カスタマージャーニーとVSMの関係
カスタマージャーニーとバリューストリームの最も大きな違いは、「視点」 です。
カスタマージャーニー
顧客が何を考え、何を感じているかという 「外側(顧客)からの視点」 です。
バリューストリーム
組織がその価値をどうやって提供しているかという 「内側(組織)からの視点」 です。
🍽️ レストランのアナロジー
この2つの違いは、レストランで考えると分かりやすいです。
カスタマージャーニー (顧客の体験)
顧客がレストランの存在を知り、予約し、来店し、席に案内され、メニューを見て、注文し、食事をし、会計をして、店を出るまでの一連の体験です。
焦点
各ステップで顧客が何を感じたか。
「席への案内がスムーズで嬉しかった」「注文した料理が来るまで遅くてイライラした」といった感情や満足度に焦点を当てます。
バリューストリーム (レストランの業務)
顧客に料理を提供するために、レストランの内部で行われている業務の流れです。
焦点
ウェイターが注文を受け、その伝票がキッチンに渡り、シェフが食材を準備し、調理し、盛り付け、ウェイターがそれを運ぶまでのプロセスです。
「シェフの調理に時間がかかっている」「伝票の連携に無駄がある」といった効率性やボトルネックに焦点を当てます。
比較表
どう使い分けるか
これら2つは表裏一体です。
カスタマージャーニーを使って、顧客がどこで不満を感じているか(例:料理が来るのが遅い)という 「解くべき問題」
を発見します。
バリューストリームを使って、その問題がなぜ起きているのか(例:キッチンのプロセスにボトルネックがある)という 「根本原因」
を分析し、改善します。
アブダクション
顧客から不満の声が上がった際に、なんとなくで「なぜなぜ分析」を行わないように、
必ずこの2つのモデルを並べてみて、
「カスタマージャーニーマップ中でこの部分に問題があるのは、このバリューステージに問題があるからだ」
という、アブダクションを使った原因分析ができるようになります。
