軽い気持ちの一言で全冠達成
2025年1月、 今年初営業日に何気なく「(できたらよいね~~~、レベルで)今年の抱負として、AWS全冠達成したいです」。
周囲の「おお〜頑張って!」という声に引っ込みがつかなくなり、本当に今年の8月で12認定すべてを取得してしまったWebエンジニアの実録です。
この記事は、そんな軽い宣言から始まった私の全冠達成までの奮闘記です。
同じような立場の方や、「ノリで宣言しちゃったけどどうしよう...」と思っている方の参考になれば幸いです。
第1章:のんびり資格試験(2023年8月〜2025年1月)
まずは基礎固めから(2023年転職時)
転職を機にCloud Practitionerを取得したのが2023年8月でした。その時は本当に「とりあえず基礎だけ」という気持ちでした:
- 使用教材:Udemy
- 学習期間:約1ヶ月
- 感想:「意外といけるじゃん」という根拠のない自信
続いて同年12月にSAA(Solutions Architect Associate)を取得。この時点では「まあまあ順調」と思っていました。
そして1年間のブランク期間
新しい職場が忙しくて、2024年はほぼ何もせず。資格のことなんてすっかり忘れていました。
運命の初営業日(2025年1月)
2025年1月、職場の初営業日。みんなが今年の目標を話していた時、私は軽い気持ちでこう言いました:
「今年はAWS全冠達成したいです」
※できたら良いよね~~~レベル
周囲の反応
- 同僚A:「おお〜すごいじゃん!」
- 同僚B:「全冠って12個だよね?頑張って〜」
- 上司:「期待してるよ!」
...あれ、引っ込みがつかない?
第2章:最初はやる気ブースト(2025年1月)
宣言から2週間でDVA取得という無謀な挑戦
新年の抱負後、「とりあえず勢いで一つ取ろう」と決意しました。
(最初はやる気があるのです)
宣言からわずか2週間後にDeveloper Associate(DVA)合格:
この時期の大きな変化
- 学習方法の大転換:CloudLicenseという問題集サイトを発見
- AI活用開始:Perplexityで分からない部分を質問しまくり
- 実感:「あれ、問題演習メインの方が効率いいじゃん」
この成功体験が「もしかして本当にいけるんじゃない?」という危険な自信を生みました。
合格報告
DVA取得を報告すると、周囲からは「おお!順調じゃん!」「次はいつ?」という声が。
引っ込みがつきづらくなくなりました。(まだ引き返せる)
第3章:本格的な学習戦略を確立せざるを得なくなった(2025年2月〜3月)
SysOps Administrator Associate取得(2025年2月)
最初の2,3ヶ月まではやる気があるものです。
SOAに挑戦。ここで大きな壁にぶつかりました:
現実を思い知らされた瞬間
- 課題発覚:Webアプリ開発経験だけでは全然足りない
- 新たな学習ツール導入:AWS BlackBeltを本格活用開始
- 学習時間:平日1-2時間、休日3-6時間に増加
Solutions Architect Professional取得(2025年3月)
初のProfessionalレベル。「これ無理じゃない?」と何度も思いましたが、新年の抱負ブーストが私を支えました:
- 難易度実感:Associate とは次元が違う難しさ
- 自分へのご褒美制度:合格したらステーキランチ
- 周囲からのプレッシャー:「Professional取ったんだって?すごいね!」
第4章:人生最大のピンチが学習の転機に(2025年4月〜5月)
さらなる追い討ち:全社会議での公開処刑(2025年4月)
新年の抱負だけでもたまに上司から「あれからどう?」と聞かれる状況でしたが、さらなる追い討ちが待っていました。
2025年4月の全社会議で、3月にAWS AllCert認定を受けて社内表彰を受けた後輩が、なんと全社員の前で私について発表したのです。
後輩による公開宣言
後輩:「今年はxxさん(私)が全冠達成されるそうですw 頑張ってくださいw」
私の心境:「(んな!ちょっと待て、全社で言うな!!!)」
全社員の反応:拍手とともに期待の眼差し...
