生理休暇(なかったら違法)
生理休暇は、労働基準法で定められた休暇だ1。
生理でしんどいとき、休めるのは女性の権利である。
労働基準法 (昭和 2 2 年法律第 4 9 号 ) ( 抄 )
(生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置)
第六十八条 使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日
に就業させてはならない。
だから「やった! ちゃんと就業規則に生理休暇があるぞ! 良い会社だ!」と思ってはいけない。
これは標準的に備わっているべきものだ。
しなかったら罰金もある。
でも、実際、あなたの務めている会社は、実質的に生理休暇を申請できるだろうか?
実際、死に制度となっていて、使用しようとすると「ええっと、なん、ですか???」となってしまう会社も多いんじゃないか。
(よいところは、あっさり認めてくれたり+αで有給にしてくれていたりするだろう。)
実際のところはどうなんかというと、体調不良として、有給で補っているケースがたくさんありそうだ。
っていうか、弊社はそうだ。いじわるされてるわけではなく、単に使われていない。マジで。
欠勤にはなってしまようなので、本当に「休める」以上の意味はない。「体調不良による有給」or「テレワーク」に吸収されていると思われる。
(そっちだと、お賃金が下がらないからね。)
エンジニアの女性比率は二割くらいらしい。
せっかく良い制度があっても、上司が男性で言いづらかったりすると、実質的に「この制度、全然使えない」ということも多いだろう。さっぱりと「生理です/了解です」、という申告が可能なチームもあれば、「えっと、あの、おなかが痛いです」「わかりました」で処理しているところもあるだろう。
いうまでもなく、女性の生理については個人差がありまくり、また、通常、センシティブ過ぎて話すものでもないかもしれないのだ、が、休みにかかわってくると、業務の調整が必要だ。
全く問題なく働く人もいる。根性で絶対休まない人もいれば、月に数日は確実にダウンする人もいる。症状が重篤であれば婦人科を受診しよう。
それはそれとして、会社をどう休むか/休ませるかである。
女性の部下から、体調不良の申告があった場合
管理者としては、「体調不良で休みます」という申告があった場合、何日くらい続きそうか、周りに感染させそうか、もう少し情報が欲しいところだが、相手を間違って詰問すると、最悪のディスコミュニケーションが生じる。
生理についてどう扱うかは、マジでその時その時の状況によると思うのだが、
女性から体調不良/腹痛の申告があった場合、
- 直接の言及は避け、明日はいけそうか、感染性はありそうなものではないかやんわり聞く
- 仲のよさそうな女性にパスして、生理かどうかそれとなく聞いてもらう
(※上司に伝えることは了解してもらう) - メールやslackなど、周りに聞こえないように、クローズな方法で聞く
限られた人数で、というのがポイントで、必ずしも1:1でなくてもよい。 - 有給の残数について不安そうにしていれば、制度を案内する
- いっそ理由は聞かない
といったような対応が必要だろう。
ときどき、会社の制度はあっても使われないものがもうメンテされてない関数のように残り続ける。
せっかくの制度なのだから、一回、きちんと制度が生きているかシミュレーションしてもいいんじゃないでしょうか。
っていうかご存じでして? 生理休暇?
そういうものがあります。
おそらく、生理休暇がうれしいのは、まだ入社したてで有給が足りない、入ったばかりの女性だと思われます。
(有給の付与は最低半年後からなので、会社によっては、入社時に有給はない。
それは不便なので、と、良い会社は入社時に付与してくれることもある。)
「え? なにそれ? そんなんなくてもやってきたけど」と言わず、いざというときに使えるようにメンテしておくとよいでしょう。
こういうの、だいたい、一番つらいのが、一番発言権のない、一番下の子になるからな……。
こういう制度を笑い飛ばさない会社は、きっと、女性エンジニアを大切にしてくれる、良い会社です。
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「便利だからこの制度で休んじゃって旅行に行こ(笑)」みたいな、使用者側にかなり悪意のあり、制度を悪用するようなケースは、「リモートワーク中にゲームし放題じゃん(笑)」と同じような、属人的な問題かな~と思います。私自身は、そういうケースは稀だと思っています。 ↩