はじめに
「ちゃちゃっと本番区画のデータを開発区画に移したい!けどFTPコマンドってあまり馴染みがないしよく分からない…」という方のためのFTP以外の方法でファイル(オブジェクト)を区画間コピーする手順です。
こんな人のための記事
- IBM i (AS/400)で区画をまたいでオブジェクトorライブラリーをコピーしたい人。
- SAVFはなんとなく分かる人。
- FTPはよく分からない人。
実際の手順
SAVFの作成
これについては先人の方々がたくさん記事を作成されているのでそちらを参考にしましょう。ざっくりしたイメージは以下の通り。
- コピー元の区画で
CRTSAVF
でウツワ(SAVFオブジェクト)を作る。 -
SAVOBJ
もしくはSAVLIB
でコピーしたいオブジェクトorライブラリーをウツワに入れる。
SAVFの移動
さてこのSAVFをどうやって隣の(もしくは離れた)区画に移動させるか、なのですが…FTP…よく分からない…と困っていたところ、ACSのIFSで扱えるということを教えていただきました!
手順は以下の通り。
- ACSを起動し
システム
でSAVFを作成した区画をプルダウンから選択し、一般の中にある統合ファイル・システム
を開く。
-
QSYS.LIB
というフォルダアイコンを探して開く。
- ずらっと有象無象が並ぶので、SAVFを作成したライブラリーを探して開く(今回はNAKANOというライブラリー)。
- その中にSAVFがあるはずなので右クリックからダウンロードする。
次にダウンロードしたファイルをコピー先へアップロードします。アップロード手順も同様に統合ファイル・システムでOK!
-
システム
でSAVFをコピーしたい区画をプルダウンから選択し、一般の中にある統合ファイル・システム
を開く。 -
QSYS.LIB
というフォルダアイコンを探して開く。 - ずらっと有象無象が並ぶので、SAVFを一時保管するライブラリーを探して開く。
(ここで開くのは復元先ではなく、復元するための一時置き場) - メニューバーの
アクション
>アップロード
で、先ほどダウンロードしたSAVFをアップロードする。
SAVFの復元
例によって先人の方々がたくさん記事を作成されているのでそちらを参考にしましょう。
- コピー先の区画で
RSTOBJ
もしくはRSTLIB
でコピーしたオブジェクトorライブラリーを復元する。
さいごに
FTPコマンドも使いこなせた方が良いのは間違いないのですが、便利なACSでちゃちゃっと済ませましょう!
所感
今回の手順ひとつひとつは大したことないと思うのですが、逆に言えば大したことない手順を知らないがためにやりたいことがスマートにできない状況でした。
特にやりたいことと手順がシンプルに一対一でない場合、調べるのは結構ハードルが高いです。
(今回でいえばSAVF
と統合ファイル・システム
は知っていましたが、QSYS.LIB
に独力ではたどり着けませんでした)
たまたま話しかけやすいスペシャリストが横にいる環境だったので私は解決できましたが、そうでない環境の情シスが解決できるようになるには…AIが解決してくれるんだろか?