はじめに
初めまして!エンジニア2年目の Kseisaimin です。
この記事では、Google Keepをmcp経由で操作し、メモ運用をより効率的にする方法を紹介します。
目次
- 環境情報
- mcpの紹介
- mcpをCursorに取り込む手順
- メモの運用例
- まとめ
1. 自身の環境情報
- OS: Windows 11
- エディタ: Cursor (Freeプラン)
- mcp:
keep-mcp-pipx - ※自身のGoogleアカウントに接続しているAndroid端末が必要になります
2. mcpの紹介
keep-mcp には以下の機能があります:
-
find: クエリ文字列に基づいてメモを検索します。 -
create_note: タイトルとテキストで新しいメモを作成します(自動的にkeep-mcpラベルが付与されます)。 -
update_note: メモのタイトルとテキストを更新します。 -
delete_note: メモを削除対象としてマークします。
注意: メモのタグを切り替えたり、ピン留め操作等はできません。これらの操作は Google Keep の Web インターフェースやモバイルアプリから手動で行う必要があります。
3. mcpをCursorに取り込む手順
https://github.com/feuerdev/keep-mcp
基本は↑のREADMEの手順の通りですが、結構つまずいた箇所があったため以下に詳細な手順を紹介します
1. cursorのmcp.json設定ファイルの編集
まず、cursorのmcp.json設定ファイル(C:\Users\[ユーザ名]\.cursor\mcp.json)に以下を追加します。
{
"mcpServers": {
"keep-mcp-pipx": {
"command": "mcp.exe", // 公式だとpipxを指定していますが、今回はmcp.exeを指定します
"args": [
"run",
"keep-mcp"
],
"env": {
"GOOGLE_EMAIL": [google keepを使用しているgoogleアカウントのメールアドレス]",
"GOOGLE_MASTER_TOKEN": "[手順2で生成するトークンを入力]",
"UNSAFE_MODE": "true" // デフォルトでは、破壊的・変更操作はMCPサーバーが作成したメモ(keep-mcpラベル付き)のみに制限されています。UNSAFE_MODEをtrueに設定することでこの制限を回避できます。
}
}
}
}
2. GOOGLE_MASTER_TOKENの取得方法
次に、Google Keepにアクセスするためのマスタートークンを取得します。
公式ドキュメントではこのdockerコマンドを実行すればよいと書いてありましたが、私はcursorに作ってもらった下のpythonファイルを実行して取得しました。
import sys
try:
import gpsoauth
except ImportError:
print("gpsoauthがインストールされていません。インストール中...")
import subprocess
subprocess.check_call([sys.executable, "-m", "pip", "install", "gpsoauth"])
import gpsoauth
# パラメータ(以下を実際の値に置き換えてください)
email = "your-email@gmail.com" # Google Keepを使用しているGoogleアカウントのメールアドレス
oauth_token = "your-oauth-token" # 手順2-1で取得するOAuthトークン(後述)
android_id = "your-android-id" # 手順2-2で取得するAndroid ID(後述)
try:
result = gpsoauth.exchange_token(email, oauth_token, android_id)
print("結果:", result) # 出力されるJSONレスポンスの「Token」の値がGOOGLE_MASTER_TOKENです
except Exception as e:
print("エラー:", e)
2-1. OAuth Tokenの取得方法
- https://accounts.google.com/EmbeddedSetupにアクセス
- Google Keepを使用しているGoogleアカウントのログイン情報を入力します
- プロンプトが表示されたら「I agree」をクリックします。ページが無限にローディング画面を表示する場合がありますが、無視して次の手順に進みます
- OAuthトークンを取得する手順:
重要: トークンには期限があるため注意してください。
2-2. Android IDの取得
Android IDは、簡単に言うとAndroid端末固有の識別子です。Android端末で初めてGoogleサービスにログインしたときに自動生成されます。
2-2-1. ADBのインストール
PCにADB(Android Debug Bridge)をインストールします。
2-2-2. Android端末の設定
- Android端末で「開発者オプション」→「USBデバッグ」をオンにします
- AndroidをPCとUSBで接続します
2-2-3. Android IDの取得
以下のコマンドを実行してAndroid IDを取得します:
[adb.exeまでのパス]/adb.exe shell settings get secure android_id
代替方法: Android端末に「Device Info HW」というアプリをインストールして取得することもできます。
3. 設定の完了と動作確認
- 上記のpythonファイルを実行して取得した
GOOGLE_MASTER_TOKENをmcp.jsonに設定します - Cursorを再起動します
- Cursorのチャットで
keep-mcp-pipx 4 tools enabledのような表記が表示されれば成功です!
4. メモの運用例
私は家のPCでかれこれ5年近くGoogle Keepでメモを取っています。私を取り巻く様々なメモをひとつのアプリで運用しており、タグ機能はあるものの毎回タグ付けするのが億劫で識別要素のないメモが雑多に存在している状態でした。keepの検索機能も抽出に時間がかかってしまったり、「なんかこんな感じのメモ書いたんだよなあ」というときに完全な文字列検索しかできないのが大変でした。まだ使用して時間はそこまで経っていませんが、それらの問題がこのmcpで解決しました。
使用例1. 特定の検索ワードを指定せず検索
「2025/07/01の会議でメモった内容に設計書の納期書いてあったんだけど、何だっけ?」みたいな質問を、cursorが調べて返してくれます(1回目は返してくれなくても言い方変えて質問し直したらうまくいったりします)。しかも検索速度が結構早いです!モデルをAutoモードにしても、早いと3秒程度で返ってきます。
使用例2. メモを作成
試しに以下の指示文を送りました:
keep-mcp-pipxを使用して、「mcpでgoogle keepと接続できた喜び」を全力で表現したメモを追加してください。
結果「keep-mcp」というタグをつけて以下のメモを追加してくれました:
タイトル:mcpでgoogle keepと接続できた喜び
本文:やったーーー!!!ついにmcpでGoogle Keepと接続できた!!!最高!感動!これでメモ運用が超便利になるぞ!!ありがとうmcp!ありがとうGoogle Keep!
5. まとめ
MCPの進化に伴い、メモ運用のより効率的なやり方が実現できてきています。仕事上のメモでもプライベートのメモでも運用の仕方によって認知負荷や受けるストレスがかなり変わってきます。どんどんメモ運用系のmcpを触ってみましょう!
この記事がその一歩の後押しになれたら幸いです!

