はじめに
私は株式会社GENEROSITYのエンジニアです。
開発において重要な工程であるテストの重要性について普及したいと思いこの記事を書きます。
はじめに 有用なテストケースかけていますか?
ソフトウェア開発において、テストは品質を確保するために欠かせない要素です。しかし、テストが十分に実施されていない、または効果的でない場合、バグや予期しない不具合が発生する可能性が高まります。
この記事では、テストの必要性から良いテストケースの作成方法、そしてテストケースの考え方について解説します。
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こんな人に読んでほしい
- テスト作成者
- テスト実行者
- テストの重要性について理解したい
テストの必要性
テストは単にバグを見つけるための手段だけでなく、ソフトウェアが要件通りに機能するかを検証する重要な手段です。テストを実施することで、以下のようなメリットが得られます。
- 品質の向上/仕様確認: ソフトウェアが想定通りに動作していることを確認できる
- バグの早期発見: 実際の運用に入る前に問題を見つけ、修正できる
- メンテナンス性の向上: 新たな機能追加や修正を行った際に影響範囲を簡単に特定できる
- リファクタリングの安心感: コードの変更やリファクタリングが安全であることを確認できる
- ドキュメントの代替: テストコード自体が、コードが何をするのかを示すドキュメントの役割を果たす
良いテストとは
良いテストケースは、シンプルかつ明確で、特定の機能やユースケースに対して確実に結果を検証できるものです。良いテストの特徴は以下の通りです。
- 明確で正確な表現(冪等性): 誰でも理解できるようなシンプルで直感的な表現を使用する
- 包括的なカバレッジ(網羅性): 正常系・異常系、そして境界条件を含めたテストを作成し、要件や仕様の抜け漏れがない
- 再利用可能(汎用性): 使い回しが可能なテストケースを作成する
- 独立性を保つ(独立性): 他のテストケースに依存しない設計を行う
テストケースの考え方
今まで、そもそもテストって何?について記載しましたが、ここからは本題であるテストケースについて記載します。
テストケースを作成する際には、以下の要素を考慮して作成することが重要です。
(1) テストケースの基本構成
まず、効果的なテストケースを作成するためには以下の項目を明記します
- 目的: 何を検証するのか。テスト範囲を明確にする
- 前提条件: 実行前に必要な設定や状態
- テスト手順: 実行する具体的なステップ
- 期待結果: どのような結果を期待するか
- テストデータ: 使用するデータや入力値
(2) どこまでテストすべきか
テスト範囲や優先度を設定し、必要なテストを実施することが重要です。
- 高優先度のテスト: ユーザーに大きな影響を与える機能、クリティカルな処理を優先
- 低優先度のテスト: 安定している外部ライブラリや小さな機能に対して低優先度のテストを実施
(3) 正常系と異常系
- 正常系: ユーザーが期待する標準的な入力や動作に対するテストを行います。例えば、入力フォームに正しい値を入力した場合の動作を確認します
- 異常系: ユーザーが誤った値や範囲外の入力をした場合の動作を確認します。異常系のテストは、エラー処理が正しく行われるかを確認するために重要です
(4) カバレッジを意識する
テストケースを作成する際には、条件網羅や分岐網羅を意識して、異常系やエッジケースも含めたテストケースを作成しましょう。例えば、数値入力であれば、最小値・最大値だけでなく、その前後の値も確認します。
(5) 大きなケースから詳細なケースに向かって考える
大きなシナリオから細かいケースに分けていくと効率的です。まずは全体のフローを理解し、その後に詳細なケースを分けていきます。
(6) チェックリスト
(1)~(5)を検討したら、テストを書き始める前にチェックリストを作成し、これを満たすケースを考える方法が有用です。
まとめ
本記事ではテストケースの考え方について紹介しました。
みなさんのテストが少しでも意義のあるものになれば幸いです。
再度になりますが、ぜひこちらも併せてご覧ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました!