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(社内勉強会)第1回AIハッカソンを裏側から振り返る

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Last updated at Posted at 2026-05-07

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裏方目線ではない、公式のレポートは、こちら

「勢いでやるもんやで」から始まった、AI活用推進の一日

2026年4月10日、弊社マイスター・ギルド社内初の試みとして「第1回AIハッカソン」を開催しました。

テーマは「業務効率化」。開発部・営業部のメンバーが参加し、AIを活用しながら、1日でアイデアを形にし、最後は各チームでプレゼン・デモまで行うイベントです。

目的は、「AIを使用した開発で最後まで作り切ることを経験する」こと。単にAIツールを触ってみるのではなく、企画済みのアイデアをもとに、設計・実装・単体テスト・結合テストまでを1日で駆け抜ける、かなり実践寄りの内容でした。

初開催、全員参加、1日開催、AI活用必須。さらに、推進する立場になった自分自身もハッカソンは未経験。冷静に並べると、不安材料は十分にありました。

それでも前に進められたのは、経験者の知見と、協力してくれるメンバーの存在があったからです。

特に背中を押してくれたのが、ハッカソン経験者からの一言でした。

ハッカソンは、勢いでやるもんやで。

この言葉のおかげで、「完璧に準備してから始める」のではなく、「必要な準備をしたうえで、まずやってみる」という腹が決まりました。


企画のきっかけ:AI活用を社内の共通体験にしたかった

今回の企画の出発点には、社内で始まりつつあったAI活用を、個人の取り組みで終わらせず、組織全体の実践知として広げたいという思いがありました。

 すでに日々の業務や開発の中でAIを活用していますが、ツールの使い方や活用の深さには個人差もありました。
 そこで、実際に手を動かしながら学べる場をつくり、チームでAIを使って形にする経験を共通体験にしたいと考えました。


未経験だからこそ、経験者に頼った

企画を進める中で最初にぶつかった不安は、私自身がハッカソンを経験したことがなかったことです。

言葉としての「ハッカソン」は知っていても、社内イベントとして企画し、段取りを決め、当日の進行まで考えるとなると、急に具体的な難しさが見えてきます。

時間配分はどうするのか。チームはどう組むのか。アイデアは当日出すのか、事前に集めるのか。最後に発表できる状態まで本当に持っていけるのか。

そこで、ハッカソン経験者にヒアリングを行いました。このヒアリングにはかなり助けられました。特に、初期スケジュールや当日の進め方を考えるうえで、経験者の知見が土台になりました。

前日のSlackには、こんな投稿もしました。

明日のハッカソンはMG初、私自身も初の試みなので、運営を完璧にできるわけがない、と、自分に言い聞かせて、勢いでやる。

今読み返してもかなり正直ですが、この空気を受け止め、協力してくれるメンバーがいたからこそ、初めての取り組みを前に進められたのだと思います。


1日開催に向けた準備:アイデアと環境を事前に整える

今回のハッカソンは1日開催でした。

初期スケジュールは、ハッカソン経験者からもらった案をもとに作成しました。最終的には、9:35に開会し、9:50からアイデアピッチ、10:10にチーム決め、10:40頃から開発開始。昼休憩を挟み、16:30に発表会、18:00にデモ展示という流れです。

文字にするとスムーズですが、実際にはかなりタイトです。当日にアイデア出しから始めると、午前中が「何を作るか会議」で終わってしまう可能性がありました。

そこで、企画は事前実施済みとし、当日は設計・実装・テストに集中する形にしました。

事前アイデア募集には、想像以上に多くの案が集まりました。全部で13個。初回開催としては、かなりありがたい数です。アイデアを出してくれたメンバーの前向きさがあったからこそ、当日のスタートをスムーズに切ることができました。

また、AIを初めて扱う人へのアプローチも大きな準備ポイントでした。今回はエンジニアだけでなく、非エンジニア、営業担当、デザイナーも参加します。

Claude Code、ChatGPT、Claude Web版をどう使ってもらうか。WSL環境をどう準備してもらうか。GitHubやSlackのチーム別環境をどう運用するか。

特にClaude Codeは、AI開発初心者にも扱いやすいように、VS Codeのプラグインを利用する形にしました。

参加者ごとにスタート地点は違います。だからこそ、運営側としては「全員が同じスキルを持つこと」ではなく、「それぞれがAIを使いながら、チームとして前に進めること」を重視しました。

20260410_004308819_iOS.jpg


当日印象に残ったこと:チームでどう進めるか

当日、印象に残っている場面の一つが、チーム編成後の様子です。

アイデアに共感したメンバーが集まり、チームができる。ここまでは勢いがあります。
しかし、チームができた瞬間に次の問いが出てきます。

で、誰が何をやる?

