気になっていたデータそれは、DiamondPrincess号のデータである。
さぞ、美しいデータが残っているかと思ったが、がっかりでした。
しかし、一応やれるのでフィッティングしてみました。
方法は先ほどの【SIRモデル入門】COVID-19データをフィッティングしてみる♬と同様に実施しています。
DiamondPrincess号のデータ
以下のように、治癒率は80%超えて、終息してきています。
死亡率も1.4%程度なので、世界の各国の現状と比較すれば、誇れる数字だと思います。
フィッティングの結果
ということで、前回のSIRモデルで早速フィッティングしてみました。
結果は以下のとおりになりました。
N=5*N0つまり感染者の5倍としています。
実際は、乗組員など3700人位だったと思いますが、この系も医療従事者などの追加の対象者が不明なのでざっくり推定して5倍にしました。
今回も、治癒者の曲線は捨てています。
同時に一致させようとすると全くフィッティング出来ません。
得られたパラメータは以下のとおりです。
各国の値と比較すると、大きな値になっています。
{\begin{align}
\beta &= 1.04e^{-4}\\
\gamma &= 1.49e^{-1}\\
N &= 3610\\
R0 &= 2.52\\
R(27.3.2020) &= 0.29\\
\end{align}
}
結果の評価
つまり、感染も治癒(実際には隔離)も素早く進んだことがうかがえます。
そうです!
感染しても、SIRモデルではその感染者が隔離されると他へ感染しなくなり、まさしくこの場合はremovedされたことになります。
したがって、今回も治癒者はこのremovedされた人々が別ルートで治癒するので、この方程式とは無関係に回復するということだと解釈しました。
このように考察すると、DiamondPrincess号のケースは特殊ですが、いい対策が取れたとも評価出来ると思います。
まとめ
・DiamondPrincess号のデータを表示した
・SIRモデルで感染数のフィッティングを実施した
・隔離の効果について議論した
・今回の議論を踏まえて各国の結果を評価する