はじめに
Google Jules,みなさんは使っていますか?
Julesは,Googleが提供しているAIコーディングエージェントです.GitHubリポジトリと簡単なプロンプトを渡すだけで,バグ修正や新機能追加を非同期で進めてくれます.
Julesの特徴
Julesの魅力は,手軽に始められる上にタスクを投げたら最後までやりきってくれるという点です.
Gemini 2.5 ProベースのAIを無料で使えて,GoogleアカウントとGitHubアカウントがあればすぐに試せます.
Julesの最大の特徴は,GitHubリポジトリと直接連携し,プロジェクト全体のコンテキストを理解した上で自律的にタスクを実行する点です.単なるコード補完ツールではなく,「コパイロットでもなく,コード補完の相棒でもなく,あなたのコードを読み,意図を理解し,作業に取り組む自律型エージェント」として設計されています.
作業はGoogle Cloudの仮想マシン上で実行され,複数のソースファイルを横断してコード生成やデバッグを自動化できます.タスクの分解から計画立案まで自動化されており,開発者はバックグラウンドで動作するJulesに作業を任せながら,他の重要なタスクに集中できます.
プライバシー面でも配慮されており,ユーザーのプライベートなコードが学習データとして使用されることはなく,データは実行環境内で隔離されます.
AI コーディングエージェント徹底比較:Google Jules、OpenAI Codex、Anthropic Claude Code Action
最近はこういった非同期で動くAIコーディングツールも増えてきていますが,Julesは無料で使える上に導入のハードルが低いのが大きなポイントです(ただし,1日のタスク数などに制限はあります).
始めるのも簡単
Julesを使うのに必要なのは,GoogleアカウントとGitHubアカウントだけです.特別な設定も不要で,すぐに使い始められます.
ちなみに,以前はGoogleが大学生向けにGeminiの有料プランを無料提供していたこともあり(現在は申し込み終了),私も他のGoogle系のAIツールと一緒にJulesを使っていました.
Jules APIで広がる可能性
そんなJulesですが,2025年10月にJules APIが公開されました.
このAPIを使えば,VSCode拡張機能のように独自のインターフェースを作れるだけでなく,GitHub Actionsに組み込んで自動的にコードレビューやバグ修正を実行させたり,CLIツールとして組み込んだりと,様々な使い方ができそうです.
今回は,Jules APIを使った拡張機能を作りました.
作ったもの
Jules Extension というVSCode拡張機能です.
- Marketplace: https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=HirokiMukai.jules-extension
- GitHub: https://github.com/is0692vs/jules-extension
VSCodeから直接Julesのセッションを作成・管理できるようにしました.
ちなみに,執筆日現在(2025年10月22日),Marketplaceで「jules」タグで検索すると,
この拡張機能1件しか出てきません
.Julesがまだマイナーなので,拡張機能を作っている人もほとんどいないようです.
なぜ作ったのか
最近のAIコーディングツールの話題はClaude Code,Codex,GitHub Copilotがほとんど独占している現状です.Julesは無料で使えて性能も悪くないのに,あまり使われていないのがもったいないと感じていました.
そこで,VSCode拡張機能として提供すれば,もう少しJulesが使われるようになるかもしれないと思い,この拡張機能を作りました.
何ができるの?
基本的な使い方
- API Keyを設定(Jules公式サイトからAPIキーを取得して設定します)
- GitHubリポジトリ(Source)を選択
- タスクを入力してSession作成
- (プランを承認)
- Julesが勝手にコード書いてPR作成
- VSCode上で進捗確認
これらをプロンプトで指示するだけで,Julesが非同期で処理してくれます.
制限について:
- Jules(無料版):1日15タスク,同時3タスク
- Jules in Pro:1日100タスク,同時15タスク
- Jules in Ultra:1日300タスク,同時60タスク
本格的に使いたい人や,複数のタスクを並列で進めたい人はProやUltraを検討するといいでしょう.
Pro・Ultraプランの恩恵:
JulesだけでなくGoogle AI ProやUltraに課金すると,NotebookLMやGeminiなど,他のGoogleツールでも制限が緩和されます.GoogleのAIエコシステム全体を活用したい人にとっては,お得なプランだと思います.
