概要
応用情報技術者試験にでてくる〇〇エンジニアリングという名前のワードを纏めました。
エンジニアリングは「工学」という意味です。
目次
- インダストリアルエンジニアリング
- コンカレントエンジニアリング
- ソーシャルエンジニアリング
- バリューエンジニアリング
- フォワードエンジニアリング
- リエンジニアリング
- リバースエンジニアリング
- リバース・ソーシャル・エンジニアリング
インダストリアルエンジニアリング
インダストリアル (industrial) は「産業の」という意味。
業務改善を行う技術のひとつで、工程管理技術のひとつ。
工程や作業内容を分析し、より良い生産管理方法を追求する手法。
「IE」と略されたりもする。
有名なトヨタ生産方式も、考え方の根幹にインダストリアルエンジニアリングがある。
※トヨタ式IEと呼ばれている。
コンカレントエンジニアリング
コンカレント (concurrent) は、「同時」という意味。
造業の製品開発工程で、複数の業務を同時進行させ、開発を効率化したり、開発期間を短縮を図る手法。
少し古いが、ボーイング社のB777の共同開発が有名な成功事例。
ソーシャルエンジニアリング
ソーシャル (social) は「社会の」という意味。
人間の心理的な隙や行動ミスにつけ込み、幸神情報をを入手する犯罪のこと。
手口の例としては以下がある。
- ショルダーハッキング (のぞき見)
- トラッシング (ゴミ箱漁り)
トラッシュ (trash) は「ゴミ」のこと - スピアフィッシング攻撃 (特定の相手に狙いを定めてメールなどを送り攻撃する)
後述するリバース・ソーシャル・エンジニアリングもソーシャルエンジニアリングの一つにはいる。
スピアフィッシング攻撃の事例だが、2015年に、日本年金機構に学術機関の職員を装ったメールに添付されていた、ウィルスつきの文書ファイルが原因で、基礎年金番号や氏名の約125万件が流出する事件があった。
バリューエンジニアリング
製品やサービスを「コスト」と「機能」の観点から見直し改善することによって価値を高めていく手法。
日本語で「価値工学」と言われる。
一例として、道路で使用されている信号機は従来は電球を使用していたが、これをLEDに変更したのがバリューエンジニアリングといえる。LEDを使用することで電気代を約85%削減できたほか、電球の6~8倍の寿命のおかげで定期メンテナンス時の交換頻度も激減した。またLEDの光の特性で西日の影響も受けにくくなり、視認性が向上し交通安全への貢献もあった。
フォワードエンジニアリング
システムの開発手法のひとつ。
リバースエンジニアリングによって解析された仕様をもとに、新しいシステムの開発を行うこと。
リエンジニアリング
「ビジネスプロセス・リエンジニアリング (BPR) 」ともいわれる。
コスト削減やパフォーマンスの向上等を目標に、企業のビジネスルールを見直し、新たなルールを再構築すること。
1993年、不況に苦しんでいたアメリカ企業の経営の立て直しをはかるため、マサチューセッツ工科大学の教授である「マイケル・ハマー」と経営コンサルタントの「ジェイムス・チャンピー」が「リエンジニアリング革命」を刊行したことで普及した。
応用情報技術者試験によく出題されるシックス・シグマやERP、RPAやBPOもリエンジニアリングの手法。
参考
リバースエンジニアリング
製品を分解したり、動作を観察、解析するなどして、製品の構造を分析して、その製品の製造方法や仕様、ソースコードなどを調査すること。
「逆アセンブル」や「逆コンパイル」もリバースエンジニアリングに入る。
ほかにも、自動車の部品開発にもよく使用される。例えばテスラやフォルクスワーゲンは他社の電気自動車の部品を逆解析し、独自の電気自動車の基盤を開発した。
リバース・ソーシャル・エンジニアリング
ターゲットから攻撃者に行動を促し、攻撃者とコンタクトをとった際にターゲットから情報を盗む手法。
例えば、メールでパスワードの更新通知をアナウンスし、ターゲットが主体的に連絡を行うよう仕向けるようなことが当てはまる。