ここで各チームが悩んでいたのが印象的でした。

エンジニアだけのチームであれば、開発タスクで分担しやすいかもしれません。しかし今回は、営業担当やデザイナーも参加しています。誰がユーザー課題を整理するのか、誰が画面イメージを作るのか、誰がAIに設計を相談するのか、誰が実装を進めるのか、誰が発表ストーリーを組み立てるのか。

AIを使うことで、非エンジニアも開発プロセスに入りやすくなります。一方で、AIをどうチーム全体の力に変えるかは、各チームがその場で考える必要がありました。

AIがあるからといって、チーム開発の段取りが不要になるわけではありません。むしろ、AIをどう役割分担に組み込むか、誰がAIに何を依頼するか、AIの出力を誰が判断するかが重要になります。

各チームが悩みながらも役割を決め、限られた時間の中で形にしようとしていたことが、今回のハッカソンを成立させてくれました。


見せられるところまでは持っていく

今回のハッカソンでは、完璧な完成度よりも「見せられるところまで持っていく」ことを重視しました。

1日という限られた時間の中で、企画済みのアイデアをもとに設計し、実装し、最後に発表する。これを成立させるためには、最初から完成度を追いすぎないことが大切です。

一方で、単なるアイデア発表で終わってしまうと、ハッカソンとしての実感は薄くなります。

だからこそ、今回は「完成品」ではなく「見せられる成果」を目指しました。

ローカル環境で動けばよい。すべての機能が完成していなくてもよい。
でも、課題設定とアプローチ、AI活用の工夫、実際に触れる画面や動作が伝わるところまでは持っていく。

このラインがあったことで、参加者は挑戦しやすくなりつつ、最後の発表に向けてチームで成果をまとめることができたのだと思います。

また、小さな演出として、進行用のカウントダウンタイマーも作りました。大きな仕掛けではありませんが、残り時間が見えることで会場にほどよい緊張感が生まれ、発表に向けた空気づくりにも少し役立ちました。

20260410_072955574_iOS.jpg


ハッカソン後に起きた変化

イベント当日に盛り上がることはもちろん大事です。
しかし、それだけで終わってしまうと、単発の社内イベントになってしまいます。

ハッカソン後は、個人開発の共有や、AIを使った実装・検証の相談が以前より見られるようになりました。

イベント単体の盛り上がりだけでなく、社内のAI活用のきっかけを増やせたことは、会社としても意味のある成果だったと思います。

AI活用は、研修資料を読むだけではなかなか定着しません。実際に使ってみて、詰まって、相談して、動いて、発表する。その体験があると、次に日常業務でAIを使うハードルが下がります。

「あのとき使えたから、今回も使ってみよう」
「この作業、AIに相談できるかもしれない」
「ちょっと個人で作ってみよう」

そうした小さな変化が増えていくことが、今回のハッカソンの本当の成果なのだと思います。


次回に向けて

初回としては、多くの学びがありました。

ハッカソンは未経験でも推進できる。
ただし、事前準備はかなり重要。
1日開催なら、アイデア募集は事前にしておいた方がよい。
非エンジニアも参加するなら、環境構築やサポート体制は厚めにした方がよい。
そして、運営は完璧でなくても、勢いが大事。

これらは、経験者のアドバイス、事前にアイデアを出してくれたメンバー、当日チームで試行錯誤してくれた参加者、環境構築や進行を支えてくれたメンバーがいて得られた学びです。

次回に向けては、進行の見せ方も少し工夫できそうです。大きな演出を入れるというより、参加者が今どのフェーズにいるのか、あとどれくらい時間があるのか、次に何が起きるのかが分かりやすくなるだけでも、イベントとしての体験は良くなります。

次回は、単に「作る場」ではなく、「参加しやすく、振り返ったときに印象に残る場」にしていきたいです。


おわりに:AI活用は、イベントから日常へ

第1回AIハッカソンは、会社としても新しい挑戦であり、推進に関わった自分にとっても大きな経験でした。

AIの活用がまだ十分に進んでいないという課題感から始まり、経験者の「勢いでやるもんやで」という言葉に背中を押され、事前に13個のアイデアが集まり、当日はチームごとに悩みながら形にしていく。

その過程そのものが、社内にとって大きな経験になりました。

初回ならではの改善点はありましたが、AIを使って短期間で形にし、発表まで持っていく経験は確かに生まれました。

そしてその後、個人開発が増え、開発へのAI利用も広がり始めています。

今回の取り組みは、経験者の助言、アイデアを出してくれたメンバー、当日手を動かしてくれた参加者、運営を支えてくれた方々の協力があって成立しました。

最後に、今回のハッカソンを一言でまとめるなら、こうです。

完璧ではなかった。
でも、勢いはあった。
そして、その勢いはちゃんと次につながった。

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