初めに
生成AIを使っていて、こんな経験はありませんか?
- 難しい質問に対して的外れな答えが返ってきた
- もっともらしいけれど間違った情報(ハルシネーション)に悩まされた
- 処理速度や精度がモデルによってバラバラで、使い分けが面倒
でも、ここで多くの人がこう思います。
「名前は聞いたけど、具体的に何が変わったの?どうやって使い始めればいいの?」
そこで今日のゴール
「GPT-5の特徴と安全・効果的な使い始め方」を大まかに理解すること
- GPT-5の基本構造と従来モデルとの違い
- 強化された性能と特徴
- 利用前に知っておくべき注意点
これを押さえることで、日常利用から開発までGPT-5の実力を引き出せます。
GPT-5の基本構造と従来モデルとの違い
従来モデルの構成
これまでのOpenAIモデルは大きく2系統に分かれていました。
- GPTシリーズ:何か質問などしたら即回答してくれる(例:GPT-4、GPT-4.1)
- Oシリーズ:難しい質問などは思考過程を生成してから回答してくれる(例:O1、O3)
用途ごとにモデルを選び分ける必要がありました。
GPT-5の統合アーキテクチャ
GPT-5では、この2系統を1つのモデルに統合。
モデルを振り分ける機能が内部的には実装されているみたいで処理方式を自動選択します:
- 簡単な質問 → GPTシリーズ
- 複雑な問題 → Oシリーズ
これにより、ユーザーはモデルを切り替える必要がなくなり、応答が得られます。
更に全てユーザー(無料 / Plus / Pro / Team プラン)が使用できます。
強化された性能と特徴
1. ハルシネーション(もっともらしい嘘)が大幅減少
- GPT-5は、GPT-4oと比較して事実誤認が 20% なくなった
- GPT-5は、OpenAI o3と比べて 70% 事実誤認を減少している
2. お世辞や過剰な同意を減らし、実用的な回答を優先
GPT-4以前のお世辞や過剰な同意の例
- あなたの理解は完璧です!
- 素晴らしい質問です!とても重要なポイントを指摘されています。
GPT-5の的ハズレな質問への例
- ご質問の意図は理解しましたが、このケースでは〇〇の条件が抜けています。
正確に対応するためには、△△についても確認する必要があります。
補足いただければ、より具体的な回答が可能です。
GPT-5の一部正しいが不十分な質問への例
- 概ね正しい方向ですが、□□の部分に注意が必要です。
例えば〜〜のケースでは例外が発生するため、
その対策として◇◇を検討すると良いでしょう。
GPT-5では、質問の中身を正確に評価し、必要があれば補足や修正を行います。
3. 文脈に応じて有害/無害を判定し、安全な範囲で回答
GPT-5では、セーフコンプリーションと呼ばれる新しい安全性学習手法が導入されています。これまでのモデルは「危険と判断したら完全拒否」または「無害と判断したら全面回答」という二択でしたが、GPT-5は安全な範囲に限って部分的・概要レベルでの回答が可能になりました。
GPT-4以前の回答例
- 申し訳ありません。それはお手伝いできません。
4. コーディングの能力
GPT-5はコーディング面でも大幅に強化され、Codex CIに標準搭載されました。
これにより、ChatGPT有料版ユーザーは追加のAPI課金なしでCodex CIを利用できます。
Codex CIの特徴:
- ターミナルから直接呼び出し可能
- ファイル生成・編集・実行まで自動化
- 承認制のファイル作成で安全性を確保
利用例として、ミニゲーム開発プロンプトを投入すると、GPT-5が思考過程を経てコードを生成し、数分で動作可能なアプリを完成させます。
難易度や色の設定など細かいカスタマイズも可能で、フロントエンド開発からゲーム・アプリのプロトタイプ作成まで即戦力となります。
今後は、Claude Codeなど他の開発支援AIとの比較評価も進めることで、
最適な開発ワークフローが選べるようになります。
5. 料金とトークン
GPT-5は無料ユーザーも利用可能ですが、上位版としてGPT-5 Proも提供されています。
これは従来の「O3 Pro」に相当する位置づけで、月額200ドル以上のプロプランに加入すると利用可能です。
料金体系は以下のような特徴があります:
- 入力料金:従来モデルより約40%引き下げ
- 出力料金:思考過程生成のためやや上昇
トークン上限も大幅に拡張されており、
- 入力:最大 40万トークン(O3は20万、GPT-4.1は100万)
- 出力:最大 12万8000トークン(他モデルと比べても高水準)
これにより、長文コンテンツの生成や大規模コード出力、連続応答タスクなどにも余裕を持って対応できます。
利用前に知っておくべき注意点
GPT-5は強力なツールですが、あくまでも人間の作業補助で使用する事が大前提です。
全ての作業をGPT-5を任せた場合、作業を処理する又は理解する力が衰えていく可能性が有ります。
更にAIは一切使用禁止の職場の場合、困るのはあなた自身です。困らない為にも自分が担当している分野を継続して勉強していきましょう。
まとめ:GPT-5は「万能型の新基準」
GPT-5は、これまでのモデル選択の手間をなくし、
精度・速度・安全性を高次元で両立させた統合モデルです。
参考資料