概要
応用情報技術者試験ではIT業務に関連する法律が頻繁に出題されます。そこで、代表的な法律とその概要をまとめてみました。
制定年の昇順に並べています。
目次
著作権法
創作性のある著作物を保護する法律です。IT分野ではプログラムなどが対象になります。
ポイント
保護対象となるもの
- コンパイラのプログラム:創作性のあるコードは著作物として保護される
保護対象外のもの
- アルゴリズム:アイデアに該当し、著作権の対象外
- プログラム言語:記号や体系であり、保護対象外
- プロトコル:通信手順であり、著作権ではなく標準仕様として扱われる
制定年
1970年
法令番号
昭和45年法律第48号
特定商取引法
訪問販売や通信販売など、消費者トラブルが起きやすい取引形態に対して、事業者の義務や禁止行為を定めた法律です。
ポイント
- クーリングオフ制度の導入
- 誇大広告や不実告知の禁止
- 通信販売では返品条件の明示が義務
制定年
1976年
法令番号
昭和51年法律第57号
労働者派遣法
派遣労働者の権利保護と派遣事業の適正運営を目的とした法律です。
ポイント
- 派遣期間の制限:同一の組織単位での派遣は原則3年まで
- 事前選考の禁止:派遣先が履歴書提出や面接を行うことは原則禁止(特定行為)
- 差別的要請の禁止:年齢・性別などを指定して派遣を求めることは禁止
- 苦情処理の責任:派遣先も苦情対応に責任を持ち、派遣元と連携して対応する必要がある
制定年
1985年
法令番号
昭和60年法律第88号
不正アクセス禁止法
他人のID・パスワードを不正に使用してシステムにアクセスする行為などを禁止する法律です。
ポイント
- 不正アクセス行為(認証突破など)を禁止
- ID・パスワードの不正取得・提供も違法
- 違反者には刑事罰が科される
制定年
1999年
法令番号
平成11年法律第128号
プロバイダ責任制限法
インターネット上の違法・有害情報に関して、プロバイダ(通信事業者)の責任を制限しつつ、被害者救済の手続きを定めた法律です。
ポイント
- 通信の秘密を守りつつ、削除要請や発信者情報開示請求が可能
- プロバイダは一定条件下で情報削除や開示ができる
- 表現の自由と被害者救済のバランスを取る
制定年
2001年
法令番号
平成13年法律第137号
特定電子メール法
迷惑メール(スパム)対策のため、電子メールの送信に関するルールを定めた法律です。
ポイント
- 原則として「オプトイン方式」(事前同意が必要)
- 表示義務(送信者情報、配信停止方法など)
- 違反者には行政指導や罰則
制定年
2002年
法令番号
平成14年法律第26号
個人情報保護法
個人情報の適正な取り扱いを確保するための法律です。企業や団体が個人情報を収集・利用・提供する際のルールを定めています。
ポイント
- 「個人情報」とは、氏名・住所・電話番号など個人を識別できる情報
- 利用目的の明示、適正な取得、第三者提供の制限などが義務
- 個人情報保護委員会が監督機関
制定年
2003年
法令番号
平成15年法律第57号
デジタル社会形成基本法
デジタル技術を活用した社会の形成を目指す基本法です。2021年に施行され、デジタル庁の設置なども内容に含んでいます。
ポイント
- 国民の利便性向上と行政の効率化が目的。
- デジタル原則(デジタルファースト、ワンスオンリーなど)を推進。
- 官民連携によるデジタル化の加速。
制定年
2021年
法令番号
令和3年法律第37号
