はじめに
昨年に引き続き、今年もSpace ROSのアドベントカレンダーを実施します!
※ 昨年のアドベントカレンダーはコチラ ↓
TL;DR
- Space ROSとは?についてざっくり説明する。
- 基本的に、昨年の以下の記事の内容について更新がある部分にのみ言及する。
本文は執筆した2025年11月時点の情報です。
- 昨年からの変化
- Space ROSのコンセプト、目的は昨年から変更なし。
- ビルド手法を整備し、使いやすくなった。(Docker化もした。)
- デモの追加
Space ROSのコンセプト、目的
この部分は変わっていません。
(芯の部分なので簡単に変わってもらっちゃ困るわけですが。)
昨年の記事で、うまく一言でまとめられてます。
Space ROSとは、一言でいうと、
「ロボティクスのデファクトスタンダードであるROSを宇宙品質で宇宙にも持っていこう」
というプロジェクトになります。
様々なパッケージが存在し、使いやすくて広く使われているROSを、高信頼性が求められる宇宙の分野に適用したい、という思いで立ち上がったプロジェクトです。
Space ROSの機能
最終的に目指すべき機能は変わっていません。【概要#3】Space ROSとROS 2の違い に書かれている通りです。
Space ROSの開発状況
昨年時点ではいろいろと整備されていない状態でしたが、この1年間で少し整理されて、新たに実装されたものもあります。
この1年間は新規機能開発よりもbug fixや開発環境の整備が中心でした。
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RACS2 bridge demoの追加
- cFSとROSを繋ぐRACS2のデモが、Space ROSのデモのリストに追加されました。
- これについてはこのあとのアドベントカレンダー記事で詳しく触れます!
- Jazzy対応
- Docker化
- ビルド手順の更新
- ソースからビルドする場合、昨年時点ではREADMEに書かれている通りのインストール手順を実施してもビルドに失敗してしまう状態でしたが、現在は手順通りにやればたいてい成功します。
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ビルド時間の短縮
- 昨年時点ではビルドに2,3時間かかっていましたが、今は1時間以内に終わります。
Space ROSのリポジトリ構成
今回は、ピン留めされている4リポジトリのみ取り上げます。
space-ros
Space ROSの本体リポジトリです。
昨年はこちらの手順に従ってビルドしてもうまく行かないことの方が多かったのですが、今はたいていうまくいくようになっています。
以前、ビルドで引っかかって諦めてしまった人は、是非この機会に触って、中身がどうなっているか見てみてください!
demos
このリポジトリでは、Space ROSでやりたいことをデモンストレーションするアプリケーションを集約しています。
こちらはデモの種類が3つ増えました。
Canadarm
Mars rover
+ RACS2
+ ros trick
+ Nav2
RACS2については、アドベントカレンダーの以降の記事で詳しく解説するので、お楽しみに!
docker
space-rosリポジトリにある本体Space ROS上にアプリケーションを構築するためのDockerイメージテンプレートが配備されています。
こちらは、目立った更新は無いようです。
こちらのリポジトリを、将来的にどう育てていくのか、どう使っていくのかはよくわかりません。本体のspace-rosリポジトリを開発していく方が先かと思います。
docs
Space ROSドキュメントのソースが管理されているだけなので、Space ROSのメンバーでないならば見ることはあまり無いかと思います。
デモの追加など、昨年からいくつか変更があるので、それを反映してドキュメントもアップデートされています。
Mars roverデモ
こちらは投稿日に間に合いませんでしたm(_ _)m
後日、追記します!