High Sierra 以降のMacOSではTime Machine サーバー機能が標準で提供されている。
これを使って他のMacのTime Machineによるバックアップ先として機能する事が出来る。
このバックアップの応用として、互いに相手をバックアップ先として運用出来たので手順を公開する。
背景
今回の事を思いついた背景は以下のとおり。
- バックアップを何らかの形で安価に分散化出来ないか。
- 今回はRAID等は以下の理由で行なわない。
- コントローラ等のSPoFの問題が過去のトラウマ
- バックアップを分散させる事でHDD関連の故障リスクを分散
- 個々のディスクはシングル構成にする事で簡易化と高速化
手順
用意するもの
- High Sierra 以降が動作しているMac
- バックアップ先としてHDDをそれぞれのMacに1台以上
ローカルでの準備
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ローカルのディスクを接続しそのディスクをウィルス対策ソフトでの対象から除外する。
→バックアップファイルをウィルス対策ソフトの対象にするとバックアップに時間がかかったりタイムアウトする場合がある為 -
各MacにてローカルディスクにTime Machineでバックアップ設定を行なう。
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ローカルの初回バックアップを行なう。
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対象ディスク内に Backups.backupdb というフォルダが出来ており、その中にホスト名のフォルダとその下に日付のフォルダが作成されている事を確認する。
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対象ディスクにBackups.backupdbとは別のフォルダを新規に作成し、そのフォルダをシステム環境設定 → 共有 で共有する。
- ファイル共有
- 共有フォルダ(+で選択画面が出るので該当のディスクを選択して追加)
- ユーザは任意で設定する。
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バックアップのサイズを制限したい場合はバックアップのサイズを制限にチェックを入れ、GB単位で指定する。
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OKを押す
リモートでの設定
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システム環境設定 → Time Machine を開く
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バックアップディスクを追加/削除 をクリックする。
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今迄1つだけのTime Machineを設定していた場合は「バックアップ作成に〜を使用するのを停止して、代わりに〜〜を使用しますか?それとも両方にバックアップを作成しますか」という表示が出るので両方を使用をクリックする。
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リモートでのアクセスで使うユーザとパスワードを指定する。
この設定を行う事でそのとき利用可能なディスクにバックアップされる。1台に集中するのではなく、指定されたディスクに順次バックアップされていく。
またバックアップを自動生成のオプションを外し手動で行う運用でも可能。
これを相互で行う事で互いに自分のローカルディスクと相手のリモートディスクの両方にバックアップが保存され分散して管理する事が出来る。
これによりもし片側のMacのバックアップ先ディスクが破損しても相手のディスクで2台共Time Machineで復旧する事が出来る。
また他のMacからのバックアップ先として今回設定した両方のMacを指定する事も可能。
注意点
- 初回バックアップの時にはウイルス対策ソフトによる保護を無効にする。特にESETではバックアップに大抵失敗する。
- 初回バックアップでは転送量も多く時間がかかる事から有線LANの使用をお勧めする。
- 2回目以降はバックアップサーバ側も無線LANでの運用も可能。
懸念点
容量が一杯になったときの制御を考えるとローカルのバックアップとリモートのバックアップとでパーティションを分けてそれぞれでバックアップした方がいいか?