🧩 はじめに
ITのことを「人に説明する」機会がそこそこあります。
正直、全部ちゃんと理解しているわけではありません。
「これってなんでこうなるの?」って聞かれて、
「あれ……なんでだっけ……?」ってなったことは一度や二度ではないです。
でも、それでも説明しなきゃいけない場面はあります。
そして多くの場合、相手の中にもヒントはあるけど、それをどう伝えればいいか迷っていることが多いです。
だから私は、「完璧に理解してから話す」よりも、
“いま自分がわかってる範囲で、できるだけ伝わるように言い換える”
という方向でやっています。
💡 1. 「理解してないけど説明する」ってどういう状態?
- IT分野の人として、幅広く把握している前提で相談される
- 自分も100%理解してるわけじゃないけど、とりあえず説明が必要
- 知識よりも“対応力”や“姿勢”が問われる場面が多い
🗣️ 2. よくある“ふわっとした訴え”と、どう返すか
非ITメンバーとのやりとりでよくあるのが、
「現象は伝えたいけど、うまく言葉にできない」タイプの相談です。
| 💬 訴え | 🧠 本音(心の声) | 🧑💻 対応例 |
|---|---|---|
| 「なんか変な画面が出た」 | (せめて、なんて書いてあったか教えて?) | 「通知のやつかもしれませんね。その後出てなくて問題ないなら無視していいです」 |
| 「何もしてないのに壊れた!」 | (だとしたら故障です) | 「たまにそういうことありますよね。どんな風に壊れたんでしょうかね?」 |
| 「勝手に落ちた」 | (勝手には動かないんです) | 「直前までどんな操作してたか、順を追って確認してみましょう」 |
| 「ボタンが効かない」 | (そんなに連打しないで!) | 「再起動とか、画面閉じたりとか試されましたか?」 |
ここで意識しているのは、
技術的に正しい説明をするより相手が安心できる言葉で返すこと。
相手は「何が起きたか」を正確に知りたいわけではなくて、
「自分のせいじゃない」とわかって安心したいケースも多いです。
「よくあることですよ」
「大丈夫です、いったん状況を確認しましょう」
そんな一言が、場の空気をふっと和らげてくれます。
🤝 3. 実は相手が答えを知っていることもある
〜「一緒に悩む係」という立ち位置〜
現場で話していると、こういうことがよくあります。
- 相手は「確認のために」聞いているだけ
- 自分が正しいと思っているけど、誰かに共感してほしい
- 不安だから、誰かと一緒に考えたい
つまり、本当に答えがほしいわけじゃないことも多いんです。
だから私は、こんなスタンスを大事にしています。
- 「なるほど、その画面見たことあります。一緒に原因探してみましょうか」
- 「わかります、その気持ち。こういう時はこうしてみるのが多いですよね」
- 「今すぐ答えが出せないかもしれないけど、調べながら一緒にやってみましょう」
“一緒に悩む係”という立ち位置を意識するだけで、
相手の安心感が全然違います。
話しているうちに、相手が自分で答えを導き出して納得して帰っていくことも多いです。
その瞬間、「これでよかったんだ」と感じます。
こちらは“わかった人”として振る舞うより、
“話を整理する相手”になれた方が、
ずっと信頼されることもあります。
🙋♀️ 4. わからないことは、素直に聞く
「説明する側なのに知らない」と思われるのが怖くて、
ついわかったふりをしてしまうこと、ありませんか?
でも実際は、わからないことを聞く姿勢のほうが信頼されます。
「自分もそこは詳しくないので、確認してみますね」
「一度他の人にも聞いてみて、共有します」
“ちゃんと調べてくれる人”という印象を持ってもらえれば、
その後のコミュニケーションもスムーズになります。
🌸 5. 礼節と笑顔を忘れない
どんなに技術的に正しくても、
冷たい伝え方をすれば伝わりません。
- 「ありがとうございます」
- 「助かりました」
- 「一緒に考えてくださってありがとうございます」
そうした一言や笑顔があるだけで、やり取りの空気が柔らかくなります。
礼節と笑顔は、どんな技術よりも伝わりやすいコミュニケーション手段です。
🧘♂️ 6. まとめ:完璧じゃなくていい
- わからないことを無理に隠さない
- 「今わかっている範囲で、丁寧に伝える」だけでも十分
- 相手の中にある答えを一緒に見つける
- 礼節と笑顔を忘れず、“一緒に悩む係”でいる
🪷 おわりに
「ちゃんと理解していないから説明できない」と悩む人ほど、
実は一番、丁寧に伝えようとしている人だと思います。
自分もそんなふうに、
わからないなりに、一緒に考えてくれる人でありたい。
と思っています。
