ディレクター勉強会アドベントカレンダー3日目。
ネットに散らばるディレクターの体験談から学びに繋がりそうなポイントを見つけていきます。
CASE. 作成者不在のスパゲッティコード改修
制作スタッフが嫌がることの一つに「他社(他人)が作ったシステムの改修業務」があります。
作った本人が改修した方が効率は良いですから当然と言えば当然。
ただし、どうしようもない状況もありえます。
例えば...サイト構築した制作会社はすでに消えている...とか。
ある日ディレクターが「既存サイトに新機能を加える」という依頼を受け、詳細を会社に持ち帰ってエンジニアと中を見てみると...後付けされた機能が満載!負荷がものすごいことになっていたそうな。
例えるなら、プレハブ住宅に後から壁に穴をあけて、窓を無理やり作り、屋根に煙突と梯子を取り付けた、みたいな状態。しかも機能が複雑に絡みあっているため、使われていないシステムも落とせない..と。
制作スタッフからは“後付けは構わないが、さらに重くなる”、“動作確認にかなり時間取られると思うから、納期に間に合わせるのは100%無理。…っていうか、このシステムダメダメじゃない?”と大ブーイングの嵐。ディレクターはそっかー、そうだよね……と返事をしつつ、どうしたものかと考えあぐねてしまいました。
実は、クライアントからは「軽くしたい」という要望も一緒にもらっていたのです。
そこで考えたのが、現状システムに新機能を後付けするコストと理由に加えて、「システムをまるごと作り直す」という提案。特に現状では使っていない機能が多く、その反面、クライアントの要望に合致するサイトは非常にシンプルで、全取っかえした方が制作スタッフの負担も少なかったのです。
ということで、全取っかえの見積もりを後付けの見積もりより若干安く出したそうです。軽くなるし安い、ということでクライアントも納得、制作スタッフもご機嫌を直し、めでたしめでたし。ということでした。
話は以上です。
ここからディレクターの学びにつながるポイントをピックアップしてみます。
POINT. 常にクライアントの望みの本質を考え、それに合う提案をする
今回はクライアントの注文をそのまま実行には移しませんでしたが、代わりに「要望の本質に応える提案」ができたところがポイントです。言われた通りにやるケースもありますが、別の提案をした方が良いケースもあります。
クライアントの要望が不可能だったり間違ったりしている場合は、なるべく否定はせずに新しい提案で流れを変えることが望ましいですね。
POINT. ディレクターが売るのはサイト(成果物)じゃなくて「成果」
「今は使っていない機能が多い」という状況を踏まえると、依頼通りに改修するよりも新しく作った方が条件が良かったんですね。制作スタッフの意見もきちんと吸い上げつつ、社内の負担軽減にも成功しています。
POINT. 成果≒クライアントの満足
ディレクターのミッションは成果を上げることですが、それと等しくクライアントを満足させることも重要です。同じ提案をするにしても、どう提案するかで全くイメージが変わってしまうこともあります。
今回は当初の依頼である「現状システムに新機能を後付けする作業」と「システムをまるごと作り直す」見積もりを両方出し、きちんと理由とコストを説明してクライアントを納得させたところもポイントです。
常にクライアントの側に立っていると思ってもらうことがディレクターの役目....
常に制作スタッフの側に立っていると思ってもらうこともディレクターの役目....
つまりみんなをハッピーにする仕事ってことですね!
お読みいただきありがとうございました!