今更ながらWindows版FFmpegをクロスコンパイル&カスタムビルド

注意

書きなぐりメモ、かつ2020年10月27日現在の情報になりますことをご了承ください。

WSL(Windows Subsystem for Linux)の準備

正確にはWSL2です。
Windows上でビルドしようとするとMSYSやらと面倒だったのでWSLを使うことに。

ハマった時は、Windows Updateを手動更新するのを忘れずに。

今回はUbuntu 20.04を使いました。

下準備(1)

ここからは公式ガイドを参考にしました。

$ sudo apt update && sudo apt install git autoconf automake build-essential cmake git-core libass-dev libfreetype6-dev libgnutls28-dev libtool libvorbis-dev pkg-config texinfo wget yasm zlib1g-dev mingw-w64

今回は一切ライブラリを入れずにビルドします。
ライブラリを入れる場合、後に説明する一部引数を変える必要があるかもしれません。

下準備(2)

公式のGitHubからクローンしてきます。
最新バージョンの確認は公式HPから。記事執筆時点での最新安定版は4.3.1でした。

$ git clone -b release/4.3 https://git.ffmpeg.org/ffmpeg.git ffmpeg && cd ffmpeg

ビルド

まずはコマンドをバッと。

改行なし

$ PKG_CONFIG_PATH=/usr/lib/pkgconfig ./configure --arch=x86_64 --target-os=mingw64 --cross-prefix=x86_64-w64-mingw32- --disable-shared --enable-static --pkg-config-flags=--static --enable-w32threads --extra-cflags=-O2 --enable-optimizations --disable-gpl --enable-version3 --disable-doc --disable-htmlpages --disable-manpages --disable-podpages --disable-txtpages --disable-debug && make

改行あり

$ PKG_CONFIG_PATH=/usr/lib/pkgconfig ./configure \
  --arch=x86_64 \
  --target-os=mingw64 \
  --cross-prefix=x86_64-w64-mingw32- \
  --disable-shared \
  --enable-static \
  --pkg-config-flags=--static \
  --enable-w32threads \
  --extra-cflags=-O2 \
  --enable-optimizations \
  --disable-gpl \
  --enable-version3 \
  --disable-doc \
  --disable-htmlpages \
  --disable-manpages \
  --disable-podpages \
  --disable-txtpages \
  --disable-debug \
  && make

解説

完全に理解して指定しているわけでないために、解説が雑なのが申し訳ないです…。

Mingw-w64でビルドする際に必要となる環境変数、configureの指定

PKG_CONFIG_PATH=/usr/lib/pkgconfig ./configure

Windows向け64bitバイナリをビルドさせる

--arch=x86_64
--target-os=mingw64
--cross-prefix=x86_64-w64-mingw32-

1つのexeファイルにまとめさせる

--disable-shared
--enable-static
--pkg-config-flags=--static

最適化引数。1行目はWindows向け

--enable-w32threads
--extra-cflags=-O2
--enable-optimizations

LGPL3.0でビルドさせる

--disable-gpl
--enable-version3

exeファイルのサイズを削るため、ドキュメント類や開発者向け機能をカット。こちらはお好みで

--disable-doc
--disable-htmlpages
--disable-manpages
--disable-podpages
--disable-txtpages
--disable-debug

上記で作成したmakefileに基づきコンパイル。十数～数十分かかります

make

--enable-small は実行速度を犠牲にバイナリサイズを小さくする引数ですが、今回は指定していません。
（私の環境の場合、実行速度が約5%遅くなったかわりにサイズは約27%小さくなりました。）

まとめ

書きなぐってすまんかった。

おまけ

この記事を書くきっかけになった私の開発するソフト、m3u8ToMP4をよろしくお願いします。
HTTP Live Streaming(HLS)で配信される動画・生放送をmp4などに変換するWindows向けソフトです。（保存した動画・音声が著作権法に抵触しないよう十分に注意してご利用ください。）