉じただけでは、Running状態のままなので、wsl --shutdownwsl --terminate ディストリビューション で終了させる。
    • WindowsターミナルのUbuntuでexit
      Ubuntu_exit.png
      PowerShell
        PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
        NAME            STATE           VERSION
      * Ubuntu-18.04    Running         2
      
  • wslのコマンドで終了させる
    PowerShell
     PS C:\Users\ozora> wsl --terminate Ubuntu-18.04
     この操作を正しく終了しました。
     PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
       NAME            STATE           VERSION
     * Ubuntu-18.04    Stopped         2
    

vhdxファイルの場所を確認する

  • インストールされたvhdxファイルは、C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Packages\CanonicalGroupLimited.○○○○\LocalStateにある
    • Ubuntu 18.04LTSをインストールした私の環境では、○○○○の部分はUbuntu18.04LTS_79rhkp1fndgsだった。
  • 複数のディストリビューションをインストールしているときは、vshxファイルの選択を間違えないように
    元のvhdxファイル.png

vhdxファイルの複製

  • 複製と言っても、実はvhdxファイルを import である。

  • ただし、異なるディストリビューション名にする必要がある

  • --importオプションは、指定されたファイルを新しいディストリビューションとしてインポートする。デフォルトは tar ファイルだが、--vhdオプションで vhdx ファイルを指定できる。

  • wsl --import 新しいディストリビューション名 複製元vhdxファイルのパス名 複製先vhdxファイルのパス名 --version 2 --vhd

  • ここで注意してほしいのは、フォルダの区切りは''(バックスラッシュ)で入力する必要がありそうだということ。キーボードから'¥'を入力したら、区切りではなく'¥'という文字として認識されてしまった。

  • 本家のディストリビューション名が Ubuntu-18.04 なので '-' を '_' に変えた Ubuntu_18.04 にした。

    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl --import Ubuntu_18.04 D:\wsl\Ubuntu18.04LTS\ext4.vhdx C:\Users\ozora\AppData\Local\Packages\CanonicalGroupLimited.Ubuntu18.04LTS_79rhkp1fndgsc\LocalState  --version 2 --vhd
    インポート中です。この処理には数分かかることがあります。
    この操作を正しく終了しました。
    

  • ディストリビューションリストを表示させて確認

    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
      NAME            STATE           VERSION
    * Ubuntu-18.04    Stopped         2
      Ubuntu_18.04    Stopped         2
    

  • Ubuntu_18.04 を起動してみる

    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl -d Ubuntu-18.04
    root@DESKTOP-H3CE8QA:/mnt/c/Users/ozora#
    

  • 起動はできたけれど、なぜか root でログインされてしまった。

    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl -d Ubuntu_18.4
    ozorakobo:/mnt/c/Users/ozora$
    

    • --user or -u オプションで、実行するユーザを指定することができる
      PowerShell
      PS C:\Users\ozora> wsl -d Ubuntu_18.04 -u ozorakobo
      ozorakobo:/mnt/c/Users/ozora$
      

    • あるいは、/etc/wsl.conf でユーザを指定してもよい。
      /etc/wsl.conf
      [boot]
      systemd=true
      [user]
      default=ozorakobo
      

    • wsl.configに[user]を追加して、起動してみる。
      PowerShell
      PS C:\Users\ozora> wsl -d Ubuntu_18.04
      ozorakobo:/mnt/c/Users/ozora$
      

  • Ubuntu_18.04 を終了する

    PowerShell
    ozorakobo:/mnt/c/Users/ozora$ exit
    logout
    PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
      NAME            STATE           VERSION
    * Ubuntu-18.04    Stopped         2
      Ubuntu_18.04    Running         2
    PS C:\Users\ozora> wsl --terminate Ubuntu_18.4
    この操作を正しく終了しました。
    PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
      NAME            STATE           VERSION
    * Ubuntu-18.04    Stopped         2
      Ubuntu_18.04    Stopped         2
    

