New Relic Workflow Automation(Alert Trigger)をスムーズに立ち上げるための設定手順を解説します。データ型の確認方法から最小構成でのテスト手法、バージョン同期ズレの回避策まで、現場で役立つ実践的なポイントをまとめました。
1. はじめに
前回の記事では、New RelicのWorkflow Automationにおける各種トリガーの概要についてまとめました。
今回は、実運用で最もよく使う「Alert Trigger(アラートトリガー)」を実際に構築する際の実践的な手順を解説します。
Workflow Automation を初めて触ったとき、特に戸惑いやすいのが 「Startステップの引数におけるデータ型の指定」 です。普段 New Relic で NRQL を書く際はデータ型をそれほど意識しないため、Workflow Automation で型を明示的に設定する必要があると知ったとき、手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そういった New Relic ユーザーがハマりやすいポイントを整理し、正しい設定順序とテスト実行時の注意点を現場目線で解説します。
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2. スムーズに開発するための「正しい設定順序」
いきなり Workflow Automation の画面を開いて作り始めたくなりますが、焦らず以下の順序で進めることが、結果的に最短ルートになります。
Step 1:【事前準備】アラート設定とIssueの発生
Workflowを作る前に、まずはトリガーの元となるNew Relic Alerts(Policy / Condition)を設定します。
設定が完了したら、意図的にアラート(Issue)を1回発生させてください。 手動操作やテスト負荷の投入など、方法は何でも構いません。
なぜ最初に発生させるの?
実際に New Relic から送出される Issue データの構造がない状態では、この後のステップで指定すべき正確なデータ型が確認できず、作業が行き詰まりやすいからです。
Step 2:変数の定義とデータ型の確認
アラートが発生したら、New Relicの「Workflow」設定を開き、「+ Add a workflow」で新しい Workflow を作成します。Notify の設定で Add channel から Email 等を選択します。Email subject や Custom Details 等の設定項目に {{ を入力すると利用できるワークフロー変数が一覧表示され、それぞれの変数ごとにデータ型が確認可能です。
後続のアクションへ渡したい値(例:issueId、accountId、state など)をピックアップし、それぞれの データ型(string / number / boolean / list など) をリストアップします。
ここに注意!
「IDなんだから number(数値型)だろう」と思ってパッと見で決めつけるのは危険です。見た目は数字でもデータ型は list(リスト型) というケースが実際に存在します。必ずデータ型を確認してください。
Step 3:Workflow Automationでの引数(Inputs)定義
ここでようやくWorkflow Automationの作成画面に移ります。
トリガーに「Alert」を選択し、Start ステップの引数(Inputs)を設定します。このとき、Step 2で確認したデータ型と 一致させる ことが重要です。
3. テスト実行時のポイントと注意点
引数を定義したらテスト実行を行いますが、ここで開発効率を上げるコツと、見落としやすいUIの挙動について解説します。
①【開発のコツ】初期は「Start」と「ログ出力」のみの最小構成でテストする
最初から「Slack通知」や「チケット起票」などの後続アクションをすべて組み込んで作り始めることは避けてください。エラー発生時に原因箇所の特定が困難になります。
初期段階では、「Start」と「Log(ログ出力)」アクションのみの最小構成 でワークフローを作成することを推奨します。
Start で受け取った引数をそのまま Log アクションで出力するように設定し、テスト実行します。
②【注意点】Notify 設定の「バージョン同期ズレ」に注意!
型のエラーを修正して Workflow を Save(保存)したら、いよいよアラートと紐付けてテストするフェーズです。ここに 見落としやすい挙動 が潜んでいます。
現象と原因
Workflow Automation は、Save ボタンを押すたびに新しいリビジョン(Version 1, Version 2, Version 3…)が内部に追加されます。一方、アラート側の Notify 設定画面を 別タブなどで開いたままにしていると、このリビジョンリストが自動更新されません。
結果
Workflow 側でいくら型を修正して保存しても、Notify設定側が古いリビジョンを参照したままになるため、「直したはずなのに同じエラーが出続ける」 という状況に陥ります。
どのバージョンで実行されたかは Workflow Automation の Run history から確認できます。
対策
Workflow を更新・保存した後は、Notify 設定画面を一度閉じてから開き直す(またはページをリロードする) ようにしてください。
画面を開き直すと最新のリビジョンがリストに反映されます。
テストを実行する前に、Notify 設定で最新バージョンが選択されていることを必ず確認する。
4. まとめ
New Relic の Workflow Automation(Alert Trigger)をスムーズに構築するための2つの鉄則をおさらいします。
| # | 鉄則 | 具体的なアクション |
|---|---|---|
| 1 | 急がば回れ | 本物のアラートを先に発生させてデータ型を確認し、Start +ログ出力 の最小構成でテストして型のエラーを確実に潰す |
| 2 | バージョン同期を疑え | 修正が反映されないときは、Notify 設定画面のリビジョンが古いままになっていないかを確認し、画面を開き直す |
この手順と注意点を意識するだけで、Workflow構築のデバッグにかかる時間を大幅に削減できます。ぜひ皆さんの環境でも試して、運用自動化を進めてみてください!
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