本記事のカバー範囲
- Tosca Cloud
- Business Flow機能によるシナリオベースのテスト作成
背景
Tosca Cloudでテストを作成していると、以下のような状態になりがちです。
- テストケースが画面単位でバラバラに増える
- どのケースが「重要な業務フロー」をカバーしているか見えない
- 仕様変更時に複数ケースを個別修正して保守工数が重い
Business flowは、この問題を「業務フローを先に定義し、そこからテストケースを自動生成する」形で解決しやすくします。
Business flowがテストに効く理由
Business flowの価値は、単なる作成効率化だけではありません。
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業務とテストの会話が揃う
業務側は「会員登録→本人確認→契約完了」のように会話します。Business flowはこのような粒度で可視化できるので、要件レビューがしやすくなります。 -
リリース判断に直結させやすい
「売上に直結するハッピーパス」「障害時の代替フロー」など、優先度の高い経路をPathとして明示できます。 -
保守コストを下げやすい
ActivityはReusable test stepに紐づくため、共通処理を一箇所で更新できます。
逆にデメリットとしては
4. 事前にReusable test stepを作成する準備工数
5. (Test Caseの)可読性低下につながるリスク
この記事でやること
- Business flowを作る
- Activity(データあり / なし)を定義する
- Pathを作ってテストケースをPublishする
- 運用時の注意点(上書き、データ量、設計粒度)を押さえる
🛠️ 前提
- Tosca Cloudの
AdministratorまたはContributor権限がある - すでにTosca Cloudプロジェクトがある
- Activityに紐づけるReusable test stepを準備できる
- データ駆動にする場合はTDMのデータセット(必要ならSubsetも)を準備する
※TDMにかんしてはこちらも参照
Step 1: Business flowを作成する
Prepare > Business flows で Create business flow を選択します。
ベストプラクティスとして、最初は次を意識すると進めやすいです。
- 実業務のユーザージャーニーに沿って設計する
- ハッピーパスから始める
- 再利用しやすいActivity単位に分割する
- ステークホルダー(業務、QA、開発)レビューを早めに入れる
Step 2: Activityを定義する
Activityには2種類あります。
-
Add activity: テストデータを使うActivity -
Add activity without data: テストデータ不要のActivity
設計のポイント
- 画面単位ではなく「意味のある業務操作」単位で切る
- 各Activityには一意な名前と短い説明をつける
- StartからEndまでのつながりを矢印で定義する
- ループ(前のActivityへ戻る接続)はサポートされない
Activityに成果物をリンクする
Activity定義後に、次をリンクします。
- データありActivity:
Link dataでデータセットを紐づけ - 全Activity:
Link reusable test stepで再利用ステップを紐づけ - データありActivity: Business parameterごとに、どの列を使うか指定
補足として、データは後工程のPath作成時にSubsetを選べます。
この設計にしておくと、同じActivityでもPathごとに「通常顧客」「法人顧客」などを切り替えられます。

ここが実装の急所: パラメータマッピング
データありActivityで最も重要なのは、Business parameters の割り当てです。
Link reusable test step 画面で、各Business parameterに対してデータ列を選択します。
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Make->Make列 -
Mile->EnginePerformance列 -
Seats->NumberOfSeats列 -
VisitorType->visitor_type列
このマッピングが未設定だと、Pathを作れても実行時に想定値が流れません。
「Link dataしただけでは不十分」で、Business parameter x データ列 の対応付けまで完了して初めて動きます。
Step 3: Pathを定義する
Path modeをONにして、StartからEndまで連続した経路を作ります。
データありActivityでは、用途で選択肢が変わります。
- データセットの任意値で実行したい:
Any values - 特定条件のデータで実行したい:
Subsetsの対象を選択
Path作成後は保存し、左上のPathsペインで一覧確認できます。
見るべき指標
Pathsペインには、Path内で使う最小データソース行数が表示されます。
この値は「新鮮なデータで何回回せるか」の目安になるので、回帰頻度が高いPathは早めに監視すると安定運用につながります。
ActivityとPathを一つ設定しないと保存ボタンが機能しませんので
Business flowを作成する際には十分に準備し、時間に余裕をもって作成してください。
Step 4: Publishしてテストケース生成
Publish を実行すると、Pathごとに1つのテストケースが生成されます。
公式でも強く推奨されている通り、生成後のテストケースを直接編集する運用は避けるのが安全です。
理由は、Business flow側を変更して再Publishすると、既存の生成テストケースが上書きされ、手編集分が消えるためです。
調整が必要な場合は、Business flowかReusable test step側で修正します。
Publishを押下するとPathの名前と同じ名前のTest Caseが作成されます。
Sample: Path
Sample: Test Case
トラブルシュート
Pathが作れない
- StartからEndまで連続線になっているか確認
- Activity同士の矢印接続漏れを確認
期待件数のテストが出ない
- Path数とPublish結果(Pathごとに1ケース)を照合
- Subsetの行数不足、条件の絞りすぎを確認
保守が逆に重くなった
- Activity粒度が細かすぎないか見直す
- 共通処理はReusable test stepへ寄せる
業務シナリオ例(ECサイト)
例えばECで次の3本をPath化すると、業務価値に直結しやすいです。
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ハッピーパス
ログイン -> 商品検索 -> カート投入 -> 決済成功 -
高優先の例外系
ログイン -> カート投入 -> クーポン無効 -> 別決済へ切替 -
会員種別差分
同じActivity構成のまま、Subsetだけを一般会員と法人会員で分けてPath生成
この形にすると、「どの売上影響フローを守れているか」がテスト一覧から読み取りやすくなります。
まとめ
Business flowは、Tosca Cloudでテストを作るための機能というより、
業務フローを軸にテスト資産を管理するための設計レイヤーです。
最短で価値を出すなら、次の順が実践的です。
- ハッピーパスを1本作る
- 主要分岐をPathで増やす
- データ差分はSubsetで吸収する
- 生成ケースは直接編集せず、flow側で保守する
参考リンク(公式ドキュメント)
- Business flow overview
- Create business flows
- Define activities
- Define paths
本記事は 2026-02 時点の公開ドキュメントをもとに作成しています。




