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Karabiner-ElementsAdvent Calendar 2023

Day 5

US配列超えなるか? MacでJIS配列の様々な弱点をできるだけ簡単に克服する方法

Last updated at Posted at 2023-12-05

はじめに

Mac の JIS 配列には、様々な弱点があります。

中でも、ごちゃつき感あふれるキー刻印と、合理性に欠けたキー配置は、多くの(特に US 配列の)ユーザーから疎まれています。

そこで、そういった JIS 配列の弱点を、できるだけ簡単に克服していこう、というのがこの記事の試みです。

さっそく参りましょう。

Q1. キー刻印が鬱陶しい

JIS 配列と US 配列を見比べたとき、最初に感じるのは、「印字の量が違う!」ですよね。

US 配列ではアルファベットの文字しか刻印されていない一方で、JIS 配列では「かな」の刻印がプラスされているため、「ごちゃついている」という印象を抱きがちです。

A1. 無刻印化しましょう

印字が鬱陶しいなら無刻印すればいいじゃない

ということで、FAR EAST GADGET さんの「ブラックアウトステッカー」を使って無刻印化しましょう。

IMG_4831 copy.png
私の愛用の MacBook Air。無刻印がミッドナイトに映えます。他人に Mac を見せたとき、US 配列には、気づく人しか気づきませんが、無刻印に気づかない人はいません。よりドヤれてハッピー。

ブラックアウトステッカーで無刻印化した Mac 内蔵キーボード JIS 配列は、US 配列のデフォルトの状態の美しさを遙かに凌ぎます(個人の感想です)。

無刻印化している人からすれば、US 配列の刻印のスッキリさなど、JIS 配列のごちゃごちゃ感とドングリの背比べがいいとこです。「刻印が鬱陶しい」と言うくらいなら、US 配列ユーザーの方もぜひ、無刻印化してみてください。

というか、このブラックアウトステッカー、「シールを貼るだけで ”美しく” 刻印を消せる」というメリットが、「シールを貼らなきゃいけない」というデメリットを軽く超えてくるヤバいシールなので、単純に、ラップトップの Mac になら配列を問わず激推しです。

ちなみに、「無刻印だと、キーがどれがどれなのか分からん」という人もご安心を。このシール、「無刻印でありながら、キーを識別できる」バージョンもあります(というかそっちが主流)。素晴らしい至れり尽くせり…

Q2. コマンド (⌘) キーが遠い

US 配列と比べて JIS 配列は、コマンド(⌘)キー が0.5キー分くらい遠いです。

頻用する機能ですから、近いに越したことはありません。

A2. Karabiner-Elements の 「英かな/⌘ for Japanese」 を使いましょう

Karabiner-Elements の公式サイトから「英かな/⌘ for Japanese」という設定をインポートし、有効化することで、「英数・かな」キーの長押しに⌘の機能を割り当てることができます。めちゃ近っ! US 配列より近くなりましたね。

この設定の素晴らしい点は、もともとデフォルトでは何の機能も割り当てられていなかった「英数・かな」キーの長押しのみに機能を割り当てているので、「依然として『英数・かな』キーの単押しでは『英数・かな』の機能は使えるまま」という点です。つまり、これまでできていたことが、できなくなったりはしません。

この設定「英かな/⌘ for Japanese」のインストール方法は、別記事に書きましたので、そちらもぜひ、ご参考ください。

Q3. Enter や Delete が遠い

US 配列と比べて JIS 配列は、Enter や Delete が、どちらも1キー分くらい遠いです。

頻用する機能ですから、近いに越したことはありません。

A3. Karabiner-Elements の 「Effective Utilization of Bottom Row」 を使いましょう

Karabiner-Elements の公式サイトから「Effective Utilization of Bottom Row」という設定をインポートし、有効化することで、左⌘単押しに Enter右⌘単押しに Delete を割り当てることができます。

