こんにちは!株式会社ミリタンイの稲葉です。
前回は「Asanaのコメント欄とチャットツール、どうやって使い分ける?」というテーマで、コメントとチャットを何で切り分けるかについてお話ししました。
ただ、使い分けのルールをいくら決めても「そもそもコメントが使われない」という壁にぶつかる組織は少なくありません。書く場所のルール以前に、コメントという機能そのものが敬遠されているケースです。
今回はその一歩手前の話です。なぜコメントは使われずチャットに流れてしまうのか、そしてコメントをちゃんと使えると何が変わるのかを掘り下げます。
なぜチャットに逃げてしまうのか
前回は「使い分けのルールがないこと」を曖昧さの原因に挙げました。ですが、ルールを決めてもコメントが使われない組織には、もう少し根の深い原因があります。
コメントに気づかない
Asanaのコメントは、タスクを開かないと目に入りません。通知設定が適切でなかったり、受信トレイを確認する習慣がなかったりすると、コメントが書かれていても気づかれないまま時間が経ってしまいます。
「コメントしたのに返事がない」という経験が続くと、「Asanaのコメントは反応が遅い」という印象がチーム内に定着し、自然とチャットが多用されます。
どこにコメントすればいいか迷う
タスクが複数のプロジェクトに紐づいていたり、親タスクとサブタスクが入り混じっていたりすると、「このコメントはどのタスクに書けばいいの?」という迷いが生まれます。
迷いが生じると、手軽に送れるチャットに流れるのは自然なことです。コメントの書き先が曖昧なまま運用していると、この迷いは解消されません。
チャットが組織の文化的主戦場になっている
Asana導入以前からSlackやTeamsが浸透している組織では、「連絡はチャット」という習慣が体に染みついています。前回も触れたとおり、これは意志ではなく習慣の問題です。新しい選択肢としてコメントができても、慣れた方に手が伸びてしまいます。
その結果、「Asanaはタスクの置き場、コミュニケーションはチャット」という役割分担が暗黙のうちに定着してしまうケースが多いです。
チャットでやり取りすると何を失うか
チャットでのやり取りが悪いわけではありません。問題は、タスクに関する重要な文脈がAsanaに残らないことです。
たとえば「この仕様はなぜこうなったのか」「このタスクの期日が延びた理由は何か」という経緯が、チャットの流れの中に埋もれてしまいます。後から確認しようとしても、チャット履歴を遡って探し出すのは大変です。
担当者が変わったとき、プロジェクトを振り返るとき、同じような業務が再び発生したとき、そのたびに「あのやり取りどこだっけ」という状態が繰り返されます。前回お伝えした使い分けのルールは、この文脈が散らばる状態を防ぐための設計でもあります。
コメントをちゃんと使うために意識すること
コメントが使われると、なぜこの判断になったか、どんなやり取りがあったかがタスクを開けばわかります。引き継ぎや振り返りのコストが下がり、AIが文脈を理解するうえでも効いてきます。ただ、この状態は放っておいて生まれるものではありません。チャットに流れがちな習慣を、意識して変えていく必要があります。
まずは意識してコメントを使う
チャットの習慣はすぐには変わりません。だからこそ、最初は意識的にコメントを使うことが大切です。
ポイントは、チャットで連絡したとしても、タスクに関わる内容なら同じことをコメントにも残すことです。一見すると二度手間で、最初は非効率に感じるかもしれません。ですが、このひと手間を続けるうちに、コメントが情報の第一の置き場として定着していきます。慣れてくると、チャットを経由せず最初からコメントに書くほうが早いと感じるようになります。
後から読んでわかるコメントを書く
コメントは、書けばいいというものではありません。半年後に読んだ人が経緯を追える粒度で書くことが大切です。
おすすめは、結論から書いて、その後に理由と次のアクションを添える書き方です。「OKです」の一言だけでは、なぜOKなのかという肝心の文脈が残りません。「この案で進めます。理由はコストが想定内に収まるため。次は〇〇さんが見積もりを依頼します」まで書いておくと、コメントがそのまま記録として機能します。
宛先は@メンションで明確にします。誰に向けた連絡かがはっきりするだけで、読み手の「これ自分に関係ある?」という迷いがなくなります。
通知でちゃんと気づける状態にしておく
どれだけコメントを書いても、気づかれなければ意味がありません。担当・フォロー対象のタスクが受信トレイに通知される設定と、受信トレイ・マイタスクを毎日確認する習慣の2つは最低限揃えてください。
通知設計と使い分けの具体的な運用は前回の記事で詳しく書いたので、あわせて読んでいただけるとより整理しやすいはずです。気づかれないコメントをなくすことが、コメント文化の土台になります。
まとめ
- ルールを決めてもコメントが使われない原因は「気づかない」「迷う」「文化」の3つが重なっている
- チャットで完結すると、タスクに文脈が残らず後々のコストになる
- 後から読んでわかる書き方と、気づける通知設計がコメント定着の土台
前回の「使い分けのルール」に、今回のTipsを重ねると、よりAsanaが活用できるようになります。
株式会社ミリタンイは、日本初のAsana Services Partnerに認定されたAsana活用のプロフェッショナルです。
導入設計から定着支援・運用改善まで、業務改善を一貫して支援しています。
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