実際の使い心地
VSCode拡張からJulesを使うのは,Webブラウザで使うのと比べてそこまで劇的に便利になるわけではありません.
ただ,VScodeから離れずに手軽にタスクを委任して放っておけるというのは快適です.私がProプランの無料枠を持て余している分気楽にアサインできるという理由もありそうですが...
技術的な話(軽く)
使用技術
- Jules API
- TypeScript
- VSCode Extension API
UIは,VSCodeの標準コンポーネント(TreeView / QuickPick / OutputChannel)を使ってシンプルに実装しました.
普段使っている拡張機能と同じような使い心地にしたかったので,WebViewで独自のUIを作るのではなく,VSCodeネイティブのコンポーネントを使う方針にしました.
Jules APIのエンドポイント
Jules APIでは,主に以下のエンドポイントが用意されています:
Sessions(セッション管理):
-
POST /v1alpha/sessions- セッション作成 -
GET /v1alpha/sessions- セッション一覧取得 -
GET /v1alpha/sessions/{id}- セッション詳細取得 -
POST /v1alpha/sessions/{id}:approvePlan- プラン承認 -
POST /v1alpha/sessions/{id}:sendMessage- メッセージ送信
Activities(アクティビティ):
-
GET /v1alpha/sessions/{id}/activities- アクティビティ一覧取得 -
GET /v1alpha/sessions/{id}/activities/{activityId}- アクティビティ詳細取得
Sources(ソース管理):
-
GET /v1alpha/sources- Source一覧取得 -
GET /v1alpha/sources/{id}- Source詳細取得
ただし,現時点ではセッションを削除するDELETEエンドポイントが提供されていません.Web UIでは削除できるのに,APIからは削除できないのは少し不便ですね.今後のアップデートで追加されることを期待しています.
工夫した点
カスタムプロンプト機能
:設定画面でカスタムプロンプトを設定できるようにしました.例えば「PRコメントを日本語で作成して」のような指示を設定しておくと,セッション作成時やメッセージ送信時に自動的にユーザーの入力と結合して送信されます.
自動リフレッシュ機能:設定でオンにすると,指定した間隔で自動的にセッション一覧を更新してくれます.長時間実行されるセッションの進捗を追いやすくしました.
PR完了通知:セッションの状態変化を検出して,PRが作成されたタイミングで通知を出すようにしました.
メッセージ送信機能
:セッション実行中に,追加の指示をJulesに送れます.WebViewベースのコンポーザーで複数行のメッセージも快適に入力できます.
Gemini 3.0への期待
Gemini 3.0がそろそろリリースされるという噂もあり,コーディング性能の大幅な向上が期待されます.Gemini 3.0でJulesがもっと注目されて,もっと多くの人に使ってもらえるようになったら嬉しいですね.
おわりに
Jules API,思ったより使いやすくて,VSCode拡張開発も初めてだったのですが意外と楽しかったです.
今回,GitHub ActionsでCI/CDを組んでMarketplaceに自動デプロイする仕組みを作ったのですが,これも初めての経験でした.「Marketplaceに拡張機能を公開する」というのは以前からやってみたかったことだったので,今回実現できて嬉しかったです.
Marketplace公開後の統計を見るのも面白いですね.インストール数の推移がグラフで見られるのですが,アップデートをリリースするとそのタイミングでインストール数がグッと増える様子が目に見えて面白いと感じました.
まだまだ改善の余地はたくさんありますし,至らない点もあると思います(拡張機能にもこの記事にも).
もし気に入っていただけたら,GitHubにスターをつけてもらえると嬉しいです⭐ フィードバックやIssue,PR,Marketplaceからの評価なども大歓迎です!
注意:この記事は2025年10月時点の情報に基づいています.Jules APIはまだ開発中のため,仕様や制限が変更される可能性があります.もし記事に間違いや古い情報を見つけた場合は,コメントやIssueで教えていただけると嬉しいです!