この設定の素晴らしい点は、もともとデフォルトでは何の機能も割り当てられていなかった「⌘の単押し」のみに機能を割り当てているので、「依然として⌘キーの長押しで⌘の機能は使えるまま」という点です。つまり、これまでできていたことが、できなくなったりはしません(同じ設定に同梱されている Space バーの設定に関しては話が別)。

この設定「Effective Utilization of Bottom Row」のインストール方法は、別記事に書きましたので、そちらもぜひ、ご参考ください。

Q4. 記号の配置が非合理的

US 配列と比べて JIS 配列は、比較的、記号の配置が非合理的だと言われます。

カギ括弧は縦並びだし、クォーテーション( ' )とダブルクォーテーション( " )はバラバラだし…

A4. Karabiner-Elements の 「Advanced Keymap for JIS Keyboard: Project “UTILITY”」 を使いましょう

Karabiner-Elements の公式サイトから「Advanced Keymap for JIS Keyboard: Project “UTILITY”」という設定をインポートし、有効化することで、あらゆる記号を合理的な配置で、さらにカーソルキーや数字さえもホームポジション付近で打てるようになります。

UTILITY_JIS_crop.png

この設定は、Karabiner-Elements を使用することで、「HHKB Professional や REALFORCE R3 における Fn キー」に該当するような機能を、Mac の内蔵キーボードでも使えるようになることを利用しています。

この設定の素晴らしい点は、Fn1 と Fn2 という、2種類の Fn キーを使える上に、その機能を割り当てている「英数・かな」キーは、「依然として、単押しで『英数・かな』の機能は使えるまま」だということです(Karabiner-Elements では1つのキーに、長押しと単押しの両方の機能が割り当てられる)。

この設定「Advanced Keymap for JIS Keyboard: Project “UTILITY”」のインストール方法は、別記事に書きましたので、そちらもぜひ、ご参考ください。

Q5. 数字が [ 1 ] キーだけサイズ違うのアリエナイ

JIS 配列は、数字の中で[ 1 ]キーだけが幅広サイズ(他の数字の1.25倍の長さ)です。

なんて言うかもう「美しくない」ですよね。

A5. 無刻印化した上でさらに Karabiner-Elements でリマップしましょう

キーボードにおいて、[ 1 ]キーを[ 1 ]キーたらしめているのは、一体どのような要因でしょうか。

それは、「押すと[ 1 ]が入力できる」というソフトウェア的な要因と、「刻印が[ 1 ]である」というハードウェア的な要因の2つです。

であれば、その[ 1 ]キーから、この2つの要因を、剥奪してしまえばいいのです!

やり方は簡単。まず、「A1. 無刻印化しましょう」のときと同様に、ブラックアウトステッカーで[ 1 ]キーを無刻印化しましょう。

そして、Karabiner-Elements の「Simple Modifications」を使って、例えば数字行のキーを1つずつズラしてみましょう。

CleanShot 2023-12-06 at 01.39.31.png

数字キーの大きさが全て同じサイズになりました。

刻印が消え、機能すら奪われた時、もはやそのキーは[ 1 ]ではなくなります。これで解決(と個人的には思う)ですね!

ちなみに Mac 立ち上げ後の初回ログイン時には、Karabiner-Elements が起動していないので、元の配置に戻ってしまっています。

それでは困るので、この欠点を解消する方法も、現在模索中です。


以上で、JIS 配列にあるいくつかの弱点を克服できました。いかがでしたでしょうか。

正直、US 配列は超えられてない気がしますが、みなさまの Mac の JIS 配列 が少しでも使いやすくなりましたら幸いです。

おわりに

Karabiner-Elements アドベントカレンダー 2023 の5日目の記事はここまでとなります。

明日はお待ちかね、この記事にも出てきた、Advanced Keymap for JIS Keyboard: Project “UTILITY” の設定を、より詳しく解説していきます。お楽しみに!

この記事に書かれた内容の実行および設定の使用は、すべてご自身の判断で行ってください。
万が一、不具合や損害が生じた場合であっても、執筆者は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。

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