  • 元のディストリビューションを削除する

    • --unregister オプションで、ディストリビューションの登録を解除し、ルート ファイルシステムを削除することができる。

    • ここでは、次の「vhdxファイルの export -> import」を行うため、複製した"Ubuntu_18.04"を削除する。

    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl --unregister Ubuntu_18.04
    登録解除。
    この操作を正しく終了しました。
    PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
      NAME           STATE           VERSION
    * Ubuntu-18.04   Stopped         2
    
  • 無事 vhdxファイルの移動ができた。

vhdxファイルの export -> import

  • 現在のディストリビューション vhdxファイルと export し、別のパスに importする
  • export後、ディストリビューションを削除すれば、同じディストリビューション名で import することができる
  • 削除すると元に戻せないので、リスクを負うことなるので注意
  • 手順として export するが、export せずファイルをコピーして、importしても大丈夫かもしれない
  • --exportオプションは、ディストリビューションをファイルにエクスポートする。デフォルトは tar ファイルだが、--vhdオプションで vhdx ファイルを指定できる。
  • wsl --export ディストリビューション名 export先vhdxファイルのパス名 --vhd
  • ここでは、D:¥Temp に export する
    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl --export Ubuntu-18.04 D:\Temp\Ubuntu-18.04.vhdx --vhd
    エクスポートが進行中です。これには数分かかる場合があります。
    この操作を正しく終了しました。
    PS C:\Users\ozora> dir d:\Temp
        ディレクトリ: D:\Temp
    Mode                 LastWriteTime         Length Name
    ----                 -------------         ------ ----
    -a----        2024/01/27     20:11   254678138880 Ubuntu-18.04.vhdx
    
  • 思い切ってディストリビューションを削除する
    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
      NAME           STATE           VERSION
    * Ubuntu_18.04   Stopped         2
    PS C:\Users\ozora> wsl --unregister Ubuntu-18.04
    登録解除。
    この操作を正しく終了しました。
    PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
    Linux 用 Windows サブシステムにインストールされているディストリビューションはありません。
    
    使用可能なディストリビューションを一覧表示するには、'wsl.exe --list --online' を使用します
    インストールするには 'wsl.exe --install <Distro>' と指定します。
    
    ディストリビューションは、Microsoft Storeにアクセスしてインストールすることもできます:
    https://aka.ms/wslstore
    Error code: Wsl/WSL_E_DEFAULT_DISTRO_NOT_FOUND
    
    • ディストリビューションがなくなった。
  • exportされたvhdxファイルをインポートする
    • 将来複数のディストリビューションを扱う可能性を考慮して、D:\wsl\Ubuntu18.04LTSに import する。
    • ディストリビューション名は、元と同じ Ubuntu-18.04 とする。
    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl --import Ubuntu-18.04 D:\wsl\Ubuntu18.04LTS C:\Temp\Ubuntu-18.04.vhdx --version 2 --vhd
    インポート中です。この処理には数分かかることがあります。
    この操作を正しく終了しました。
    PS C:\Users\ozora> wsl -l -v
      NAME            STATE           VERSION
    * Ubuntu-18.04    Stopped         2
    
  • インポートされた。ヨシッ!
    PowerShell
    PS C:\Users\ozora> wsl -d Ubuntu-18.04
    ozorakobo:/mnt/c/Users/ozora$
    
  • 無事起動した。
  • Vivado, vitisも起動できたので一安心。
    Vivado 20221.png
    vitis.png

おわりに

  • vhdxファイルがC:ドライブを大きく占めるほど大きくなってしまったため、D:ドライブに移動させた。
  • 移動の際は、ディストリビューションの複製と export -> import の二つの寳保を試した。
  • 200GB以上もあるvhdxファイルの移動を試みたため、import, export にとても時間がかかってしまった。サイズが小さいうちに移動したほうがよい。
  • ディストリビューションを消去してから、import するのはリスクが大きくなるので、ディストリビューション名を変える必要はあるものの複製するほうがいいと思う。そういう意味でも、もし失っても痛手のないうちに移動させておくほうがいいだろう。
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