クラウド環境でアプリ開発をすると、必ず名前が挙がる技術 Kubernetes(K8s)。
「よく聞くけど、結局なにをする技術なの?」という方に向けて、Kubernetes の仕組み・特徴・メリットデメリット・類似技術との違いについて調べたため、備忘として解説します。
1. 結論:Kubernetesとは?(一言でいうと)
Kubernetes は「コンテナを自動で管理し、アプリ運用を楽にするための仕組み」
スケーリング・復旧・デプロイを自動化し、大規模アプリの安定運用を支えます。
2. Kubernetes の特徴とできること
■ 2-1. コンテナをまとめて管理できる(オーケストレーション)
Docker でアプリをコンテナ化すると便利ですが、数が増えると運用が大変です。
- 何台動いているのか?
- コンテナが落ちたらどうする?
- アクセス増にどう対応する?
Kubernetes はこれらを 自動化 します。
■ 2-2. オートスケール(アクセス増加に自動対応)
Kubernetes は CPU 使用率などを監視し、負荷が増えればコンテナ数を増やします。
逆に負荷が下がれば必要数まで減らします。
人手で対応しなくても自動でスケーリングされるため、運用負荷が大きく下がります。
■ 2-3. 自動復旧(Self-healing)
アプリが落ちたとき、自動で再起動してくれる仕組みがあります。
「壊れても勝手に直るインフラ」
というイメージです。
■ 2-4. 無停止デプロイ(Rolling Update)
Kubernetes は、サービスを止めずにアプリを更新できます。
- 古いバージョン → 新しいバージョンへ段階的に切り替え
- 異常があれば自動でロールバック
安定運用に欠かせない機能です。
■ 2-5. クラウド・オンプレすべてで動く(マルチクラウド対応)
Kubernetes はどこでも動いて同じように使えます。
- AWS(EKS)
- GCP(GKE)
- Azure(AKS)
- オンプレ環境
- ローカル(minikube など)
環境依存しないため、エンジニアリングチーム全体の運用が統一できます。
3. Kubernetes を使うメリット・デメリット
■ メリット
- 運用の自動化で、手動作業が激減
- 高い可用性(障害に強い)
- 大規模アプリをスケールさせやすい
- マイクロサービス構成と相性抜群
- クラウド間の移行が容易になる
■ デメリット
- 学習コストが高い(概念が難しい)
- 監視・ネットワークなど周辺知識も必要
- 小規模アプリではオーバーエンジニアリングになることも
Kubernetes は 大規模運用にこそ真価を発揮する技術 です。
4. 類似サービス(Docker Swarm / ECS)との比較
Kubernetes とよく比較される技術をまとめると以下の通りです。
| 技術 | 主な役割 | 特徴 | Kubernetesとの違い |
|---|---|---|---|
| Docker Swarm | コンテナ管理 | シンプルで導入しやすい | 小規模向け。K8sほど高機能ではない |
| AWS ECS | AWS専用コンテナ管理 | 設定が簡単で初心者向け | AWS以外で使えない。K8sより自由度が低い |
| EKS / GKE / AKS | マネージドK8s | 運用負荷が少ない | Kubernetesの運用をクラウドが肩代わりしてくれる |
5. まとめ
- Kubernetes は コンテナ運用を自動化し、可用性とスケーラビリティを強化する基盤
- スケール、自動復旧、無停止デプロイが大きな強み
- 大規模アプリやマイクロサービス時代の標準技術
- ECS / Swarm などと比較しながら、用途に応じて選ぶのがポイント
Kubernetes 「大規模アプリ運用を劇的に効率化する強力なツール」 であることを押さえます。