前提
この記事は2025/10/06時点での公開情報や動作を私なりにまとめたものとなります。
正確な情報はご自身でご確認もしくはMicrosoftへお問い合わせください。
また、環境ごとにリリースタイミングが異なる点や、管理者により制御されている可能性がある点、ご留意ください。
また、本機能はパブリックプレビューであるため、今後変わる可能性があります。
はじめに(検証概要)
・SharePoint上の最新のAI補助機能である "ナレッジエージェント" についての話です。
・ナレッジエージェントの中でも "メタデータの自動生成" の機能にフォーカスしてご紹介します。
・Microsoft 365 Copilotライセンスが必要です。
・パブリックプレビューであり、管理者でのオプトイン(しかもPowerShell限定)が必要です。
公式ブログのデモ画面はこちら。列を自動追加してくれる感じです。
公式情報
ナレッジエージェントは、Microsoft 365 Copilotでの「SharePoint」関連のAI活用の新機能となります。
以下のTech Blogにてそれぞれの機能のデモがありますので、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
Microsoft Learn
展開方法や各機能の利用方法、制限までわかりやすくまとまっています。
Microsoft Support
参考情報です。Learnの方が詳しくかかれています。
有効化する
有効化方法(テナントでのSharePoint管理者権限が必要)
SharePointの管理業務をしたことがない人には難しいかもですが、このような流れとなります。
(0.最新のSharePoint Online管理シェルのインストール)
1.自テナントのSharePoint管理URLへ接続
2.PowerShell上でのコマンドの実行(全てのサイトの場合、以下のコマンド)
Set-SPOTenant -KnowledgeAgentScope AllSites
詳しくはこちらを参照してください。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/sharepoint/knowledge-agent-get-started#enable-knowledge-agent
※接続先はsharepoint.comではなく -admin.sharepoint.comなので要注意です。私は間違えました。
使ってみる
メニュー
設定後にSharePointサイトを開くと、すぐに右下にこんなのが出てきます。
デモ動画の通り、
・サイト上の情報検索(RAG)
・サイトの改善(リンク切れ、検索してもヒットしないワード提案)
・ライブラリの整理(メタデータの追加、ビューの追加)
・自動化(ルールの自動生成)
などいろいろな機能の説明があります。
ただし、この検証の本題はこの 「メタデータ(列)の追加」 です。
列の自動生成で追加
※検証のために、雑多なデータを同じフォルダ内に集めてみました。データの中身は気にしないでください。
SharePoint上のビューのUIが「ライブラリを整理する」用に切り替わり、左にデータ、右にナレッジエージェントが表示されます。
「Document Type」「Author Name」「Date Created」という3つの列が提案されました。
「Document Type」はいい感じっぽいですが、ほか二つはもともと「作成者」や「作成日時」の列があるので微妙ですね。
でも大丈夫!!微妙なものは右側のメニューから「削除」で消すことができるし、
列名やプロンプトも「編集する」で変えることができます。何度でも試して編集ができます。
いい感じになったらビューに保存できます。現在のビューか新しいビューか選ぶ方式です。
列の作成から追加
こちらの方が、より柔軟に設定ができます。
分類を選択すると、さらに「カテゴリ」を追加するメニューがでます。
選択肢を手動で追加して説明を言葉で書き、どの分類にするかをAIが判定してくれます。
なんのこっちゃなので、画面で理解してください↓
名前:列名
説明:列の説明(AIに対する包括的な指示を入れてみた)
データの種類: 選択肢 しか選べません。(今後増えることに期待)
選択肢の名前:選択肢の値
説明:その値を選んでもらうためのAIへの指示
追加後はテスト用ファイルを選択して、いい感じに分類されるか確認ができます。
保存をすると以下のように「オートフィルが進行中です」と表示され、順次列の値が更新されていきます。
まとめ
雑多なファイルをごちゃまぜにしても、いい感じに説明してくれた!
「これ何?」といちいち開く手間もないし、分類やフォルダ分け、棚卸しもしやすくなった!!
所感
・ちょっと触っただけでもかなり良さそう。
・いろいろなファイルの整理にとても役立つ。
・どのような列を追加するか、創造性が試される。
・ゴミデータと有用なデータの判断に使い、データの棚卸にもつなげたい。
要件と制限事項 (Microsoft Learnからの転記です)
サポートされているファイルの種類 : .csv、.docx、.pdf、.xlsx、およびその他の Microsoft 365 互換の形式。
サポートされている言語 : テキストベースのプロンプトと応答のために Microsoft 365 Copilot でサポートされているすべての言語が、英語のファイルのみを処理できます。
サポートされている列の種類 : テキスト、複数行のテキスト、数値、はい/いいえ、日付と時刻、選択、ハイパーリンク、通貨、および管理されたメタデータ。
制限事項:
・ユーザーまたはグループ、場所、イメージ、および参照列の種類は現在サポートされていません。
・最適なパフォーマンスを得るには、ライブラリごとに 10 列以下を追加し、65 ページ以下のファイルを処理することをお勧めします。
・エージェントは、フォルダーではなくファイルのみを処理できます。 フォルダーのファイルを使用してライブラリを構成する場合、変更はライブラリ全体に適用されます。
・エージェントは、初期構成時に最初の 20 個のファイルのみを処理します。 追加のファイルは手動で選択して処理できます。
・マネージド メタデータ列の種類を使用する場合は、マップされた用語セットの最初の 100 用語のみを使用できます。 優先する用語またはシノニムが一致する場合、エージェントは優先用語を列に保存します。
・暗号化されたファイルを分析することも、結果に含まれるメタデータを分析することもできません。
・エージェントは現在、ドキュメント ライブラリのみを構成できます。 FormServerTemplates、SitePages、スタイル ライブラリ、SiteAssets のライブラリの種類はサポートされていません。
今後への期待
・SharePointエージェントとメタデータ生成を組み合わせると、データグランディングにかなり良いらしいです。
SharePointエージェントも最近使い勝手が変わったり応答品質が良くなっているということなので、合わせて使っていくのがよさそうです!