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LF Community Days in Osaka での FinOps 関連の発表と2025年振り返り

Last updated at Posted at 2025-12-14

Linux Foundation Japan Evangelist の小原(こばら)です。
2025年7月より Japan Evangelist の一員となり、日本国内における FinOps の普及促進やコミュニティの活性化の活動をしています。

この記事では、OpenChain Japan Advent Calendar 2025 の一連の記事に続いて、2025年10月に開催された「LF Japan Community Days in Osaka」における FinOps 関連の発表の概要と、2025年の振り返りを書きます。

LF Japan Community Days in Osaka 振り返り 〜 FinOps編

そもそもどういうイベント?

 このイベントは、Linux Foundation(略してLF)の Japan Evangelist が一堂に会し、各コミュニティのメンバーによる発表やコミュニティの枠を超えた交流を行う2日間の国内イベントで、2025年10月21日(火)・22日(水)に大阪で開催されました。
 「日本全体でコミュニティを盛り上げていきたいよね」という思いから、初開催の地として大阪が選ばれています。

プログラムや発表資料などはこちらに掲載されています。かなり広い分野がカバーされていることがおわかりいただけるかと!

DAY1:基調講演とパネルディスカッション

 初日は基調講演として各コミュニティの Evangelist による活動報告と、パネルディスカッションが行われました。

 FinOpsコミュニティによる基調講演では、「FinOpsと日本のなかまたち:ゆるく語る日本のFinOpsコミュニティの歩み」と題して、日本の FinOps コミュニティの活動の歩みを紹介しました。

 「FinOps」(フィンオプス)とは、Finance と DevOps と組み合わせた用語(かばん語)で、端的に言えば「クラウドとテクノロジーの価値を、コストの文脈で最大化するための枠組み」です。
(「クラウドのコスト削減のためのテクニック集」ではないです!)
 世界的には、Linux Foundation 傘下の FinOps Foundation が、そのフレームワークの整備と普及啓発につとめており、ここ数年で急速に注目が高まっています。

 この講演では、色々なコミュニティの方々にも分かりやすくお伝えして興味を持っていただくことを意図して、日本のFinOpsコミュニティの歴史や雰囲気をお伝えするようにしてみました。

 パネルディスカッションでは、特に「AIとの関わり」をテーマに、各コミュニティの Evangelist による意見交換が行われました。
 FinOps の分野では、「AI for FinOps」(AIを活用したFinOps)と「FinOps for AI」(AI活用におけるFinOps)がホットテーマとなっていることなどをお話しています。

DAY2:ブレイクアウトセッション

 2日目は複数のトラックに分かれて、各コミュニティのブレイクアウトセッションが行われました。
 FinOpsのコミュニティからは、以下の3つのセッションを行いました。

  1. 「今日からあなたも有識者」(平野航さん、松沢敏志さん)【資料1, 資料2
  2. 「振り返るFinOps:メルカリ3年の挑戦と学び」(Park Jinsooさん)【資料
  3. 「FinOpsチョークトーク(参加型ディスカッション):FinOpsツールは作る?それとも買う? 」(Park Jinsooさん)

 「このイベントで初めて FinOps を知りました」というかたでも参加しやすいようにと、FinOps そのものの解説とその事例の紹介をした後、参加者同士でワイワイとお話できるような構成にしてみましたが、他のコミュニティからも参加いただいたりと、盛り上がっていたように思います。

2025年を振り返ってみて

2025年を振り返ると、FinOps 界隈では大きく3つの動きがありました。

  1. 課金データの標準データ形式「FOCUS」(フォーカス)の拡充。 FinOps Foundation では、各クラウドベンダーで異なる課金データのデータ形式の標準化を進めています。2024年夏に標準「FOCUS」の初版が発表されましたが、2025年も引き続き改版が進んでおり、FOCUSに対応するクラウドプロバイダーやツールベンダーも増えてきました。
  2. 「クラウドとテクノロジーの FinOps」へ。 これまで FinOps Framework の適用対象はクラウドでしたが、新たに「スコープ」という概念が導入され、データセンターからSaaS、そして後述するAIも含めて幅広い分野まで適用対象になりました。
  3. 「FinOps と AI」というテーマへの注目の高まり。 AI投資はクラウド投資と比較してもより短期間で急成長したと言われており、AIのビジネス価値をコストの文脈でどのようにして最大化していくかというテーマは、2026年も注目のテーマになるでしょう。

 2025年夏には、FinOps Foundation の公式イベントの日本版「FinOps X Day Tokyo」がお台場にて開催され、日本における「FinOps元年」とも言われるなど、国内における FinOps への注目の高まりを感じました。
 FinOps Foundation Japan Chapter の立ち上げから1年、まだ産声を上げたばかりの小さなコミュニティですが、少しずつ歩み始めています。

 私個人としては、2026年も「縁の下の力持ち」的に、FinOps に興味関心のある皆さんが活躍できるように活動に取り組んでいきたいと思っています。

 2026年もみんな元気にワイワイと活動できますように!

FinOpsXDayTokyo.jpg

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