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はじめに

前回の記事では、Roo-Clineを使って自然言語指示だけでMCPサーバーを作成・デプロイする方法をご紹介しました。今回は、その続編として既存のMCPサーバーを設定し、さらにリファクタリングを行う方法をご紹介します。

実際のプロジェクトでは、新規開発だけでなく、既存のコードベースのメンテナンスやリファクタリングも重要な作業です。Roo-Clineは、このような作業もスムーズにサポートしてくれます。

実装の流れ

1. プロジェクトのクローンと初期設定

まず、既存のMCPサーバーをクローンします:

git clone https://github.com/sunwood-ai-labs/source-sage-mcp-server.git

Roo-Clineは、このコマンドの実行後、自動的に以下の作業を行いました:

  1. 依存関係のインストール(npm install
  2. TypeScriptのビルド
  3. MCP設定ファイルの生成

2. MCP設定ファイルの自動生成

Roo-Clineは、cline_mcp_settings.jsonを以下のように自動生成しました:

{
  "mcpServers": {
    "source-sage": {
      "command": "node",
      "args": ["C:/Users/makim/Documents/Cline/MCP/source-sage-mcp-server/build/index.js"],
      "disabled": false,
      "alwaysAllow": []
    }
  }
}

この設定により:

  • サーバーの実行コマンドとパスが適切に設定
  • セキュリティ設定が適切に構成
  • 自動実行の設定が最適化

3. コードのリファクタリング

次に、MCPサーバーのコードベースに対して以下のリファクタリングを実施しました:

モジュール構造の最適化

src/
├── types/         # 型定義の集約
├── utils/         # 共通ユーティリティ
├── services/      # ビジネスロジック
├── server/        # MCPサーバー実装
└── index.ts       # エントリーポイント

デフォルト設定の改善

// file-utils.ts
export const getDefaultIgnorePatterns = (): string[] => {
  return [
    '.git',
    'node_modules',
    'package-lock.json',  // 追加
    '__pycache__',
    '*.pyc',
    '.DS_Store',
    '.SourceSageAssets'
  ];
};

パス指定方式の改善

// 変更前: 相対パスでの指定
path: './your-project'

// 変更後: 絶対パスでの指定
path: 'C:/Users/your-name/path/to/your-project'

Roo-Clineの処理フロー解説

今回のタスクでは、Roo-Clineは以下のような流れで処理を実行しました:

  1. プロジェクト分析

    • リポジトリのクローンと構造解析
    • 必要な依存関係の特定
    • 最適化可能な箇所の特定
  2. 環境設定の自動化

    • 依存関係のインストール
    • ビルドプロセスの実行
    • 設定ファイルの生成
  3. コードリファクタリング

    • モジュール構造の最適化
    • 設定値の改善
    • パス指定方式の標準化
  4. 検証とテスト

    • 設定の整合性チェック
    • 機能テストの実行
    • エラーハンドリングの確認

リファクタリングの成果

リファクタリングにより、以下の改善が実現されました:

  1. コードの保守性向上

    • 責務の明確な分離
    • モジュール間の依存関係の整理
    • テストのしやすさの向上
  2. 使用性の改善

    • 絶対パスによる安定した動作
    • デフォルト除外設定の最適化
    • エラーハンドリングの強化
  3. 開発効率の向上

    • 設定ファイルの標準化
    • 実行環境の一貫性確保
    • トラブルシューティングの容易さ

まとめ

今回の事例では、Roo-Clineを使用することで、以下の作業を効率的に実行できることが確認できました:

  1. 既存MCPサーバーの設定自動化
  2. コードベースの自動リファクタリング
  3. デフォルト設定の最適化

特筆すべきは、これらの作業がすべて自然言語での指示だけで実現できた点です。Roo-Clineの自動化機能により、開発者はより本質的な開発作業に集中できるようになります。

参考リンク

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