はじめに
データベースサービスのRDS(Relational Database Service)の2つの重要な機能、マルチAZとリードレプリカについて、わかりやすく説明していきます。
1. マルチAZ:あなたのデータベースの忠実な双子
マルチAZは、「多地域配置」とも呼ばれる機能です。これを理解するために、次のようなシナリオを想像してみてください:あなたは大切な日記を書いています。その日記が水害や火事で失われてしまうのを防ぐために、同じ内容の日記を別の場所にも置いておくことにしました。これがマルチAZの基本的な考え方です。
RDSのマルチAZでは:
- メインのデータベース(プライマリ)が1つあります。これがあなたの「オリジナルの日記」です
- 別の場所(Availability Zone)に、同じ内容のデータベース(セカンダリ)が作られます。
これが「コピーの日記」です - あなたが日記に何か書き込むたびに(データベースに変更を加えるたびに)、自動的にコピーの日記も更新されます
もし何かトラブルが起きてオリジナルの日記が読めなくなっても(プライマリデータベースが利用できなくなっても)、すぐにコピーの日記を使い始めることができます(セカンダリデータベースに切り替わります)。
このように、マルチAZは「データの安全性」と「サービスの継続性」を守ってくれる頼もしい機能なのです。
2. リードレプリカ:あなたのデータベースの優秀なアシスタント
次に、リードレプリカについて説明しましょう。これを理解するために、図書館のシナリオを想像してみてください
人気の本がたった1冊しかないと、多くの人が読みたいときに順番待ちが発生してしまいます。
そこで、その本のコピーをいくつか作って別の棚に置いておけば、より多くの人が同時に読でもらうことができますよね。これがリードレプリカの基本的な考え方です。
RDSのリードレプリカでは:
- メインのデータベース(ソース)が1つあります。これが「オリジナルの本」です
- そのコピー(リードレプリカ)を複数作ることができます。これらが「コピーの本」です
- オリジナルの本に新しいページが追加されるたびに(ソースデータベースが更新されるたびに)、自動的にコピーの本も更新されます
- コピーの本を読むことはできますが、書き込むことはできません(リードレプリカは読み取り専用です)
このシステムの利点は:
- 多くの人(アプリケーション)が同時にデータを読み取ることができる(読み取り性能が向上する)
- オリジナルの本(ソースデータベース)への負荷が減る
つまり、リードレプリカは「データベースの読み取り性能」を大幅に向上させてくれる優秀なアシスタントなのです。
結論:
マルチAZとリードレプリカは、それぞれ異なる目的を持っています:
- マルチAZは、あなたのデータを守り、サービスを止めないようにする「守護者」です
- リードレプリカは、データの読み取りを高速化し、メインのデータベースの負担を減らす「効率化の専門家」です
これらの機能を上手く活用することで、より安全で高性能なデータベース環境を構築することができます。AWSの世界では、こういった便利な機能がたくさん用意されているので、ぜひ探検してみてくださいね!