この瞬間、私の逃げ道は完全に断たれました。
抱負でよくあるできたら良いよねーレベルの話だったのに。。。。。
もはや後戻りは不可能な状況となりました。
全社会議での公開宣言の直後にまさかのアキレス腱断裂事件
4月の全社会議での後輩による「公開宣言」の直後、運動中にアキレス腱を断裂し、緊急手術を受けることになりました。
絶望から希望への転換
初期の絶望:「全社員に宣言された直後にこれって...完全に詰んだ」
発想の転換:「待てよ、これって集中して勉強できるチャンスじゃない?全社員の期待に応えるためにも、この状況を活用しよう」
禁酒が生んだ奇跡の学習環境
アキレス腱断裂を機に、生活習慣を根本から見直しました:
禁酒による劇的な変化
- 良質な睡眠:毎日7-8時間の質の高い睡眠
- 夜間学習時間の確保:今まで飲酒後は勉強不可能だったが、ノンアルなら集中できる
- 集中力の向上:以前とは比べ物にならない集中力
- 学習効率の大幅向上:正直、怪我前より勉強が捗る
- ※お酒で再断裂は嫌だーしか考えてません
DevOps Engineer Professional取得(2025年5月)
当初予定より2週間遅れながらも、なんとかDOP取得を達成:
- リハビリと学習の両立:外出できない状況が逆に集中環境を作った
- 決意の固まり:もう絶対に諦められない状況
第5章:学習戦略が完全に確立された時期(2025年6月〜7月)
禁酒効果と外出不可の集中環境により、この時期には効率的な学習システムが完全に確立されていました。
確立された学習の3つの柱
1. CloudLicenseでの問題演習
- 基本の流れ:全問題を一周→AWS試験モードで繰り返し演習
- 間違い問題の対処法:AI(Perplexity)とBlackBeltで徹底的にインプット
- お気に入り機能活用:理解不十分な問題は正解するまで何度でも復習
2. Perplexity専用スペースでの疑問解決
AWS資格学習専用のスペースを作成し、カスタム指示を設定:
- 専門的な解説要求:用語の背景、業務での使用方法、応用例、関連技術比較
- 実務エンジニア視点:理論だけでなく実際の現場での使い方も含めて学習
- 効率的な質問設計:曖昧な質問ではなく、具体的で建設的な質問を心がけ
※参考記事: https://note.com/mokuyokai/n/n459903d0f15a
3. BlackBeltによる体系的知識補完
SOA以降、実務経験の範囲を大きく超えるサービスが登場したため本格活用:
- 重点活用分野:運用管理、インフラストラクチャ、セキュリティ関連
- 学習アプローチ:単純な暗記ではなく、サービス間の関連性を重視した理解
- 実務との橋渡し:実際の運用シナリオを想定した学習
Advanced Networking Specialty取得(2025年6月)
実務経験が限定的なネットワーク分野での初のSpecialty資格取得により、BlackBelt活用の有効性を確信しました。
Security Specialty・Data Engineer Associate取得(2025年7月)
確立された学習戦略により、連続取得が可能となり、学習パターンが完全に安定化しました。
最終章:機械学習系資格での怒涛の3連続取得(2025年8月)
戦略的な取得順序の決定
機械学習系の3つの資格について、効率を重視した順序を決定:
機械学習系資格の戦略的順序
Machine Learning Specialty(MLS) → Machine Learning Engineer Associate(MLA) → AI Practitioner(AIF)
理由:MLSで機械学習の基礎概念をしっかり確立すると、連続して試験を受けられるので効率的
怒涛の3連続取得
8月に入り、全冠達成への最後のスパートをかけました:
- 8月2日:MLS合格(学習方法の確立が功を奏した)
- 8月3日:MLA合格(MLSの知識がそのまま活用できた)
- 8月7日:AIF合格(MLAの知識があったから速攻で取れた)
🎉 ついに全冠達成!! 🎉
軽い宣言から約8ヶ月、ついにAWS全冠(12認定すべて)達成を果たしました。
振り返り:「引っ込みがつかない」が生んだ成功要因
なぜ続けられたのか
段階的にエスカレートする「引っ込みがつかない」状況
- 新年の抱負での宣言:軽いプレッシャー
- 全社会議での公開宣言:後輩により全社員へ宣言される事態に発展
適度なプレッシャー
- 期待に応えたい気持ち:チームメンバーの応援が最大のモチベーション源となった
- 後輩への感謝とプレッシャー:AllCert認定を受けた後輩への負けられない気持ち
効率的なツール組み合わせの発見
- CloudLicense:問題演習の中核となる優秀なプラットフォーム
- Perplexity:疑問解決の効率化を実現するAIツール
- BlackBelt:実務経験外分野での体系的知識補完
予期しない出来事を活かせたこと
- 禁酒による学習環境改善:アキレス腱断裂を機会として捉えた発想転換
- 集中できる環境の確保:リハビリ期間を集中学習期間として活用
- 生活習慣の最適化:良質な睡眠と夜間学習時間の確保
継続を支えた仕組み
- 自己報酬システム:各試験合格後のステーキランチによるモチベーション維持
- 段階的な目標設定:12認定という大きな目標を一つずつクリアしていく方式
- 学習方法の継続的改善:各段階で学習方法を見直し、効率化を図った
まとめ
この8ヶ月間を振り返ると、抱負の「軽い宣言」と後輩による「全社会議での公開宣言」がある意味人生を変えました。
最初は「やばい、引っ込みがつかない」と焦っていましたが、結果的にそのプレッシャーが成功の原動力となりました。
特に全社会議での後輩の発表は、当初は「余計なことを...」と思いましたが、今振り返ると最大の転機でした。
全社員が知っている状況だからこそ、アキレス腱断裂という困難も乗り越えることができたのだと思います。
(絶賛リハビリ中ですので、引き続き頑張ります)
同じような状況の方へのメッセージ
もし「ノリで宣言しちゃったけど、どうしよう」「勝手に周りに言いふらされてしまった」と思っている方がいらっしゃいましたら、まずは一歩踏み出してみることをお勧めします。
適切な学習戦略と継続の仕組みがあれば、AWS全冠達成は決して不可能な目標ではありません。
そして何より、周囲の期待や応援は想像以上に大きな力になります。
「引っ込みがつかない」状況も、見方を変えれば最高のモチベーションになるのです。
後輩に勝手に宣言されて困っている方も、それをチャンスと捉えて挑戦してみてください。
同様の挑戦を検討されている方、または既に宣言してしまって(されてしまって)困っている方にとって、この体験談が参考となり、それぞれの学習戦略構築に寄与できれば幸いです。