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TriState via 秋月のパラメトリックスピーカーを拡張可能なスタック構造にした

Last updated at Posted at 2019-05-21

背景

超音波スピーカーを多数並べることで指向性の強いスピーカーを作れる。
位相を揃った超音波を出すため、触覚デバイスとしても利用できる。
TriState社は超音波スピーカーの電子工作キットを製造し、秋月電子通商社で販売している。
自力で半田付けする必要があるが、1万円台で手軽に入手できて大変有難い。

実験キットは制御基板とスピーカー基板の2つのユニットで構成されている。
スピーカー基盤は1枚につき超音波スピーカー素子が50個。
制御基板はスピーカー基盤を2枚まで接続でき、スピーカー100個まで制御できることになる。

「パラメトリック・スピーカー実験キット」は制御基板1枚とスピーカー基板1枚入り。
「パラメトリック・スピーカー増設キット」はスピーカー基盤と増設に必要な素子のセット。
実験キットを組み立てた状態では制御基板に増設用の空きが残り、増設キットに付属するコンデンサーとコイルを付け足すことで2枚=100スピーカーまで制御可能になる。

実際に使ってみると得られる触覚が力弱く、強い触覚を得るにはスピーカーを増やす必要がある。
実験キットを並べるだけでは、制御基板ごとに位相が異なるため増幅効果が得られない。
そのため、1枚の制御基板で3枚以上のスピーカー基盤を制御できるように改造する必要がある。

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仕様

公式資料によると、4枚=200スピーカーまで制御できるとのこと。
増設キットで増えるのは、スピーカー50個と、コンデンサー1個、コイル2個。
3枚増設時に増えるのは、スピーカー150個と、コンデンサー3個、コイル6個。

組み立て説明書の回路図を眺めてみると、増設キットで増えるコンデンサーは並列接続で増設、
コイルは担当するスピーカー基盤用とセットで並列接続で増設しているのが分かる。

全てが並列接続のため、コンデンサーとコイルを別基盤に実装して、制御基盤に差し込めるスタック方式にすれば、容易に増減できるようになる。

実装

制御基板

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  • C25・L1-2・L2-2の3ヶ所に、ピンソケット1×4を半田付け。
    • 各素子の端子間は2.45mmピッチで問題無いが、素子間の間隔が2.45mmピッチでは無いので、安定した3点を取るには、C25・L1-2・L2-2、C25の3ヶ所とC13・L1-1、L2-1の3ヶ所の2択になる。増結基盤のコンデンサー配置を考慮してC25組合せを使用。
    • C25は1×3で良い。力学的堅牢性のため4ピンにしたものの、使った増結基板が狭くて結局3ピンしか刺さってない。
  • OUTPUT1とOUTPUT2のプラスとマイナスをショートさせる。
    • 出力端子を増結基板に別途作るので、マイナスを増結基板に通すのにプラス側の基板配線を流用した。

増結基板

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物理配線図(裏側視点)
拡張基板.png

  • 基板は両面スルーホルユニバーサル基板 3cm×7cmを使用。結果的に片面の半田付けだけで済んでいる。
  • ピンソケットはスタック接続のためにリード長15mmのロングピンを使用。
    • コイルの背が高すぎて差込量が結構心細い。これに関しては別途対策中。
  • コンデンサーはC25から上がる12VとGNDに直結。極性注意。
  • コイルはL2-2とL1-2から上がる共通の信号線coil-inputに4つとも繋ぎ、反対側は2つペアで繋いで出力のoutput-plusとする。
    • コイルは極性が反転するように並べる。これは元の制御基板と同様、隣のコイル同士が弱め合わなくするための処置。
    • ただし、スタックする都合で上下も接近するが、異なる基板の同じ位置には同じ極性で合わせば弱めないので、増結基板間には差異は無い。
    • コイルとピンソケットがお互い邪魔になるが、コイルのピン位置にバラつきを期待して、上手い組合せを探すしかない。

とりあえず完成

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応用先

https://twitter.com/limgtw/status/1115498750372245510?s=21
LookingGlass × Aska3D × LeapMotion × ParametricSpeaker

付録

パーツリスト

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