「プロジェクトマネジメント」に求められる技術とは
📚 参考書籍:プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本(橋本 将功)
第1章 プロジェクトとはなにか
1. プロジェクトの特性
- 「スタート(現状) → ゴール(あるべき状態)」への変革を複数の業務で進める活動
- 不確実性が高く、成功率は決して高くない
2. プロジェクト成功の定義
- 目的(最終的な到達点)と目標(達成基準)は分けて考える
- 成功の指標は QCD:
- Quality:必須要件(機能・非機能)を満たす
- Cost:予算を守る
- Delivery:納期を守る
- QCDはトレードオフ → 優先度を開始時に合意することが重要
3. プロジェクトのリスク
1. よくある失敗パターン
- 全体像が共有されず、利害がバラバラ → 全体をまとめる役割が必要
- 上下関係で意見が言えない → 対等な対話の場を作る
- PMが多忙で全体観を失う → 個人タスクよりチーム最適を意識
2. ITプロジェクト特有のリスク
- 管理画面の工数を過小評価しがち
- 外部連携に必要な工数・体制を軽視しがち
- 一部ユーザーの声だけを反映してしまう
第2章 交渉
1. 交渉の背景・前提
- なぜ必要か:立場の異なる関係者の利害を一致させるため。矢面に立つことでメンバーから信頼を得られる
- なぜ難しいか:異なる特性を持つ事柄を調整し合意形成する必要がある。関係者の利害が衝突する。PMの完璧主義が柔軟な判断を妨げる
2. 交渉に臨む姿勢・マインド
- 相手が上司や発注者でも、無理なことは素直に伝える
- 多角的に情報を集め、意見を聞いたうえで方向性を示す
3. 実践上の工夫・注意点 (交渉時に役立つ5つのポイント)
-
定期的なヒアリングの機会を設ける
→ 方針転換などの変化を早めにキャッチできる -
同期/非同期・言語/非言語を使い分ける
→ 「非同期+言語」と「同期+非言語」を交互に行うと効果的 -
説明資料と議事録を必ず文書化する
→ 議事録はトラブル時の法的根拠となる -
相談内容や決定事項を関係者に共有する
→ 情報共有漏れは人間関係のトラブルに繋がる -
フォーメーションを組んで交渉する
→ 良い例:進捗や課題はPM、金銭や契約周りは営業 → プレッシャー分散
→ 悪い例:すべてPMが抱え込んでしまう → 心理的負荷が増大
第3章 タスクマネジメント
1. タスクマネジメントの考え方(基本的な視点)
- 全体を俯瞰する:プロジェクトが適切にゴールに向かうようにコントロールする
- 目的達成のためにタスクを采配する:単なるタスクの割り振りや管理だけにならないように
2. アサインに関する考え方(人とタスクのマッチング)
1. アサインは「ジョブ型思考」の人が望ましい
- ジョブ型思考:「忠誠心や所属意識」よりも「職務をこなすこと」を重視
- メンバーシップ型思考:「専門性の高い仕事」よりも「所属意識」を重視
2. アサイン変更の際の注意点
- モチベーションが低いメンバーがいる場合、すぐに上層部に認識を共有する
- メンバー個人の問題ではなく、プロジェクトの課題として報告する
3. メンバーの能力把握・評価(遂行力の見極め)
- 見積もりを通して遂行力を見極める
- 「やってみないとわからない」という姿勢は「経験不足」または「積極性不足」の可能性あり
4. 失敗しないタスクマネジメントの手順(実践編)
1. タスクを洗いだす
- タスク名は「〇〇を〇〇する」と記載する
- 期間ではなく、工数を記載する
- 抜け漏れなく行う
2. タスクを実施する優先順位をつける
- よく使われる手法は「ガントチャート」
- ガントチャートには「抜け漏れが発生しやすい」「開発者が締め切りだけを意識してしまう」などのデメリットが多くある
- 優先順位付けは「クリティカルパス法」が良い
3. タスクを依頼する
- タスクの目的とプロジェクトの背景を説明する (信頼感や忠誠心につながる)
- タスクの優先順位と完了条件、期限を合意する
- 定期的に進捗と課題を確認する
- タスクのアウトプットを確認する
4. 定期的に振り返りを実施する
- 振り返りは「KPT」を使うのがおすすめ
- 頻度は月に1回や四半期に1度実施するのが良い
まとめ
この記事で紹介した「1章〜3章」の内容は、プロジェクト全体を通して必要になるスキルです。
各フェーズごとのスキルや実践テクニックについては、別記事でまとめていく予定です。
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