CAN通信をラスパイのWiresharkでモニタする

CAN通信をラズパイのWiresharkでモニタする方法です

アピールポイント

• DockerのWiresharkコンテナを利用
• Wiresharkコンテナを日本語表示で起動
• CANのデータをISO-TP、UDSで解析

使用機器

• Raspberry PI 4
• RS485 CAN HAT

手順

1. ラズパイにCANインタフェースボードを追加してCAN通信できるようにする

以下のページを参考にラズパイでCAN通信できるようにする

以下を実行し、can0インタフェースが有効な状態にしておく

$ sudo ip link set can0 up type can bitrate 500000

2. ラズパイにDockerをインストール

Docker公式の Install using the convenience scriptのぺージで紹介されている以下コマンドでDockerをインストール

curl -fsSL https://get.docker.com -o get-docker.sh
sudo sh get-docker.sh

また、sudoなしでDockerコマンド実行できるようにするため、以下ページを参考にしてDockerグループにユーザを追加

3. Wiresharkコンテナ起動

Docker Hubから linuxserver/wireshark のコンテナイメージをpull

docker pull lscr.io/linuxserver/wireshark

Wiresharkコンテナを日本語表示で起動

• 日本語表示のためにLC_ALL,DOCKER_MODS,INSTALL_PACKAGESを設定

docker run -d \
  --name=wireshark \
  --net=host \
  --cap-add=NET_ADMIN \
  --security-opt seccomp=unconfined \
  -e PUID=1000 \
  -e PGID=1000 \
  -e TZ=Asia/Tokyo \
  -p 3000:3000 \
  -p 3001:3001 \
  -v /path/to/wireshark/config:/config \
  --restart unless-stopped \
  -e LC_ALL=ja_JP.UTF-8 \
  -e DOCKER_MODS=linuxserver/mods:universal-package-install \
  -e INSTALL_PACKAGES=font-noto-cjk \
  lscr.io/linuxserver/wireshark:latest

4. CAN通信をWiresharkでモニタ

ブラウザで http://{ラズパイのアドレス}:3000 にアクセスすると、Wiresharkの画面が表示される

• Wireshark画面が表示可能となるまでに、コンテナ起動後 数分かかる場合がある

5. CANデータをISO-TP、UDSで解析

• ISO-TP： OSI参照モデルのネットワーク層、トランスポート層のプロトコルで、フレーム分割の制御などを行う。ISO 15765-2で定められている。
• UDS： OSI参照モデルではアプリケーション層のプロトコル。診断通信プロトコル。ISO 14229-1で定められている。

Wiresharkの「分析」－「･･･としてデコード」で、以下の画面のように設定する

UDSで解析するようにしておけば、OBD-Ⅱデータも自動解析される

• 以下の画面例ではサポートPIDが表示されている

複数フレームに分割されているデータも一つにまとめて、UDSデータとして表示される

• 以下の画面例では3フレームのデータをまとめて、UDSのSecurity AccessのSeedが表示されている

6. DockerのWiresharkコンテナを停止する

docker stop wireshark
docker rm wireshark

以上です。