Pythonで全銀フォーマット（固定長形式）の振込データファイルを作成する方法

はじめに

GMOあおぞらネット銀行をはじめ、法人向けの総合振込では**全銀協フォーマット（固定長形式）**のファイルを用意する必要があります。

この形式は非常に厳密で、**1レコードあたり120バイト（半角文字）**に固定され、レコードの種別に応じて内容が決まっています。

本記事では、Pythonでこの全銀ファイル（固定長）を自動生成する方法を紹介します。

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ファイル構成（全銀フォーマット）

全銀フォーマットの構成は以下の通りです。

ヘッダレコード       1行
データレコード       最大9999行
トレーラレコード     1行
エンドレコード       1行

各行は半角文字で120文字固定でなければなりません。

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サンプルデータ（振込先情報）

まずはPythonで取り扱う辞書型のデータ例です。

transfer_data = [
    {
        "bank_code": "0005",               # 銀行コード（例：三菱UFJ）
        "branch_code": "123",              # 支店コード
        "account_type": "1",               # 預金種目（1:普通、2:当座）
        "account_number": "1234567",       # 口座番号
        "recipient_name": "YAMADATAROU",   # 受取人名（半角英字）
        "amount": 150000,                  # 振込金額
        "identifier": "",                  # 顧客コード
        "edi_info": "",                    # EDI情報（未使用なら空）
        "flag": " "                        # 'Y'=EDI情報, ' '=顧客コード
    },
    # 他のデータを必要に応じて追加
]

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ヘッダレコード生成

def create_header_record():
    return (
        "1" +                              # データ区分
        "21" +                             # 種別コード
        "0" +                              # コード区分（0:JIS）
        " " * 10 +                         # 委託者コード（任意）
        "KAISHA TAROU".ljust(40) +         # 振込依頼人名
        "0706" +                           # 振込実施日（MMDD）
        "0310" +                           # 仕向銀行番号（GMO青空固定）
        " " * 15 +                         # 銀行名（任意）
        "123" +                            # 支店番号
        " " * 15 +                         # 支店名（任意）
        "1" +                              # 預金種目（1:普通）
        "1234567".zfill(7) +               # 口座番号（7桁）
        " " * 17                           # ダミー
    )

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データレコード生成

def create_data_record(entry):
    return (
        "2" +
        entry["bank_code"].zfill(4) +
        " " * 15 +
        entry["branch_code"].zfill(3) +
        " " * 15 +
        " " * 4 +                                 # 統一手形交換所番号
        entry["account_type"] +
        entry["account_number"].zfill(7) +
        entry["recipient_name"].ljust(30) +
        str(entry["amount"]).zfill(10) +
        "0" +                                     # 新規コード
        entry["identifier"].ljust(10) +
        " " * 10 +
        "7" +                                     # 振込指定区分
        entry["flag"] +
        " " * 7
    )

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トレーラ／エンドレコード生成

def create_trailer_record(total_count, total_amount):
    return (
        "8" +
        str(total_count).zfill(6) +
        str(total_amount).zfill(12) +
        " " * 101
    )

def create_end_record():
    return "9" + " " * 119

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ファイル出力関数（Shift-JISで保存）

def write_zengin_file(data, filename="zengin.txt"):
    with open(filename, "w", encoding="shift_jis") as f:
        f.write(create_header_record() + "\n")
        total_amount = 0
        for entry in data:
            f.write(create_data_record(entry) + "\n")
            total_amount += entry["amount"]
        f.write(create_trailer_record(len(data), total_amount) + "\n")
        f.write(create_end_record() + "\n")

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実行例

if __name__ == "__main__":
    write_zengin_file(transfer_data)

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注意点（アップロード時エラー対策）

• ファイルはShift-JISで保存する必要あり（UTF-8不可）
• 全角文字は使用不可。半角英数字と一部記号のみ使用可能
• 1行120文字（バイト）でなければならない
• 口座番号は7桁にゼロ埋め
• 半角スペースで桁埋めを適切に行う

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まとめ

• 全銀固定長ファイルはフォーマットが厳密だが、Pythonで自動化可能
• 企業システムと銀行の連携をスムーズにするのに有効
• 「固定長」「桁数」「Shift-JIS」を守ることが成功の鍵

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今後の拡張（予定）

• 全銀CSV形式対応
• ファイルの検証ツール
• Excelベースのデータ入力からファイル生成するツール化

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参考資料

• GMOあおぞらネット銀行「総合振込 アップロードファイル作成ガイド Ver 1.0.7」
• 全国銀行協会 全銀EDIシステム仕様