ソーシャルデータや行動データを分析してターゲット層を深く理解する「オーディエンスインテリジェンスプラットフォーム」にも、AI の波が押し寄せています。では、実際のユーザーはどの AI 機能に価値を感じ、ベンダーが語る「エージェント型 AI」はどこまで現実になっているのでしょうか。G2 は2025年2月〜2026年8月の検証済みレビュー600件超と、ベンダー3社(Meltwater、TelmarHelixa、YouScan)へのサーベイをもとに、この点を分析しました。調査の全文は G2 の元記事(英語) https://learn.g2.com/audience-intelligence-platforms で公開されています。ここでは主なポイントを紹介します。
まず、買い手が最も評価している成果は「行動につながるインサイトの生成」で、レビュアーの30.6%が挙げました。ベンダー3社はいずれも、エンゲージメントやコンバージョン、クリエイティブの効果向上といったキャンペーン成果が、顧客が最も評価する成果だと回答しています。では AI はどこで価値を生んでいるのでしょうか。AI 機能を具体的に述べた検証済みバイヤー107人のうち、35%が「自然言語検索」、23%が「要約」を主な用途として挙げ、この2つで AI 利用全体の58%を占めました。3社すべてが、高度なセンチメント(感情)分析も現時点で顧客価値の高い機能として挙げています。YouScan の Insights Copilot のように、数千件の投稿を手作業で読む代わりに、質問を投げかけると平易な言葉で回答と実際の投稿例、次のアクションの提案まで返してくれる形が、現在の成功パターンと言えそうです。
一方で、検索と要約以外の領域では、利用が急に細くなります。レビュアーの19%は AI を使っているとだけ述べて具体的な用途に触れておらず、18%は AI に限界を感じている、もしくは使っていないと回答しました。これらの割合は、予測スコアリングやセグメンテーションの言及率よりも高く、AI の活用は「本物だが、狭い範囲に集中している」ことが分かります。エージェント型 AI についても、現在レビューで言及されているのはわずか1.2%です。ただし、ベンダー3社のうち2社(Meltwater と TelmarHelixa)は、今後2年以内に早期導入から主流へ移行すると見ており、2社が2028年までにこのカテゴリを形づくる最大の力になると位置づけています。Meltwater は、モニタリングやインサイト提供を超えて「重要な点を浮かび上がらせ、次の一手を提案し、実行まで支援する」ワークフローを目指していると述べています。
ただし、ベンダーも「人間の判断は不可欠」と強調しています。TelmarHelixa の Tom Murray 氏は、AI に判断を任せることには慎重で、バイアスを見つけ戦略を地に足のついたものに保つには、人間のドメイン専門家が舵を取る必要があると述べています。G2 は結論として、買い手が本当に必要としているのは「既存のワークフローから特定のステップを取り除いてくれる AI」だと指摘しています。自然言語検索は「操作方法を覚える手間」を、要約は「すべてを読む手間」を省いてくれます。つまり、バイヤーはロードマップの約束ではなく、プラットフォームが「今日」何をしてくれるかで評価しているのです。ベンダー各社の詳しいコメントや、ソーシャルリスニングとの違い、クロスタブやヒートマップなどの機能に関する FAQ は、冒頭のリンクから元記事でご確認ください。