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C言語Advent Calendar 2018

Day 20

printf のマイナーな機能の紹介

Last updated at Posted at 2018-12-20

C言語アドベントカレンダー の 12/20 が空いていたので、ちょっと書いてみた。

printf の書式文字列について、私が知らなかったことをメモする。

動作確認は、macOS Mojave 上の clang と gcc-8 で行った。

桁区切り文字を出力するフラグ文字

具体的にはこんな感じ:

c11
#include <stdio.h>
#include <locale.h>

int main(void)
{
  setlocale(LC_ALL, "sk_SK.ISO8859-2" ); // Slovak - SLOVAKIA
  printf("%'d\n", 12345678); //=> 12 345 678
  printf("%'f\n", 12345678.12345678); //=> 12 345 678,123457
  return 0;
}

ロケールによって出たり出なかったりする桁区切り文字。
スロバキアでは空白区切りらしい。

桁区切り文字とは関係ないけど、小数点がコンマになっているところにも注目。

なお。

デフォルトロケールだとシングルクオートなしと同じ結果になるので面白くない。

intmax_t 用の長さ修飾子

C99 には intmax_t, uintmax_t という、long long よりも長いかもしれない整数型がある。
というわけで、それ用の長さ修飾子がある。
こんな感じ。

c11
#include <stdio.h>
#include <stdint.h>

int main(void)
{
  uintmax_t u = UINTMAX_MAX;
  intmax_t i = INTMAX_MAX;

  printf("%ju\n", u ); // => 18446744073709551615
  printf("%jd\n", i ); // => 9223372036854775807
  return 0;
}

でも、手元の処理系では intmax_t, uintmax_t ともに 64bit なのであんまり面白くない。

char であることを示す長さ修飾子

char はどうせ int に昇格するので、コンパイラに警告を出させる以外にはあまり意味がない。

こんな感じ。

c11
#include <stdio.h>

int main(void)
{
  signed char sc = -128;
  unsigned char uc = 255;
  printf( "%hhd %d %hhu %u\n", sc, sc, uc, uc ); //=>-128 -128 255 255
  printf( "%hhd %d %hhu %u\n", -400, -400, 400, 400 ); //=> 112 -400 144 400
  return 0;
}

clang の場合、あとの方の printf は

warning: format specifies type 'char' but the argument has type 'int' [-Wformat]
warning: format specifies type 'unsigned char' but the argument has type 'int' [-Wformat]

という警告が出る。
gcc-8 は警告出してくれない。

※ ここから、2022年1月加筆

……と書いておいたら、ありがたいコメント が。

なるほど。

私としては負の値を 16 進数で出すことは稀なので気づきませんでした。

と思った上で man を見てみると

c11
printf( "foo %hhn", &x );

とすると、&x を char* だと思ってくれるという機能もあるらしい。不要。

※ ここまで、2022年1月加筆

ptrdiff_t 用の長さ修飾子

size_t 用の z は知っていたけど、ptrdiff_t 用の t は知らなかった。

c11
#include <stdio.h>

int a[1ULL<<44]; // 意外と行ける

int main(void)
{
  printf( "%td\n", a+sizeof(a)/sizeof(*a) - a ); // => 17592186044416
  return 0;
}

16進数の浮動小数点変換指定子

誤差なく浮動小数点を出力したい場合に必要になる、16進数浮動小数点。

c11
#include <stdio.h>

int main(void)
{
  printf( "%a %f\n", 0.1, 0.1 ); //=> 0x1.999999999999ap-4 0.100000
  return 0;
}

とはいえ、出てきた値を読むのが面倒なのであまり使いみちがない。

脆弱性の原因となる %n

昔からあるらしいけど、知らなかった。
C11 から入る printf_s には含まれないらしい。

c11
#include <stdio.h>

int main(void)
{
  int n0, n1, n2;
  printf( "foo %n bar %n baz\n%n", &n0, &n1, &n2 ); //=> foo  bar  baz
  printf( "%d %d %d\n", n0, n1, n2 ); //=> 4 9 14
  return 0;
}

引数に int へのポインタを置いておくと、%n までに出力した文字の数が入るらしい。
恐ろしい。
余計なことすんな、という感じ。

IPA にも フォーマット文字列攻撃対策 という記事が上がっている。こわいこわい。

というわけで

というわけで、printf のマイナーな機能の紹介はこれでおしまい。

いずれも C11/C99 準拠だと思う。

あとそういえば。
関数へのポインタを (void*) に安全にキャストすることはできないことになっているけど、関数へのポインタ用の 変換指定子 ってないんだね。必要だと思うんだけどなぁ。

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